京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

建仁寺 霊源院「甘茶の庭」

2023年05月31日 14時42分00秒 | 日記
 建仁寺の塔頭寺院のひとつ霊源院は通常非公開のお寺ですが、よく公開されているので非公開感が無いお寺です。





梅雨の時期には"甘茶の庭"で公開され、紫陽花とはまた違った雰囲気を味わう事が出来ます。

現在では境内地はさほど広くはないですが、鎌倉時代末期から室町時代には京都五山と鎌倉五山の禅僧達によって栄えた漢文学・五山文学の最高峰寺院として知られる凄いお寺です。



その時期に活躍されたおひとりの中巖圓月(ちゅうがんえんげつ)坐像です。



その胎内秘仏の毘沙門天立像です。

また、一休宗純禅師や戦国武将の今川義元もこちらで学問を学んでいます。







天井には中国人アーティスト・陳漫(チェンマン)さんによる「墨龍図」が奉納されています。











昨年には以前にあった庭園を改装?され、新たな枯山水庭園が作庭されました。
この甘茶の庭は「鶴鳴九皐(かくめいきゅうこう)」と小堀泰巖建仁寺管長猊下により命名されました。

作庭されたのは"昭和の小堀遠州"と謳われた中根金作氏のお孫さん中根行宏、中根直記さんのお二人です。

本堂内には趣きの異なる2つの茶室があります。



茶室「妙喜庵」

一畳台目の茶室で、手前にお手前に必要な道具畳と、客が座る一畳だけに切り詰めた"究極の茶室"です。



茶席「也足軒」

四畳半の茶室で本堂内に躙口がある珍しい茶室です。










地蔵院(竹の寺)の新緑

2023年05月30日 09時01分00秒 | 日記
 苔寺(西芳寺)で苔の美しさに魅了され、次に「竹の寺」とも呼ばれる地蔵院に来ました。







総門を入り参道を進むと本堂があります。
お寺の名称の通りご本尊は地蔵菩薩さまです。

その本堂(地蔵堂)の隣りには頓智で有名な一休禅師と母君の石像が建っています。

応永元年(1394)に後小松天皇の皇子として生まれた一休さんは6歳で安国寺に移られるまでここ地蔵院で過ごされています。



その奥には室町幕府で管領職にあり三代将軍義滿公を補佐した細川頼之公の墓がお祀りされています。











本堂の前で右に折れ中門を潜れば庫裡と方丈が並んでいます。

方丈前の庭園は「十六羅漢の庭」と呼ばれ、庭石のひとつひとつが羅漢さんを表現しています。(京都市指定名勝)







部屋には元首相・細川護熙氏が揮毫された東山の夜景や"瀟湘八景図"の襖絵が奉納されています。

細川家ゆかりのお寺に数々の襖絵を奉納されていますが、こちらの襖絵は一連の襖絵奉納の第一号だそうです。







庭園と反対側には"猪の目"の窓の部屋があります。

"猪の目"のデザインはハート型に似ていますが、それとは全く異なり日本古来からあるデザインのひとつです。



最近では宇治田原町にある正授院の"猪の目"窓が有名になっています。
(こちらはどう見ても"ハート型"に見えますが、、、)





