京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

春季 京都非公開文化財特別公開① 慈受院・宝鏡寺

2019年04月30日 07時05分41秒 | 日記
今日、4月27日から5月6日までの日程で、普段は非公開の寺社の公開や公開されている寺社では通常非公開の文化財が公開される「春期 京都非公開文化財特別公開」が始まります。



今日は、6か所を周る予定で、まず最初に訪れたのが市バスの停留所"堀川寺之内にある慈受院門跡です。





滅多に公開されないお寺だけに寺宝の「大織冠絵巻」、秀頼公産湯道具や庭園をじっくりと拝見しました。











庭園の霧島躑躅が枯山水庭園に鮮やかな赤の彩りを添えています。中庭には射干(シャガ)の花が可憐に咲いていました。





次に、すぐ近くにある宝鏡寺を訪ねます。
毎年、春と秋の「人形展」で公開されます。 門を入ると右手には人形塚があります。







江戸時代の幕末期に将軍家茂に嫁いだ皇女和宮は幼少の頃、こちらによく御成になり盤雙六や貝合わせに興じ、また、鶴亀の庭で遊んだそうです。そのためでしょうか、こちらには和宮の遺品が多く伝わっています。



足利八代将軍義政の正室 日野富子の木像が伝わっています。
宝鏡寺の北に隣接して浄土宗の大慈院があり、日野富子はそちらで妙善院として出家しました。
明治の初めに廃寺となり寺宝が宝鏡寺に伝わったようです。

室町時代には、すぐ東側に小川(こかわ)が流れており、今は暗渠になっていますが11年もの間続いた応仁の乱ではこの川を挟んで東軍と西軍との間で最も激しい戦が行われた場所です。今も、小川に架かっていた百々橋(どどばし)の礎石が残っています。





今も小川通として名前が残っています。
次に徒歩で光照院へと向かいます。


「日蓮と法華の名宝展特別鑑賞会」②妙蓮寺

2019年04月29日 17時28分24秒 | 日記
第2部は妙蓮寺です。今年春の夜間拝観にも訪れています。

ご案内は執事の佐野さまです。









こちらの境内にも八重桜が綺麗に咲いていました。また、鐘楼横の藤棚には紫色の藤の花が咲き始めていました。



妙顕寺は本門法華宗の大本山で、日蓮宗開祖日蓮聖人の孫弟子の日像上人が京都での布教の為に開いたお寺です。

十六羅漢の庭園は妙顕寺の僧 玉淵坊日首の作庭です。日首は桂離宮の造営にも関わった人物で、秀吉から"褒美に何が欲しいか"と問われ、当時、伏見城にあった名石を所望したところ、その日のうちに寺に運ばれていたそうです。秀吉の天下人としての権力、実行力を物語る逸話です。





その石が奥中央にある臥牛石です。お釈迦さまの涅槃を表現し、その周りの十五の石が羅漢さんを表現しています。

中庭には、春の夜間拝観では和傘が置かれライトアップされていました。







次に収蔵庫を見学します。
長谷川一派の金碧障壁画など多数が展示されていますが、かなり傷みが進んでいます。また、松尾社一切経などの文化財を多数所蔵されています。
福島先生いわく、等伯の作品は優劣の差が大きいそうです。具体的に所蔵している寺院名も出されていましたが、ここではオフレコという事で。





様々な庭園、涅槃図、障壁画などの文化財に触れた一日でした。

2019京都 桜紀行(23) 千本ゑんま堂(引接寺)最終

2019年04月27日 09時19分42秒 | 日記
長く続いた今年の桜紀行。いよいよ最終回になりました。
今日から始まった京都古文化保存協会主催の「春季非公開文化財特別公開」を6か所回った後に、千本ゑんま堂(引接寺)に来ました。



この辺りは"蓮台野"と呼ばれ、古くからの風葬の地でした。平安時代のエリート官僚だった小野篁は閻魔法王像を彫み、祠に安置し、それらの人々を供養したそうです。死者の魂をあの世にお送りし、卒塔婆(そとば)供養と迎え鐘で先祖の魂を再びこの世に迎えて供養したそうです。
今でもこの風習は「お精霊(しょうれい)迎え」として残り、8月のお盆の時期は大変な人で賑わいます。



本堂の裏には、この辺りから発掘された石仏がたくさんお祀りされています。



境内には遅咲きの八重桜「普賢象桜」が植わっており、やや盛りを過ぎた感はありますが、まだまだ綺麗に咲いていました。室町三代将軍足利義満も愛し庇護した桜で国の史跡名勝にも指定されています。















