京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

聴竹居 藤井厚二住宅(重要文化財)

2018年08月31日 09時52分46秒 | 日記
今日、8月28日は念願叶ってようやく大山崎にある聴竹居を見学する事が出来ました。
週三日、公開されていますが昨年、国の重要文化財に指定されて以来、大学の建築関係の先生やゼミ学生、団体の見学で大変な事になっているようです。







藤井厚二は、日本の気候・風土に適応した住宅のあり方を実証した環境工学の先駆者です。それまでは環境工学と言う学問分野すらありませんでした。大山崎に12万坪の土地を購入し、実験住宅としての住宅を何棟も建て、5棟目となった聴竹居はその集大成です。彼の実家は広島県の造り酒屋で資金は実家を継いだ兄から出してもらっていたようです。和洋の生活様式の統合と自然環境との調和を目指した近代住宅建築の名作で、高温多湿の日本の夏に適応したさまざまな工夫がなされて昨年、国の重要文化財に指定されました。





内部の写真は出さない約束なのでご御容赦ください。

聴竹居は藤井厚二が東京帝国大学工学大学を卒業後に勤めた竹中工務店が買取り、運営は近隣の住民の方々を中心とする約50名の聴竹居倶楽部の方々が管理、運営されています。

さて、聴竹居が一躍、有名になったのは4年前の天皇皇后両陛下の訪問があってからです。皇后陛下がNHKの「美の壺」をご覧になって強く希望されれ、京都で国際会議が開かれ際に曼殊院とここ聴竹居を訪問されたようです。
天皇家もかかあ天下なんですねー!

同時に重要文化財に指定された宇治にある松殿山荘の参観も11月に予約が取れ、また楽しみが増えました。


旧三井家下鴨別邸二階 特別公開(京の夏の旅)

2018年08月26日 15時03分32秒 | 日記
8月24日の16時にやって来たのは下鴨神社近くにある旧三井家下鴨別邸です。何度も訪れていますが京都市観光協会主催の京の夏の旅で今月28日まで2階が公開されているのでやって来ました。





通常は1階だけが公開されていますが、この様な機会に2階や3階の望楼が公開されます。
こちらはよく来ているので一階はスルーして2階へ直行です。南側と西側だけしか見えませんが庭園、瓢箪型の池、その縁に咲いている百日紅が見事です。








この日も猛暑ですが縁側にいると風が心地よく感じられるので不思議ですねー!

旧三井家下鴨別邸は、三井家11家の共有の別邸として三井北家第10代の三井八郎右衛門高棟(たかみね)によって建設されました。この地には明治42年に三井家の祖霊社である顕名霊社(おきなれいしゃ)が遷座され、その参拝の際の休憩所とするため、大正14年に建築されたのが現在の旧邸です。木屋町三条上るにあった三井家の木屋町別邸が主屋として移築されました。昭和24年に国に譲渡され、昭和26年以降、京都家庭裁判所の所長宿舎として平成19年まで使用されました。
近代京都で初期に建設された主屋を中心として、大正期までに整えられた大規模別邸の屋敷構えが良好に保存されており、高い歴史的価値を有していることから平成23年に重要文化財に指定されました。(最後の旧三井家下鴨別邸の説明は参観時に頂けるパンフレットから引用)










長楽館「御成の間」(京の夏の旅)

2018年08月26日 14時55分32秒 | 日記
今日8月24日は円山公園の西側にある長楽館「御成の間」の特別公開に行ってきました。





長楽館は、「たばこ王」と言われた明治の実業家 村井吉兵衛によって建てられた京都における迎賓館的な建物です。その名は伊藤博文が宿泊した際に命名されました。設計はアメリカ人技師J.M.ガーディナーで、明治42年の竣工です。
1階、2階はロココ様式で客間には暖炉が備わり壁、天井には植物模様のレリーフが飾られています。









ところが、茶室、3階は打って変わり和風の趣きになります。「御成の間」の天井は折り上げ格天井で飾り金具には村井家の家紋の三つ柏の意匠が施されており、また照明はバカラ者製シャンデリア、金箔をふんだんに使った襖絵、床の間、違い棚、付書院、花頭窓を配した書院造となっています。非常に格式の高さ豪華さを感じます。







茶室は「長楽庵」と名付けられており、表千家にある書院造の「残月亭」を模したと伝わります。







茶室入口前の扁額「和楽」は橋本関雪の書です。



村井吉兵衛は、京都の煙草商の次男として生まれ、9歳で叔父の養子となり煙草の行商を始めました。行商で得た資金を元手に煙草の製造に踏み出します。当時、煙草は全てが輸入品で、煙管(キセル)を使う葉煙草しかありませんでした。そこで日本初の両切り紙巻き煙草を製造し、明治24年に「サンライス」の商品名で発売、その後に発売された「ヒーロー」は、当時では奇抜な宣伝効果もあり5年後には年間生産量日本一となりました。しかし、明治37年、国は、日露戦争の軍費を調達する為に村井吉兵衛に1200万円の補償金を支払いたばこ事業を専売制としました。
当時の京都府の年間予算が約65万円、琵琶湖第一疎水の事業費が120万円であることから考えても1200万円の補償金がいかに大きな金額だったか、多額の補償金を払ってでも煙草の権益を欲しかった当時の政府の意図がよくわかります。
今でも増税論議に真っ先に出てくるのがたばこ税ですね!

