近くにビールを買いに出た。
そこでいつものように、くねくねと細道のラビラントを写真を撮りながら歩く。
お花を撮っていると、その路地の1階建てに住んでいるおばさんが出てきた。
「不審者扱いかなあ・・・」と思ったら、「キレイに撮れますか?」と笑顔で話しかけてくれた。
家の横にグリーンカーテンが作られている。
おばさんは、その葉をいじりながら話しをしてくれた。
かたちんば「今年は、植物もかわいそうでしたね。
いくらお水を上げても暑すぎてヘタっていましたね。」
おばさん「そうなのよ。このゴーヤもね。
去年は大きくて・もっと白かったんだけども。かわいそうだよね。
ほうら、こんな葉っぱがしなっちゃって。」
かたちんば「去年の暑さの方がマシでしたね。
ようく、この細道を通ってはグリーンカーテンを見て、心配していました。」
おばさん「そうだったの。今日は雨が降るらしいから、少しはみんな生き返るといいんだけどねえ。」
会釈をしてわかれた。
***
同じ「新参者」の自分だが、周囲には新築が狭苦しく建つ中、そういう移動者たちが不愉快で、自分は一切口を利かない。
三ノ輪生まれもここではまだ浅い新参者だが、下町を巡り歩く独り者として、愛する中の1つの街が向島であって住んでいる。
だが、どうも周囲の新築移動者のツラを見ると、そんな匂いは一切感じられず虫唾が涌くので、一切関わらない。
相手も、ひそかに心の中に銃を持つ自分には近づいてこない。
***
今度は、おばさんのところに、何かおみやげを持ってお話しをしに行こう、と思っている。
やっとデヴィッド・シルヴィアンの「9月(セプテンバ-)」が聴ける程度の風情になってきた。
明日からは10月。
9月最後の日にこの曲を聴く。
■デヴィッド・シルヴィアン 「9月~銃を持った少年」■
空高く陽は輝き こだまする笑い声
鳥たちが古びた教会の 十字架に襲いかかる
ぼくら恋しているんだねと口に出してみる
ひそかに雨を待ちわびながら
コーラをすすりゲームを楽しむ
9月がまたやって来た。
9月がまたやって来たんだ・・・・・。