こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2013年5月21日 火曜日 「一番大切なものは・・・」

2013-05-21 21:32:55 | 音楽帳

いつも玄関にある、書斎での三島由紀夫と・彼が愛したネコの向かい合う写真。
ネコを溺愛した三島の抱くネコに、奥さんは嫉妬したと言う。

三島由紀夫との出会いの始まりだった「仮面の告白」。
23歳にして・彼が大蔵省を辞める覚悟で・彼自身の生命線を掛けて発表した、わたしにとっての深き作品。
その冒頭にある、自然・公園・森・そして過去の「祖」の末に繋がる「今」に対する表現描写が、未だに好きである。
三島が書く、風景や情景描写に込められたものに、じぶんはエロティシズム・官能を覚えるが、後に彼自身が同様のことを語っていることを知り、納得した。
彼にとってのそういった描写は、単なる記載以上の存在なのである。
何もそれは「仮面の告白」のみならず、彼の作品全般に底通したもの。

公園の木漏れ陽を縫って、こちらに向かって走ってくる「誰か」という「なにがしか」。
その描写は、幻覚じみながらも、じぶんにはリアリティあるもので、同様にして高橋幸宏の作品に出てくる描写でもあり、そこには時間を越えて繋がった祖先との邂逅が、わたしの体内にも宿っていることを現している。

1988年(昭和63年)、じぶんは大学2年生。「ハートランド」というビールのCMが好きだった。
バックにはドリーム・アカデミーの「イン・ザ・ハート」なる曲が掛かっていた。
夏近い5月。木漏れ陽が草木に落とす影。森の中でのシーン。
人は死ねども、祖先との繋がりの上の末端で、ボクは森に包まれている。
森は黙っているが、自分らよりも数代に渡って、時を貫いて存在してきた、遠き祖先からの連なり。
このCMに当時、三島の言わんとしたものを投影していた。

■CM「キリン ハートランド・ビール」大樹編 1988■
90年代後半以降、東京に戻り・毎週神保町に足しげく通う中で、やっと発見したドリーム・アカデミーのシングル「イン・ザ・ハート」。

このジャケットに「一番大切なものは、君の知らない場所にある。」というコピー。
「社会的(経済【カネ】特化した)ニンゲン」なる不可思議なエイリアンへの違和感が、歳を取ると共により一層強まる中、反社会的人間(アウトロー)・自然・動植物への惹かれ方をしている今のじぶん。
ドリーム・アカデミーの存在自体も含めて、改めて、そこに導かれていく。





愛するまみちゃんとの最期の日々の中、祈るように聴いた「プリーズ・プリーズ・プリーズ」。
スミス(モリッシー&ジョニー・マー)のカバー。
彼らの音楽には、過去から繋がった今・そして大地を感じさせる、久遠の想いが形となって刻まれている。

■Dream Academy 「Please, Please, Please Let Me Get What I Want」■
(産まれてこのかた痛い目に散々遭って来たけれども、どうか、今度こそは、わたしの想いが叶いますように。。。)


















コメント (2)
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