竹の緑が"癒し"を感じる静かなお寺です。




次に建仁寺の塔頭寺院のひとつ"霊源院"へと向かいます。






苔寺(西方寺) 世界文化遺産

2023年05月29日 09時33分00秒 | 日記
 5月19日は世界文化遺産にも登録されている苔寺(西芳寺)を拝観しました。









JR東海ツアーズの企画での参加で8時50分に「衆妙門」に集合で一般の方の拝観(事前予約制)前に境内に入れます。

この日は生憎の雨でしたが、ここ苔寺の拝観には雨がが降っている方が好都合です。

晴天が続くと茶色くなってしまいますが、雨が降ると苔は見事な輝きを放ちます。







夢窓疎石作庭の庭園ばかりに気が行ってしまいますが、ここは禅宗寺院、、、
本堂(西来堂)で写経をし、ご本尊さまに奉納した後でしか庭園に出る事は出来ません。









ご本尊阿弥陀如来像を囲むように昭和の京都画壇の重鎮・堂本印象画伯による104面もの襖絵が描かれています。

以前は「般若心経」を写経していましたが、最近では短い「延命十句観音経」になっています。









写経を終え、ご本尊さまに納経し庫裡の横にある門から庭園に出ます。













苑路を進むと雨をたっぷりと吸った苔庭が広がり、右手には"少庵堂茶室"が静かに佇んでいます。









さの先には千少庵(利休の娘婿)が作った茶室“湘南亭(重文)"があり、幕末の一時期、岩倉具視がここに隠れ住んだそうです。









しかし、苔の美しさには素晴らしいものがあります。
現在、約120種類もの品種の苔が自生しています。

作庭当時は心字池を中心にする池泉回遊式庭園でしたが、近くに西方寺川が流れ、常に湿度が高い事から自然に苔庭になったそうです。









三つ目の茶室"潭北亭"です。
内部には入れませをが、茶室前にはベンチが置かれ、素晴らしい景観を楽しむ事が出来ます。



上段の庭への入口「向上関」です。

以前は自由に拝観出来ましたが、現在は通常非公開エリアとなっています。
夢窓疎石作庭の石組が残り、楽しみにしていたエリアですが、久しぶりの西方寺、、、
写経や拝観エリアなど色々と変更されていますね。








しかし、十二分に楽しめた西芳寺でした。

次に近くにある"地蔵院"を訪ねます。


















妙法院門跡「五月会」

2023年05月28日 08時32分00秒 | 日記
 5月14日は東山七条にある妙法院門跡の「五月会」へと来ました。





普段は全くの非公開のお寺で、毎年5月14日の「五月会」の日一日だけ伽藍内が公開されます。









天台宗三箇門跡寺院のひとつで青蓮院門跡、三千院門跡と並ぶ非常に格式のあるお寺です。





現在、国宝の大庫裡の「令和の大改修」工事が行われています。
豊臣秀吉が建立した大仏殿で行われた"千僧供養"の際、こちらの庫裡で料理が作られました。
秀吉時代の貴重な建築物です。






大玄関と唐門。

駒札にあるように御所から下賜された建物です。
門跡寺院に相応しい佇まいです。









妙法院門跡の本堂にあたる"普賢堂"です。





ご本尊は普賢菩薩で平安時代後期の造立と伝わります。

宸殿に比べ本堂が随分と小さいですが、これは門跡寺院特有の建物であり、歴代の天皇や皇室関係のご位牌をお祀りしている"宸殿"がお寺の最も重要な建物であるからです。

天井には立派な龍が描かれています。







2時間後の予約を取れば、修復工事現場の見学や院内文化財特別公開で伽藍内に入れますが14時から"まいまい京都"のツアーに申込みをしているので今回は断念しました。



妙法院大書院



国宝ポルトガル印度副王信書







この日限定の切り絵の御朱印。

相変わらず"限定"に弱いですね!

(堂宇内は撮影禁止なので、掲載の写真は購入した絵葉書からです。)



曼殊院門跡② 夜の貸切拝観

2023年05月26日 10時11分00秒 | 日記
 前編に続いて曼殊院門跡の後編です。



宸殿の横に見える建物は護摩堂で、釘隠しに七宝焼が使われていてなど細部にまでこだわりを感じます。







大書院から見える枯山水庭園です。

鶴島、亀島が配され、奥に見える古書院は静かに水面を遡る屋形舟を表現してしているそうです。

鶴島には樹齢400年と言われる五葉松が植えられ、肉眼では確認出来ませんでしたがキリシタン灯篭が置かれているようです。


有名な「梟(ふくろう)の手水鉢」です。

小書院の縁先に据えられた手水鉢で梟(ふくろう)の彫刻が施されていまし。







建物が"雁行型"に配置されているのは桂離宮と同様で、どの建物からも月が見える工夫のひとつです。



門主・良尚法親王の居間空間です。

最も奥に見える建物が小書院です。
"菊の間"の欄間には表菊と裏菊とが使い分けられています。

床の間の左手には"曼殊院棚"が備わり、棚板の巧みな組み合わせが桂離宮の"桂棚"を彷彿させます。





しかし、見事な数寄屋建築です。
曼殊院門跡が「小さな桂離宮」と言われる由縁を感じます。







大書院と小書院の奥には「八窓軒茶室(重文)があり京都三名席のひとつに数えられる茶室で室内には障子窓が多く明るいです。
(他には南禅寺金地院にあるハ窓席、もうひとつは大徳寺弧篷庵の忘筌席です。)

八窓とは仏教の"八相成道"にちなんだ言葉で、実際に八つの窓があるとは限りません。

茶室の見学には拝観料と別に1000円が必要です。



上之台所です。

高貴な方の食事を作る専用の台所です。

壁の棚には過去に出された献立表や供せられた食器類の数々が並べられています。



平成24年(2012)には天皇皇后両陛下(現上皇上皇后)が行幸されています。