京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

孝恩寺(大阪府貝塚市) 文化財収蔵庫 特別公開

2023年03月27日 07時49分00秒 | 日記
 3月24日は仕事を14時からにして大阪府貝塚市にある孝恩寺を参拝しました。



収蔵庫の特別公開があるのを朝日新聞で見つけ往復葉書で申込みをしていました。







近くにありながら、その存在を知りませんでした。

孝恩寺周辺は古くから良質な木材を産出する地域で、その木材の集積地であった事から、この地域は「木積(こづみ)」と呼ばれていました。

奈良時代神亀3年(726)、聖武天皇の勅願寺四十九院のひとつとして、行基菩薩により「観音寺」が創建されました。

七堂伽藍を備えた大寺院だったと伝えられていますが、中世の戦乱で荒廃し、江戸時代には観音堂と20躯ばかりの仏像を残すのみとなっていました。







孝恩寺は、江戸時代明暦元年(1655)に観音寺境内に隣接し創建された浄土宗寺院です。







しかし、観音寺は明治時代に廃寺となり、孝恩寺が旧観音寺を吸収合併し、観音堂と諸仏も孝恩寺に引き継がれました。

現在は観音堂(国宝)を本堂とされています。









観音堂の建立年代は明らかではないそうですが、建物の特徴から鎌倉時代後期と考えられています。

屋根は丸瓦の形が特徴的な行基葺と言う葺き方で、全国的にも希少だそうです。

前回、大正5年の解体修理から100年近く経過し、経年劣化が多く見られた事から令和元年9月から令和4年7月まで屋根葺替を主とした修理が行われました。



境内にある収蔵庫は通常非公開ですが、毎年、春と秋のお彼岸前後に約2週間の特別公開があります。



















収蔵庫には阿弥陀如来像など国指定の重要文化財の仏像19躯と貝塚市指定文化財の木造阿弥陀如来立像1躯の計20躯と板絵1個が安置され、最近美術館に貸し出していた虚空蔵菩薩立像もお戻りになり、全ての仏像が一堂に揃うのは約40年振りだそうです。
(写真は貝塚市HPからの転載です。)

重文指定の仏像は、いずれも平安時代に制作されたものと考えられていて、中世の戦乱期には近くの川やため池に沈めるなどで兵火から守ってきたと伝えられています。



この様な素晴らしい国宝建築物があり、また、重文の仏さまが19躯もおられる「孝恩寺」を拝観出来、いい勉強になりました。

京都や奈良だけではなく、大阪も捨てたものでは無いですね。




浄土宗大本山知恩院② 文化財特別鑑賞

2023年03月26日 09時03分00秒 | 日記
 大方丈・小方丈に続いて経蔵(通常非公開・重文)の中へ。

① 経蔵





御影堂の東に建つ経蔵は山門と同じ元和7年(1621)の建立です。 





入口には転輪蔵を創始した中国・南北朝時代の仏教者・傅大士(ふだいし)の木造がお祀りされています。



内部の輪蔵には「宋版一切経」が納められ、狩野派の絵師により装飾されています。

お経は湿気対策の為、別の場所に保管されているそうです。また、転輪蔵は現在でも回転するそうで、当時の大工の技術の高さが窺えるます。

③ 大鐘楼







日本三代梵鐘のひとつに数えられ、高さ約3.3m、直径2.8m、厚さ約3cm、重さ約70tもある巨大な梵鐘で寛永6年(1636)に完成しています。



毎年12月27日に行われる"試し撞き"は本番さながら行われます。

この巨大さゆえに親綱が1本と小綱が16本の計17名のお坊さまの手で引かれ突かれます。

親綱を担当するお坊さまが主役の様に思えましが、その方は真っすぐに撞木を誘導するのが大切な役目で、肝心なのは小綱を担当する16名のお坊さまのチームワークが大切だそうです。

WBCで盛り上がった野球と同じですね。

こんな大きな梵鐘をどうやって作ったのだろう?70tもある梵鐘をどうやって鐘楼に釣るしたのだろう?と疑問に思いますね。
答えは、この場所で土を盛り鋳型に青銅を流し込み、冷えた頃に盛っていた土を取り除く方法で製作されたようです。



