す 3月8日は南禅寺を拝観しました。
塔頭寺院は季節の折々に拝観していますが本坊は久しぶりです。
① 勅使門(重文)
観光バス用の駐車場の側にあり、注目する人はほとんどいませんが、お寺にとっては大切な門です。
江戸時代寛永18年(1641)御所の「日の御門」を明正天皇より拝領したものです。
② 中門
三門の南側にあり、南禅寺境内に入る中心となる門です。
③ 三門(重要文化財)
禅宗寺院では山門ではなく三門と表示されます。
これは三解脱門の略で、空解脱、無相解脱、無作解脱の三境地を経て悟りの道に至る門を、言います。
駒札のように南禅寺三門は藤堂高虎が大坂夏の陣で戦死した藩士の菩提を弔う為に江戸時代の寛永5年(1628)に寄進した門です。
京都の山門、三門では唯一、通常拝観されています。
④ 法堂
住職が法を解くお寺で最も大切な建物です。
豊臣秀頼の寄進した法堂がありましたが、明治28年(1895)火災により消失してしまいました。
現在の建物は明治42年(1909)に再建され、天井の龍図は京都画壇四条派の画家・今尾景年の筆によるものです。
⑤ 庫裡
拝観受付場所になっています。
庫裡としての設備は既に無く、韋駄天さんがお祀りされているのが唯一の痕跡?です。
毛氈が敷かれいる部屋は「滝の間」でお茶席になっています。
庭に流れ落ちる水は疏水分線(水路閣)から引かれた琵琶湖疏水の水が使われています。
⑥ 方丈庭園(名勝庭園)
小堀遠州作庭と言われる枯山水庭園です。
巨石と植栽とを組み合わせた通称「虎の児渡し」の庭と呼ばれています。
⑦ 大方丈・小方丈(共に国宝)
大方丈は柿葺きの屋根が特徴的な建物で、天正年間に豊臣秀吉が寄進した御所の建物を慶長16年(1611)に後陽成天皇より拝領し移築された建物です。
小方丈は大方丈に接続された後方の建物で、伏見城の小書院を移築した建物です。
内部の襖絵は狩野探幽の筆によるもので、中でも「水呑の虎」は探幽の傑作のひとつと言われています。
⑧ 茶室
茶室「不織庵」は、昭和29年(1954)に亀山法皇650年遠忌を記念して建てられた茶室です。
「窮心亭」は昭和43年(1968)に茶道宗徧流一門から寄進された茶室です。
両茶室の間には「南禅寺垣」が見られます。
大津垣の応用版のような編み方ですね。