京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

永観堂禅林寺の新緑

2022年05月31日 09時01分00秒 | 日記
 無鄰菴の跡に永観堂禅林寺の新緑を見に訪ねました。





「紅葉の美しさところ=新緑も美しい」
の鉄則通りで永観堂は京都でも屈指の紅葉で有名なところなのでこの法則にもびっくりとはまります。

紅葉シーズンで紅葉狩りを楽しむのも一考ですが、この時期の永観堂は拝観者も少なく、ゆっくりと新緑や仏さま、伽藍を楽しめるのでむしろ春の新緑の頃がおすすめです。







禅宗寺院のように浴室も残されています。









方丈周りには池があり、そこに映るもみじの美しさは感動モノです。

勅使門です。
長らくの修復工事が終わり、ようやく庭園と一帯になった感じです。

釈迦堂との間には盛り砂があり、勅使はこの盛り砂を踏んで身を清めます。





悲田梅です。

永観禅師はこの梅の木に実がなるのを待ちかねて、貧しい病人に施されたと言われています。
いつしか「悲田梅」と呼ばれ、今も可愛い実を付けるそうです。



勅使門の前は釈迦堂(方丈)と呼ばれ、書院を備えた本格的な書院造りの建物です。

襖絵には「松鳥図」や「郡仙図」などが描かれています。

開山堂へ向かう臥龍廊です。

山の斜面に沿って造られた廊下で、まるで龍の背中を歩いているようです。





臥龍廊を戻り阿弥陀堂へと向かいます。
モノトーンの建物の中で"紅一点"彩色が施された建物です。



桃山文化が盛んな慶長12年に大阪から移築された建物です。
内装も豪華で天井の格天井には「百花」が描かれています。


ご本尊さまのみかえり阿弥陀如来立像(重文)です。

お顔を左に向けた特異なお姿は永観禅師との逸話が面白いです。





最後は多宝塔を訪ねます。 

永観堂のもうひとつの"顔"多宝塔です。

他の多宝塔とは構造が異なり、上部は円形、下方は方形の二重塔になっています。

また、多宝塔でありながら屋根の上の相輪には九輪と水煙が付いています。

塔と多宝塔とを折衷したような建物です。





こちらからの眺望も素晴らしいです。





まだ、空気が乾燥しているので汗が直ぐに引いていきます。

梅雨入りまでもう少し、それまでにもう一度新緑に癒されたいですね。


































無鄰菴の新緑と「小満」の生菓子

2022年05月29日 11時42分00秒 | 日記
 5月15日の午後は久しぶりに「無鄰菴」を訪ねました。







この日は二十四節気のひとつ「小満」にちなんで京都上京区にある老舗菓子司「金谷正廣」さんの生菓子が提供されます。(有料・数量限定)
※「小満」万物が満ち溢れ草木が繁るころ





明治の元勲・山縣有朋の構想の下、七代目小川治兵衛が造り上げた庭園を眺めながら、杜若や花菖蒲をイメージした生菓子を頂き、暫し至福の時を過ごしました。







東山を借景にした無鄰菴庭園はこれまでの日本庭園の枯山水庭園や露地庭園とは一線を画す明るく開放的な庭園です。

庭園は二段に構成され母屋からは奥にある池泉や三段の滝は見えないようになっています。






 
園路を進むと池泉が現れ、最も奥には三段に落ちるダイナミックな滝が現れます。

滝の水は蹴上にある琵琶湖疏水から一次取水されたもので蹴上との高低差を利用し自噴しています。





庭園を流れた水は地下に埋設された鉄管を通り、隣りにある"瓢亭"へと流れて二次利用されています。

このように琵琶湖疏水の水は寺院や寺社、南禅寺界隈の別荘群を流れ二次利用、三次利用と広範囲にネットワークが張られています。





母屋の設えと中庭。







無鄰菴には相応しくない(?)洋館があり、日露戦争の開戦を決めた重要な会議(無鄰菴会議)が開かれた場所でもあります。

何度訪れてもいい庭です。








萬福寺 隠元禅師350年大遠諱に訪ねる特別拝観

2022年05月28日 07時20分00秒 | 日記
 まいまい京都のツアーで西本願寺の非公開エリアを見学した後、午後はJR東海「そうだ 京都、行こう。」の会員限定イベント「隠元禅師350年大遠諱(おんき)に訪ねる萬福寺の特別拝観」に参加しました。

