京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

紅葉だより⑧ 宝泉院(京都大原)

2022年11月30日 08時16分00秒 | 日記
 来迎院から三千院、勝林院の前を通り宝泉院へと来ました。







宝泉院も先程の来迎院と同様、慈覚大師円仁により開かれた寺院です。


近年に作庭された庭園(宝楽園)です。







その後、良忍上人が声明を広げ大原の地は法要儀式に用いる仏教音楽「声明の里」として有名になりました。

また、宝泉院は平安時代末期から勝林院の住職の坊(住居)となって来ました。











客殿の西側には「額縁庭園(盤桓園)」が広がり、近くには赤松の五葉松が、遠くには大原の里や山々が遠望できます。









こちら宝泉院ではお抹茶とお菓子とが付いていて、ゆったりとした気分でお庭を眺める事が出来ます。



縁側の天井は「血天井」になっています。





慶長5年の"関ヶ原の戦い"の前哨戦で、豊臣側が鳥居元忠以下数百人が守る伏見城を攻め落とした際、自害した武将たちの血痕が残った床板を天井に上げ供養したものです。







次に大原のさらに奥にあり、公共交通機関では行きにくい"古知谷阿弥陀寺"へと向かいます。








紅葉だより⑦ 来迎院(京都大原)

2022年11月29日 14時13分00秒 | 日記
 蓮生院に続いて来迎院を拝観しました。







こちらは通常拝観をされていますが「京都非公開文化財特別公開」では寺宝が公開されています。









来迎院は平安時代初期に伝教大師最澄の直弟子であった慈覚大師円仁が声明(しょうみょう)の修行道場として開創された寺院です。

声明はお経に音曲をつけて詠歌するもので、後の今様・浄瑠璃・謡曲・民謡などの邦楽の元になったと言われています。







本堂内陣にはご本尊として薬師如来坐像・釈迦如来坐像・阿弥陀如来坐像がお祀りされています。

いづれも藤原時代の木造漆箔寄木造の仏さまで国の重要文化財に指定されています。

脇侍には不動明王と毘沙門天がお祀りされています。

また、天井には天女が描かれていて楽曲を奏でながら天を舞っているようです。






次に三千院の前を通り、宝泉院へと向かいます。













紅葉だより⑥ 蓮成院(京都大原)

2022年11月28日 09時06分00秒 | 日記
 11月22日は、京都大原へ自動車で向かいました。







京都古文化保存協会主催の秋季京都非公開文化財特別公開で来迎院の塔頭の蓮生院(れんじょういん)が今月末まで初公開されています。

野面積みの石垣で囲まれた境内の入口には医薬門がどっしりとその存在感を示しています。

客殿は明治初期に梶井政所(現三千院門跡)で御座所だった建物です。

客殿の南側には東西に十畳の部屋があり、西の部屋を「上段の間」として梶井宮法親王が使われ、東の部屋を「下の間」として来迎院長老(住職)が使われていたようです。



部屋には今、泉屋博古館で特別展が行われている木島櫻谷筆の屏風が公開されています。

庭園の意匠は東西で異なる構成となっています。



西半分は「契心園」と呼ばれる池泉鑑賞式庭園で滝は声明と関係の深い「音無の滝」を模したものと言われています。

一方の東半分は大小30個程の石を据えた石庭です。
この石組は開山良忍上人を羅漢が出現して出迎えたとの故事を具現化した庭園と考えられているそうです。

また、堂内の一室には毘沙門天と吉祥天、善膩師童子が三尊形式でお厨子にお祀りされています。(写真はありません)

医薬門からは撮影禁止だったので内部の写真は"拝観の手引"から転載させて頂きました。



御朱印を授与して頂き、次に来迎院へと向かいます。



芹生(せりょう)の三千草弁当

2022年11月28日 08時52分00秒 | 日記
 洛北にある三明院を拝観し、大原へと向かいます。





いつも利用している喫茶店の駐車場に車を停め昼食に向かったのが"三千草弁当"で有名な「芹生(せりょう)」です。

11月40分で5組程の待ちでしたが30分程で案内されました。

室内の席とテラス席とが選べましたが、この時期少し寒いですがテラス席ですね。

席からは庭園の苔と常緑樹の鮮やかな緑色、そして真っ赤に染まったもみじ、遠くの山々と最高のロケーション。









注文したのが名物"三千草弁当"と湯豆腐のセット。










地元大原の食材をふんだんに使った料理はどれも何か懐かしさを感じ美味しく頂きました。

湯豆腐も柔らかな豆腐が多い昨今ですが、木綿豆腐の程よい硬さの湯豆腐に満足でした。

念願だった三千草弁当を頂き次に通常非公開寺院の来迎院塔頭蓮生院へと向かいます。




瓢亭の四季 茶花に趣くもてなしの心

2022年11月27日 08時02分00秒 | 日記
 11月19日は京都を代表する名料亭"瓢亭"本館へ。







大阪よみうり文化センター主催の現地講座です。









400年を感じさせる露地風庭園も素晴らしいです。



最初に瓢亭14代当主で会長でもある高橋英一さんの「お茶」に関するお話がありました。



15代目をご子息の義弘さんに譲られていますが、今でも毎日板場に立たれています。









会場は瓢亭本館で最も広い部屋ですが障子を入れると二間にもなります。
高齢化社会に対応された"足入れ席"なので時間の長い懐石料金には嬉しい限りです。













室内の設えも素晴らしく、一室のお軸は頼山陽の書、もう一室には伊藤若冲の水墨画が二幅が掛けられています。

付書院には利休七哲のひとつ"永楽"の先々代・善五郎の作品が、隣りには樂家の先々代・直入の作品がさりげなく飾られています。

花入れには高橋英一さんがご自宅の庭で育てられた花が生けられています。





京都国立博物館で開催されている「京に生きる文化 茶の湯」展にちなんだお話が主でした。

約400年前に"湯豆腐屋"として創業され、京都の旦那衆に出された半熟玉子が評判となり、料理屋に。

茶懐石を基本にしながら"伝統"と"革新"を繰り返して来た400年の長い歴史があります。

高橋英一さんの代には昆布と鰹節で出汁を取る今までの伝統から鰹漁で一緒に釣れる"鮪"に注目され、今では"鮪節"も出汁にブレンドされているそうです。

裏千家の千玄室大宗匠ともご懇意で、大宗匠のすすめで毎日3〜5服のお薄を飲まれ、それが健康の秘訣でもあるそうです。

いよいよ瓢亭の懐石料理です。

























充実したお料理の内容です。
どのお料理も素材の味や出汁の旨味が感じられ、丁寧な仕事がされています。

向付けの天然明石鯛には土佐醤油とトマト醤油が添えられ、後者は15代目の義弘さんの考案だそうです。
ここにも瓢亭の"革新"が感じられます。



充実したお昼のひとときを楽しませて頂きました。