こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2011年12月16日 金曜日 山椒魚の夜間飛行 とある拾弐夜 - 風に語りて -

2011-12-16 20:52:02 | 音楽帳
キング・クリムソンのファースト・アルバムには夜しか似合わない。
リアルタイムでは聴けず、追体験した自分はそう当時を想像する。

1969年、昭和で言えば44年。自分は3歳、兄は9歳。
テレビでロックがかかるなどはまだ異質であり、茶の間とテレビのチャンネル権は、当時殺すべき対象の家父長にあった頃。

潜んだ仲間たちが分かち合うネットワークは、ラジオ放送、もしくは、限られた採算ラインぎりぎりの雑誌しか無かったであろう。
潜んだ仲間たちは、当時夜な夜なこの曲を、このアルバムを、聴いていた。
そのシーンを想い描く。
なんとも切ない気持ちになる。



「風に語りて」・・・。
A面2曲目のこの曲は、多くのミュージシャンにカバーされている。

「わたし」は風に話しかけてみるが、風は何も言わない。
風はただ黙って吹いているだけ。

まだ夜が静けさ・覆う空の下の闇に包まれていた時代の刻(とき)。
聴く人々は、そこに深く刻まれたものに向き合っていたであろう、人それぞれの孤独な刻と想い。

もはや騒がしさの絶えない2011年の夜。
当時の夜の漆黒の闇に想いを馳せる。

生きる、とは何か?
そんなうずきと痛みを伴う問いに、一つの回答を提示してみせた哲学「風に語りて」。

■King Crimson 「I Talk to the Wind」■
コメント
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