①総門(重文)


お寺のご由緒については駒札をご覧に下さい。



総門から中国風な建物で白い幕は2022年隠元禅師350年大遠諱に合わせて新調されたそうです。

②三門(重文)



正面にある額「黄檗山」「萬福寺」は隠元禅師による扁額です。
また、屋根の中央にある火焔(かえん)付宝珠があり、ここにも異国情緒が漂います。







今回は特別に三門に登らせて頂きました。
禅宗寺院の山門にはお釈迦さまの像がお祀りされていますが萬福寺では全くの空室で何も無いそうです。

上から見ると禅宗寺院らしく山門、天王殿、大雄寶殿、法堂が一直線に配置されているのがわかります。

③開山堂(重文) 






山門を潜り左側に折れ、通玄門主を入ると黄檗開山隠元禅師をお祀りする開山堂があります。

④天王殿(重文)







山門を潜り最初に天王殿があります。

弥勒菩薩坐像(布袋尊)をはじめ四天王、韋駄天像がお祀りされています。

⑤石條(せきじょう)



正方形の平石を菱形に敷き、両側を石條ではさんだ、こちらも中国式の特殊な形式で龍の背中の鱗をモチーフにしたものです。

通常、菱形の石の上を通れるのは住持(ご住職)のみです。

⑥大雄寶殿(重文)











お寺の本堂にあたるお堂で萬福寺で最大の建物です。

ご本尊は釈迦牟尼仏、脇侍には迦葉尊者、阿難尊者がお祀りされています。

三尊の周囲には十八羅漢像がお釈迦さまの説法を聞いているかのように配置されています。

日本の仏師の作ではなく、隠元禅師と共に来日した中国の仏師による作です。

⑦法堂(重文)








法堂は住持が説法を行う重要な建物で「法堂」の扁額は隠元禅師による書です。

数年前に建立当時の檜皮葺きの屋根に直されました。(それまでさ瓦葺きでした)

また、勾欄(こうらん)の意匠は卍または、卍くずしになっています。

法堂の前では今まで多くのドラマや映画の撮影が行われています。

⑧東方丈(重文・通常非公開)







法堂の向かって右手には東方丈があります。住持のお住まいです。

芸術家の方の展示会場になる事もあります。









上の写真の庭園は東側の庭園です。


萬福寺で有名な「開梛(かいぱん)」、修行僧に時を報ずるための魚板です。
現在でも現役で使われています。
木魚の原形と言われています。



雲版(うんぱん)
食事や朝課の時に打って時を知らせるものです。



「隠元禅師350年大遠諱」限定の御朱印です。






























西本願寺②本山僧侶と特別拝観!非公開の白書院、虎渓の庭、飛雲閣まで

2022年05月26日 07時49分00秒 | 日記
 前回からの続編です。

①白書院


白書院は、ご門主さまと対面の儀式や賓客をお迎えする大広間として使われていました。

白書院の奥には廊下で繋がる「黒書院」がありますが、門主さまのプライベート空間の意味合いが強く、今回の特別拝観でも公開される事はありません。









24畳敷の一の間を主室に二の間、三の間が一列に配されています。

一の間は付け書院や帳台構などを備えた書院造りで天井は折り上げ格天井です。

主室と二の間には極彩色で描かれた帝鑑図が描かれ、三の間には樹木と孔雀をメインにした金碧障壁画が描かれています。

また、畳を上げると室内能舞台になる工夫も見られます。

②北能舞台(国宝)



向かって左側が北能舞台です。

天正9年(1581)の銘がある現存する最古の能舞台で国宝に指定されています。

南能舞台は降誕会で使われますが、北能舞台は現在では使われていないそうです。

③虎渓の庭(名勝庭園)



