
4月3日は、まいまい京都のツアーで「【御所西】おにわさんと桜の非公開庭園へ、モダン京町家2棟を特別貸切」に参加しました。










































『仁風庵』は、昭和15年(1940)頃に建てられた近代和風住宅です。
年に数回、市民講座などの催しが開催される他は、住居として使用されているため、完全非公開となっています。


今回、"おにわさん"のご縁でまいまい京都のツアーでお庭と建物内部を拝見する事ができました。
店舗の『山本仁商店』は祇園祭の鉾町・室町通の鯉山町にあり、京都の「祇園祭」を支える町衆文化の担い手としても貢献されています。
代々のご当主が、時代時代に合った「仁」の心を大切に、商いを文化として発展してこられた商家です。
また、『仁風庵』は、平成19年(2007)に国の登録有形文化財に指定され、京都市の景観重要建築物の指定も受けています。
真壁造の和風外観の建築に、洋室やテラス、茶室を有する点で、上質な近代住宅として高く評価されています。





内部の造りもいい材が使われ、床の間のお軸は酒井抱一、額は富岡鉄斎です。




お庭も素晴らしく手入れされていて、この日は運良く桜が満開でお庭がより華やかに輝いて見えました。






3代目ご当主山本彰彦様御一家さまのご好意で、2階にも上がらせて頂きました。
室町通の町家にある様な"見晴台"があり、かってはここから霊峰比叡山が望めたそうです。






2階からのお庭の眺望がまた素晴らしいのです。
一本桜ですが、桜は一本でも凄い存在感があり、"お庭の主人"としての貫禄さえ感じます。
山本さまご一家が現在もお住まいの町家の全てを見せて頂き、ありがたい事です。


2階の廊下の天井は舟底天井と数寄屋建築の美点が大いに生かされた贅沢な造りです。






茶室と茶室に面したお庭です。
天井を始め非常に凝った造りです。
真壁造に囲まれたお庭を見ながら風流にお茶を嗜んでみたいものです。

山本家所蔵の貴重な美術品『曾我物語図屏風(そがものがたりずびょうぶ)』は、江戸時代初期の作品で保存状態も良く、令和3年(2021)の京都文化博物館での展覧会「よみがえる承久の乱」にも出展されるなど、美術価値が高いものとして知られています。
祇園祭の宵山・屏風祭で年に一度だけ公開される山本家の家宝の屏風です。
通常は歴史を感じさせる木の箱に収められている、六曲一双の屏風。広げれば「右隻(うせき)」から「左隻(させき)」へ、物語の世界が展開されていく様子がうかがえます。金箔が映える屏風に、男女含めて、様々な人物が精緻に描かれています。
描かれている題材は『曾我物語』。
源頼朝の主催する富士山麓での狩りの場で、父を殺された曽我十郎・五郎の兄弟が父の仇討ちを成就するという有名な史実に基づいた物語です。
浄瑠璃や歌舞伎でも「曽我物」と呼ばれて人気がある演目です。
この屏風は、祇園祭の宵山で行われる屏風祭の時のみ『山本仁商店』の社屋で一般公開されています。




最後は、ご当主ご夫妻が最後まで見送ってくださり、お庭や邸宅の見学をさせて頂いただけではなく、暖かい"おもてなし"を感じる山本家「仁風会」の皆さまでした。
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