80年に発売された「B-2UNIT」を購入したのは、中学2年生の頃だった。
当時、YMOキチガイだった自分は、YMO的な音を期待して、2800円で買ったLPにアセンとした。
当時、内容を知らないで買ったにしては、自分に課せられた課題は大きかった。
坂本龍一の背景をろくに知らなかったし、当時、LP2800円は、中学生にとっても大きな賭けだった。
「WAR HEAD」のシングルや「千のナイフ」に感動して知っていたので、それ的なものだろうと思っていたが甘かった。
LPをかけながら、自分はなんてものを買ってしまったんだろうかと、正直後悔した。
あの日の夕暮れを、僕はずっと、今でも、思い出せる。
あの三ノ輪の家の夕暮れを。
***
しかし、30年近く聴いているこのアルバムは、今では愛聴盤になっている。
坂本龍一は、YMO第2次ワールドツアーを企画した際に、同意していない。
元々、人前に出てプレイすることに、細野さんのバンド(=YMOという発想)に反感を覚えていた彼ならではの事件。
第2次ワールドツアーは、アメリカ・ヨーロッパを回り、大きな反響を得たツアーだが、彼らしく、というか、「いつもYMOの問題児=坂本」は、反対をした。
さらに、YMOを辞めると言い出した。
そのとき、引き換えに、セールスも無視して、俺のやりたいように1枚アルバムを創らせろ、というのが条件だった。
それをアルファ・レコードが条件を呑んで作ったアルバムが、この「B-2UNIT」である。
全曲素晴らしいが、というか実は坂本龍一の最高傑作と思っているが、過激で一番彼の持ち味を出しているアルバムだと思っている。
まだ、サウンドストリートも始まっていないし、まだ暗い頃の坂本龍一のロマンティシズムが全開である。
その中でも、初めてヴォーコーダーという器具を取り外してなまみのヴォーカルに取り組んだ曲が、この「thatness and thereness」である。
本人いわく、ルー・リードの「ベルリン」を聞いて、それが発火点になった模様。
下手とかウマイではなく、肉声を伝える、ということに関心を示した1曲。
心理学用語であるという造語、「そこにあること・そうであること」
学生運動で警察と対決した際のフラッシュやそういうシーンの記憶の断片が綴られている。
スロッビング・グリスルなど、当時、坂本龍一が傾倒していた、ニューウェィヴの過激派の影響を感じる。
ピアノを独りで弾くその姿に、自分は、いちころになった。
永遠に残る名曲だと思う。
もう予約開始してるそうですよ。
限定盤は4500円なのに通常盤は1980円…なぜ?そんなに値段が違うの?
http://www.skmt09.com/
「OUT OF NOISE」か。
今度は、ピアノ中心のオリジナルアルバムなんですね。
自分は、1980円の方でいいです。
聴ければ、それでいいので。
僕もこのLPにショックを受けました。
サウンドも歌詞も過激で、まともに聴いていたら不良中学生になってしまうところでした(笑)。でもいつまでも記憶に残るアルバムです。
当時は、このthatness and therenessとriot in Lagosのようにわかりやすいメロディーのものがあったのでついていけた。前曲は後のmedia bahn liveでの弾き語りがすばらしかったし、後曲はUCYMOでかなり原曲に忠実な演奏をしてかっこよかったです。
体調くずされているようですね。早くよくなってください。
くもお
B-2UNITの1曲目「ディファレンシア」の延々続くリフレインに驚きました。
thatness and therenessとriot in Lagosは、確かに名曲ですよね。
riot in Lagosは、第2次ワールドツアーの最初の曲でカッコよかったですね。
EUYMOでした。もう聴かれましたか?
2枚あって、かなり濃厚な内容なので、少し恐れていて、まだ買っていないんです。
お互い、JAPANのメンバーとも交流ある中での不仲ですからね。
riot in lagosは、このアルバムのトラックより、自分は、YMOの第2次ワールドツアーの最初の曲だったバージョンが好きです。
いずれにしても、奇跡的な名盤ですよ。
「Media Bahn Live」のバージョンが秀逸で、この曲がすっかり好きになってしまいました。
地球温暖化とか言われてなかった11月が寒い時代、晩秋の頃のひんやり感と相まって、夜寝る前に聞いていました。
トベタバジュンさんの「青い蝶」で幸宏さんがカバーしていて、「へ?教授の曲を幸宏がカバー?豪華すぐる…」
まさに夢の響宴。
Audio Spongeやっていた頃だから、こんなものだろうと冷静になろうとしても、聞くたび、未だ心が走ってしまいます。