対面式の東山にある虎渓の庭は国の特別名勝庭園に指定されている桃山時代を代表する枯山水庭園です。

"虎渓"とは中国江西省廬山(ろざん)にある渓谷で御影堂の屋根を廬山に見立て借景とし、北側に配された巨石の枯滝から水が大河となり大海に流れ込む様子を表現しています。

蘇鉄も植えられています。
蘇鉄は権利の象徴とされ、冬の寒さに弱い為冬の季節には菰が巻かれていました。

④飛雲閣(国宝)









境内の南東隅にある名勝庭園「滴水園」に建つ三層構造の柿葺楼閣建築です。

鹿苑寺金閣、慈照寺銀閣と並び「京の三閣」のひとつに数えられています。



工事の為の素屋根も杉の木を使い木との接合には針金が使われています。
これも伝統技師を次代に継承する為です。



平成29年(2017)7月から令和2年(2020)4月までの修復工事を終えて、往時の姿がよみがえりました。

舟の出入口がある事から池泉庭園の中島に建っていたのが想像できます。
一説には豊臣秀吉が京都の中心に築いた聚楽第の遺構との説もあります。








(内部の写真は西本願寺HPからお借りしました。)

今回は滴水園からの外部だけの見学で内部を見る事は出来ませんでした。

降誕会の時には茶席として使われるようで機会を見て一度、内部を見てみたいものです。

⑤唐門(国宝)







唐門は高さ8.7m、幅5.4mで西本願寺が1591年に現在地に移転した後に造られたようです。

日が暮れるのを忘れてしまうほどの美しさから「日暮門」の別名があります。

2018年6月から昨年10月にかけて40年振りに修復工事が行われました。

屋根の檜皮葺の葺き替えを始め、黒漆の塗り替え、107点にも及ぶ彫刻の彩色の復元など現代の匠の技により、桃山時代を象徴する華麗な姿がよみがえりました。

唐門の修復が終わりましたが、今度は唐門の両脇の築地塀の修復が行われています。

文化財を次代に継承する大変さを思います。


西本願寺①本山僧侶と特別拝観!非公開の白書院、虎渓の庭、飛雲閣まで

2022年05月25日 07時25分00秒 | 日記
 5月14日は"まいまい京都"の町歩きツアー「西本願寺 本山僧侶と特別拝観!非公開の白書院、虎渓の庭、飛雲閣まで」に参加しました。

お堂内は撮影禁止なので、掲載の写真は西本願寺HPからお借りしました。

西本願寺の総合受付の「龍虎殿」から入り先ずは書院の玄関へ。

①書院玄関です。



虎と竹林が描かれています。

②対面所(鴻の間)国宝













西本願寺で最も規模の大きな広間で門主さまとの対面に使われた事からこの名があります。

上段の欄間に鴻が透し彫りされている事から「鴻の間」と呼ばれています。

障壁画は渡辺(狩野)了慶とその一派の筆によるものと伝わります。

帳台構を備えるなど二条城の二ノ丸御殿を見ているような豪華さです。

③南能舞台(重文)



右側が南能舞台です。

切妻造りで江戸時代に整備され、②の対面所が観覧席になります。

現在では毎年5月21日の親鸞聖人降誕会に能が上演されています。

④雀の間



②の対面所の西側にある部屋で、竹雀図が描かれ、天井は格天井です。

36ある格間には四季の花々が円相の中に描かれています。

⑤雁の間



金碧障壁に雁の群れが描かれています。

④の菊の間との境の欄間には飛雁の透し彫りがあり、菊の間の障壁画に描かれている月を背景にしています。

格天井には鉄線が描かれています。

⑥菊の間



菊の間の障壁画には白菊を中心に桔梗や竜胆(リンドウ)、朝顔など秋の草花が竹垣や網代垣と共に描かれています。

格天井な格間には扇が描かれています。

次に白書院(国宝)を巡りますが長くなるので続編に書きたいと思います。