桜の多くは花びらから散りますが、普賢象桜は花そのものが落花します。(椿の花と同じですね)





長らく続いた京都 桜紀行。今年も多くの桜に出会うことが出来ました。
来年の春も綺麗で一生懸命に咲く桜🌸を期待してやみません。

ご覧いただきありがとうございました。

kmyt0794

「日蓮と法華の名宝展特別鑑賞会」①本法寺

2019年04月26日 22時07分58秒 | 日記
4月21日の午後は、JR東海「そうだ 京都 、行こう。」のイベント「日蓮と法華の名宝特別鑑賞」に参加しました。
講師は花園大学の福島恒徳先生です。13時の集合時間までの間、"前振り"のミニ現地講義をして下さいました。

①日蓮宗の寺院境内には"鬼神母神"が祀られいることが多い。



②本堂前の長谷川等伯像について、長男久蔵を亡くしてひとり寂しく海を見ているような像だけど、等伯には久蔵以外にも子息が存在していたし、狩野派の牙城を崩さんとばかりの"ギラギラした"人物だったので、この像はピンと来ない。





10分弱の時間でしたが今まで安部龍太郎氏の著書「等伯」のイメージが強かっただけに、いきなりガツんとやられた感じでした。

それもそうでしょうね!当時の御所、公家の邸宅の絵画は狩野派が独占しており、いかに秀吉に贔屓にされていたとは言え狩野派の牙城はかなり強固だったと思われます。

当時の狩野派の棟梁は永徳で何百人もの絵師集団を率いており、彼らの食い扶持を稼ぐ必要があった事を考えると、永徳の必要以上の抵抗は、想像に難くないですね!
やはり小説はあくまで読者を満足させるフィクションなんですね!
私見が多くなってしまいましたが、ここからは本法寺についてです。

さて、本題の本法寺ですが山号を叡昌山と称し、室町時代に活躍した日蓮宗の僧侶日親上人による創建です。本堂では瀬川貫首さま自らお経をあげて頂き、また、「巴の庭」の説明もして頂きました。





本阿弥光悦作庭の「巴の庭」は秀吉による京都改造で現在地に移る際に造られ、光悦、父の光ニと共に私財を投じて伽藍の復興に寄与しています。









「巴の庭」は、本阿弥光悦の作庭と伝わり、丸石の真ん中が縦にふたつに分かれており、これが「日」を表し、隣にある八つの切石で囲まれた中は蓮池で、これが「蓮」を表します。合わせて「日蓮」になる意匠が施されています。





「三つ巴」は、経年の変化で丘の部分が低くなっているためか、はっきりとはわかりませんでした。





宝物館では、イヤホンガイドで福島先生の解説を聞きながらですのでよくわかります。
涅槃会は終わっていますが長谷川等伯の本物の涅槃図が掛けられています。先生いわく、「涅槃図の基本をきちんと押さえた絵」だそうです。
いつもはレプリカが掛かっており、複写のせいかライトの光が反射して、所々見にくい所があったり、また、細部はボケた感じがします。
やはり本物はいいです。







もうひとつの庭園「十(つなし)の庭」には石が9個置かれています。9個しかないのになぜ?と思われることでしょう。
一から九まで数える時、ひとつ、ふたつ、みっつ、、、と数えますね。十は最後に"つ"が付かない事と、最後の十個目の石(意志)は見る人の心の中にある。これらのことから名付けられた庭園です。


茶道資料館「裏千家所蔵の優品」

2019年04月25日 05時03分00秒 | 日記
龍谷ミュージアムで「因幡堂 平等寺」展を鑑賞した後、市バスで堀川寺の内へと移行。
やって来たのが茶道資料館です。今「裏千家の優品」展が開かれています。





茶道資料は裏千家センターの中にある施設で常設展では茶道具の展示や裏千家を代表する茶室叉隠の写しの展示や今回のような企画展、茶道に関する図書館、そして何より楽しみがお抹茶と主菓子が頂ける事です。
一幅頂いた後にはお茶碗や茶杓などの道具の説明もして下さいます。
何年か前に来た時には、元総理の細川護熙さん作陶のお茶碗をだして頂きました。

さて、展示内容ですが、裏千家代々の家元がお造りになった茶碗、茶杓、花入や書の数々が展示されていました。





中には、利休の書状や初代長次郎作の黒楽茶碗などの名品も数多く展示されていました。









中庭からは北隣の本法寺の本堂が竹林の間からみえます。

こちらの資料館も京都検定の優待施設で入館料が団体扱いの100円引きになります。