その補償金を元手に村井銀行、東洋印刷、日本石鹸、村井カタン糸などの事業を展開し、村井財閥を形成しましたが、その後の金融恐慌で全て破綻してしまいました。

豊臣秀吉を彷彿させるのは僕だけでしょうか?


名勝庭園渉成園 夜間ライトアップ

2018年08月26日 11時13分48秒 | 日記
東本願寺の飛地境内地の渉成園が20年ぶりに夜間参観をされたので行ってきました。

写真は南側にある正門です。



渉成園は昭和15年に国の名勝庭園に指定され作庭は石川丈山と言われています。また、源氏物語の主人公 光源氏のモデルになったと言われている源融の六条河原院跡とも伝わります。参加入口は西門からで正面に高石垣が目に留まります。



石橋のような長い切石や礎石、山石、瓦、石臼などを組み合わせて築かれています。前には枳殻(からたち)が植わっており別名 枳穀邸とも言われます。



園路は昼間と違って南側からです。
まず、目に入るのは大玄関です。



明治天皇がこちらで休憩された際、大宮御所からの移築を約束され、後に移された玄関です。正面四間、切妻屋根の壮大な玄関です。



また、南側の塀に沿って「馬つなぎ」が当時のまま残されています。



中央の植栽は「馬車まわし」でかって馬車の方向転換として使用されました。





いよいよ庭園に入ります。夜間参観では南半分の公開です。大きな印月池が広がり池泉廻遊式庭園の中心になる池で東山から上る月影を水面に映して美しいことからこの名が付けられました。



奥に見える橋は侵雪橋で最近に架け替えられました。江戸時代後期の儒学者 頼山陽は、「渉成園記」で雪の積もった橋のありさまを玉龍に例えて表現しています。

園の一番南にある茶室が漱枕居(そうちんきょ)で池にのりだすように建てられ、また、池に面して手摺付の緣があり、部屋の中から池を眺めるとまるで、水面に浮かんでいるような趣きが味わえると言われています。一度、入ってみたいものです。

日も沈み、ライトアップがより一層幻想的になってきました。









こちらの担当庭師の太田さんとお話し、お庭の見どころ、管理の方法などを伺い、19時にこちらに植彌加藤造園の友規社長が来られるとお聞きし、暫く待っておりましたら来られました。無鄰菴の山田咲さんも来られてて、しばし無鄰菴のギャザリングの運営についてお話しをしました。
素晴らしいライトアップを見せて頂き19時班過ぎに渉成園を後にしました。

一保堂茶舗 夏のお茶ライフを楽しもう

2018年08月19日 21時29分21秒 | 日記
昨日に引き続き、今日も京都です。
JR東海の「そうだ 京都、行こう。」のイベント"一保堂茶舗 夏のお茶ライフを楽しもう"に参加しました。
一保堂の屋号は1846年に山階宮家から賜った「茶一つを保つ」の意からつけられた屋号です。





会場は二階を貸し切っての実施です。







一保堂の加藤さんから、煎茶のレクチャーがあり、お茶を味わうポイントは三つで色、香り、味の三点だそうです。





甘み成分のテアニンと渋み成分のカテキンとのバランスでお茶の良し悪しは決まりますがあくまでも、自分自身の嗜好が大きいです。しかし普段、家で飲んでいる煎茶とは全く別物だと感じました。

次に番茶です。スッキリと軽やかな味わいです。やっといつものお茶だと感じます。



ほうじ茶、玄米茶は、この番茶を二次加工したものです。

次に高級茶の玉露の説明とティスティングのレクチャーがあり、まずは茶碗を手で蓋をして軽く湯呑みをまわして香りを味わいます。(香道の匂いをきく作法に似ていますねぇ)渋みとスッキリ感のある香り、味がします。

玉露の茶園(抹茶もです。)は覆下園(おおいしたえん)で日光を遮って栽培されるのでテアニンと言う甘み成分が増し、渋み成分のカテキンが出にくくなるのだそうです。

次に抹茶です。一保堂さんで上から四番目の"関のしろ"を味わいます。(40g 1800円)



次に最高クラスの"雲門の昔"を味わいます。(40g
4000円)



次に八番目の"若き白"を味わいます。(40g 800円)



この三銘柄でどれが一番好きかを尋ねられましたが、皆さん、結構バラバラでした。お茶は嗜好品なので人それぞれ好みが違うんですねぇ。

それぞれお茶屋さんにはブレンダーの方がおられ、銘柄で味のバラツキがないようにブレンドされています。「ブレンドの事を業界では合組(ごうぐみ)」と言うそうです。

女性スタッフの尾崎さんからは抹茶を多めに立てて、グラスに移せば涼しげな抹茶が、、また、氷を入れたグラスに注いで夏にぴったりな冷やし抹茶が、、、



また、上出さんからは、抹茶ラテの作り方を教えて頂きました。牛乳だと少ししつこい感じがあるのでアーモンドミルクが合うのだそう、、もちろん豆乳でもOKで、これだとチョコレートや洋菓子にも合いそうですねー!







午後1時から仕事があるので、地下鉄京都市役所前駅へと急ぎます。