12月31日の除夜の鐘はNHK「ゆく年くる年」の中継で放映される事が多く、余りにも有名な梵鐘です。







最後に御影堂の扉の金具の新旧です。
"猿"の意匠が入った金具ですが、扉は毎日開け閉めされるだけに経年劣化が進んだ金具は今回新調されています。

"蝉"の金具も目にします。
蝉は一生、殺生しない昆虫で仏教では尊ばれる存在です。

お坊さまの案内で非公開エリアや経蔵、鐘楼をご案内して頂き、有意義な時間を過ごす事が出来ました。

敷地面積約7万3千坪を誇る知恩院(正式には華頂山知恩教院大谷寺)です。
まだまだ知らない世界が多いと思います。







光雲寺 坐禅体験&禅ヨガ

2023年03月25日 07時21分00秒 | 日記
 3月18日は初めての"禅ヨガ"体験で京都東山にある南禅寺の塔頭寺院・光雲寺(通常非公開)さんへ。









以前には数度公開があり拝観していますが、ここ最近は全くありません。

開山はナント南禅寺開山の無関普門(むかんふもん)禅師(国師号は大明国師)、開基は東福門院和子(まさこ)さまで弘安3年(1280)に創建されました。

南禅寺にとって大切な寺院で、ご住職は田中寛州(かんじゅう)老師、またまたナント南禅寺管長猊下であります。

東福門院は徳川二代目将軍秀忠公の娘で14歳で後水尾天皇に入内(じゅだい)し、後に中宮になられています。





おふたりの間に誕生された後水尾天皇第二皇女が次の明正天皇に即位されています。








仏殿とその前に広がる庭園です。

仏殿と明正天皇ご寄進の鐘楼は京都市指定文化財になっています。

戦時中、多くのお寺の梵鐘が供出されましたが、こちらの梵鐘は天皇さまのご寄進と言う事で供出を免れたそうです。

先ずは組物が立派な仏殿で老師のご指導で坐禅がありました。(15分を2回)

結跏趺坐は無理なので半跏趺坐で坐禅を組みます。
呼吸を整える事だけに集中します。

煩悩だらけの僕には"無"を体験する事は出来ませんが、背筋を伸ばし、ただただ呼吸に集中する時間は日頃を離れた貴重な時間に感じ心身ともにリフレッシュした爽快感があります。

坐禅に続き、マミ先生の指導で初体験の"禅ヨガ"です。

体にあまり負荷がかからないヨガポーズから始まり、屈伸や体幹を鍛えるポーズまでマミ先生や周りの方々を見よう見まねで"必死"でついて行ったって感じです。

約1時間あったようですが、ホント、あっという間の"心地良い時間"でした。







ヨガが終わり皆さん着替えを済ませ書院へ。
(もちろん、皆さん女性でおっさんは僕だけです。)

光雲寺庭園を眺めながらお菓子とお抹茶を頂きました。

庭園は東山の山々を借景にした池泉回遊式庭園です。
すぐ近くを流れる琵琶湖疏水分線の水を引いた素晴らしい庭園です。

江戸時代の「都名所図会」にも掲載されている名庭園ですが、昭和2年に南禅寺界隈の多くの庭園を手掛けた七代目小川治兵衛(植治)により改修されています。




仏殿内部や光雲寺庭園は頂いた由緒書をご覧下さい。

また、是非に参加させて頂きたいと思う貴重な体験でした。

最後には貴重な貴重なお土産を頂きました。











またまたナントですが、南禅寺管長猊下の色紙と禅林各派の管長猊下の墨蹟が月替りになったカレンダーを頂きました。

帰宅し、中身を見て驚くばかりでした。

老師さま、マミさま、アシスタントの方、ありがとうございました。

野村重存先生の作品を旧粟田山荘で楽しむ会

2023年03月24日 07時52分00秒 | 日記
 中村楼で京料理を頂いた後、徒歩で青蓮院門跡の北側にある"旧粟田山荘"で野村重存(しげあり)先生の個展を鑑賞しました。




会場に入るとナント!野村先生がいらっしゃるではないですか?

ひとりひとりのお客様に挨拶されていました。
先生のお人柄が窺えますね。







旧粟田山荘は昭和12年(1937)に西陣の織元の別荘として建てられ、数寄屋造りの建物と270坪もの日本庭園が広がっています。

40年以上にわたり「京都ホテルオークラ別邸 京料理 粟田山荘」として営業されて来ましたが、2021年6月30日で営業を終えています。

その後、売却されましたが売却先は公表されていません。
その後、どうなるかも公表されず、今回の野村先生の個展が敷地内に入れる最後になるかも知れないそうです。













野村重存先生はTBS系列のMBS毎日放送制作のTV番組「プレパト」で水彩画査定コーナーに出演されていたり、僕が通うNHKカルチャーや朝日カルチャーで講座を持たれている方だけに自分だけ?妙な親近感を覚えます。
(全くの独りよがりですが、、、)















絵心の"全く無い"僕には最初は写真にしか見えませんでした。
"脅威のデッサン力"ですね。

水彩画は無論素晴らしいのですが、鉛筆画はまた"凄い"の一言です。
先生は消しゴムは使われずに制作されるそうでまさに"脅威の集中力"ですね。

旧粟田山荘の各部屋を会場にテーマ毎に作品が展示されています。















2年前の2月には京都仲間のKさん、Mさんと3人でこちらの2階で食事をしたのがつい最近の事の様に思えます。

そのMさんですが、昨年の6月に乳がんの為に他界されてしまいました。
JR東海「そうだ 京都、行こう。」に入会して一番初めに仲良くして頂いた方だけに残念でなりません。

素晴らしい作品に惹きつけられたのでしょうか?会場を2回周り鑑賞させて頂きました。

喫茶付きの券をWebで購入していたので、2階の床机席に座り景色を眺めながら"クランベリージュース"を頂きました。





写真やサインにも気軽に応じて頂きました。

"ほんまもん"に出会えるのも京都の魅力のひとつです。


二軒茶屋 中村楼

2023年03月23日 07時52分00秒 | 日記
 3月20日は八坂神社の正門・南楼門前に店を構える「中村楼」へ。







以前にも何度か伺っていますが、"まいまい京都"のツアーではご主人の辻雅光さんが館内を案内して頂き、座学で中村楼の歴史についてもお話が聞け、しかも美味しい京料理が頂けるのですから参加しない手はないですね。

"まいまい京都"のツアーはネットでの申込み制で定員を上回る応募があった場合には抽選になります。

人気のツアーには裏の手「えこひいき券」を使うと当選確率が格段にアップします。





"二軒茶屋"と屋号にあるように、かっては中村楼の向かいにはもう一軒、茶屋がありました。

今は、当時の井戸跡のみが往時の面影を残しています。













中村楼の南側に隣接した2階には結婚式場も備わっています。







室町時代から続き、当代で12代目を数える中村楼ですが、明治の一時期には東京からシェフを招き洋食も提供されていたそうです。

1階にはカウンターを備えた部屋もあり、外国人や年配のお客様にもきめ細かく対応されています。









食事会場は1階の広間です。
床の間や調度品にも老舗の風格が漂います。
飾られたお軸には店頭で串に刺された豆腐を焼いている場面も描かれています。

座学では12代目ご当主の辻雅光さまから「祇園祭と中村楼」と題して稚児餅についてや中村楼とは切っても切れない祇園祭についてのお話がありました。

松葉杖を使われているのは、京都で降雪があった日に店を早くに閉めて、門の戸締まりをした後に庭の石に足を滑らせてしまい足を骨折されたそうです。
早いご回復をお祈りします。

座学の後は中村楼名物の「祇園豆腐」が献立に入った懐石料理を頂きます。








京都水尾産の柚子が使われている"水尾柚子サイダー"をコースとは別にお願いしました。















どのお料理も"抜群に"美味しいです。

うどや蕗の薹、春キャベツ、白魚、こごみ、筍など"春"を感じる食材がふんだんに使われ、また、供せられる器も楽しみのひとつです。





最後にちゃんとお菓子とお抹茶が出されるのが"ほんまもん"の京料理の、また、一流料亭の証ですね。

個人でも数度来ていますが、店の佇まいと料理の美味しさは"ピカイチ"です。

十二分に中村楼を堪能させて頂きました。

次に「旧京都ホテルオークラ別邸 京料理 粟田山荘」だった所へと向かいます。