京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

蒔絵文化に触れる〜下出蒔絵司所を訪ねて〜 

2023年07月31日 07時32分00秒 | 日記
 7月28日は、NHK文化センター京都教室の現地講座で「蒔絵文化に触れる〜下出蒔絵司所を訪ねて〜」を受講しました。





場所は下京区醒ヶ井通松原上ル住吉町です。最寄りのバス停は「堀川松原」です。





御当主の下出佑太郎先生は伝統工芸士であり博士号(学術)をお持ちですぐ。

長年京都産業大学教授を務められ、現在は名誉教授の称号をお持ちです。





また、京都迎賓館の「水明の間」の飾り台「悠久のささやき」等を制作されています。






ねずみやムササビの毛が使われています。



漆を伸ばすはけです。
人間の人毛が使われています。



制作に使われる道具の数々も、それを作る職人さんが減ってしまい、ある道具は全国でふたりの方が残っているだけだそうです。

一階の居間で蒔絵の制作工程の説明が道具や各制作段階の作品を手に取りの説明でした。

その後、二階の工房を見学させて頂きました。
おふたりの女性の職人さんが繊細な「毛打ち」の工程に取り組まれていました。



上の写真の作品はアメリカ大統領だったオバマ大統領が来日された際の日本政府のお土産てして手渡された品と同じ品だそうです。

下記は蒔絵の主な制作工程です。

① 置目



② 塗り



③ 炭研ぎ



④ 粉入れ



⑤ 毛打ち



⑥ 青貝貼り



ザッとの工程ですが、漆が乾くまでの時間や何度も塗り重ねて作品に盛り上げ感をだすには膨大な時間と労力が必要です。









この講座の為に高台寺の霊屋(桃山時代・重文)で有名な"高台寺蒔絵"を復元された作品を出して頂きました。

今まで拝見するだけでしたが、今回、その制作工程の説明や職人さんの仕事の模様、蒔絵の作品の数々を見せて頂き、日本の伝統工芸の素晴らしさを改めて再認識しました。











下鴨神社 みたらし祭

2023年07月29日 08時52分00秒 | 日記
 7月28日は、下鴨神社(賀茂御祖神社)の「御手洗(みたらし)祭」に行って来ました。









お祓いの神さまを祭る「井上社(御手洗社)」の前に広がる御手洗池で行われる「足つけ神事」と呼ばれる京都の夏の風物詩のひとつです。







平安時代の貴族が始めた"禊ぎ"の風習が起源とされ、神の力が高まる例祭が行われる"土用の丑"の日に合わせて行われます。









湧き出る地下水は約15°で年間を通して一定していて、暑いこの時期には非常に冷たいです。









御手洗池から上がると"御神水"が頂けます。
以前は双葉葵の絵が描かれた陶器で頂いていましたが、コロナ対策で紙コップでの対応になっています。
ベットボトルに詰められた"御神水"も持ち帰り用に販売されています。

これで今年の酷暑を乗り切れるていいですね。







御手洗社の見開きの御朱印(書置きのみ)を授与して頂きました。









鹿ヶ谷カボチャ供養(安楽寺)

2023年07月28日 06時42分00秒 | 日記
 7月25日は、京都東山"哲学の道"の東側にある安楽寺を訪ねました。







浄土宗の開祖・法然上人の弟子である住蓮と安楽とが開いた念仏道場にはじまるお寺です。

通常非公開のお寺ですが、春の桜・皐月、秋の紅葉の季節には特別拝観が行われます。

また、毎年7月25日には「中風まじない鹿ヶ谷ガボチャ供養が行われます。

① くさの地蔵





くさの地蔵菩薩は鎌倉時代慶派の流れを汲む仏師による造立で、古くから皮膚病や腫瘍・病気平癒に御利益があるお地蔵さまとして信仰されています。

② 本堂





本堂のご本尊は阿弥陀如来坐像で脇侍には観音菩薩、勢至菩薩の三尊形式でお祀りされています。

 

向かって左手にお祀りされている法然上人像。





向かって右手には住蓮上人像、安楽上人像、後鳥羽上皇に女官として使えていた松虫姫と鈴虫姫の像が並んでお祀りされています。



おふたりの姫は容姿端麗で教養も持たれた方でしたが、お念仏に傾倒され、上皇が熊野詣の留守中に「鹿ヶ谷草庵」を訪れ、住蓮・安楽上人の前で剃髪出家され尼僧となられました。

この事に激怒された上皇は住蓮・安楽を斬首にされ、法然上人は讃岐国へ、親鸞聖人は越後国へと流罪に処せられました。

③ 住蓮・安楽のお墓







境内にある住蓮上人・安楽上人のお墓です。
 
④ 住蓮・安楽の供養塔







境内の高台には住蓮上人と安楽上人の供養塔があります。

⑤ 書院








こちらの書院で"京の伝統野菜"鹿ヶ谷にも認定されてるいる鹿ヶ谷ガボチャです。

真空益随(しんくうえきずい)上人が本堂で修行中、ご本尊の阿弥陀如来から「夏の土用の頃に、当地の鹿ヶ谷ガボチャを振る舞えば中風にならない」と言う霊告を受けて、7月25日に供養日に定めて以降、220年続く京の夏の伝統行事です。

外見からは想像出来ないくらいに美味しいガボチャです。

⑥ 調理場







住蓮・安楽供養塔から調理されているのを見ていると、調理されている年配の女性の方が「見て行きますか?」と声を掛けてくださり、大きな釜で炊かれている鹿ヶ谷ガボチャを拝見しました。

昨年はガボチャの出来が良くなかったそうで、今年はいいガボチャが出来たそうです。

美味しく焚く秘訣は大きな火力で一気に焚き上げる事だそうです。
そうする事で中がふっくらと焚かれ、しかも煮崩れもしないそうです。

書院で鹿ヶ谷ガボチャを頂いていた時から気になっている方がおられ、境内で「失礼ですが中田先生でいらっしゃいますか?」とお声を掛けさせて頂きました。

京都に関心のある方だとご存知だと思います。
写真家の中田昭先生が撮影に来られていました。
facebookでは何度かやり取りをした事はありますが、お会いしたのは初めてです。



とても気さくで紳士的な方です。
ミーハー心(もはや死語?)が抜けない僕はお願いして一緒に写真に収まりました。








神泉苑(祇園祭発祥の地)

2023年07月27日 06時38分00秒 | 日記
 7月21日、".リストランテ野呂"さんで充実したランチを頂き、その後に神泉苑を拝観しました。





神泉苑は延暦13年(794)に桓武天皇により"禁苑"として造営されました。
南北4町、東西2町の広大な面積を有する苑地でした。
平安時代初頭には、苑地での管弦の宴などに使われ、池には鷁頭(げきす)船や龍頭船が浮かべられ、貴族たちの遊興の地でした。





延暦19年(800)には桓武天皇による行幸が行われ、以降も歴代天皇が行幸されています。
中でも嵯峨天皇はこの地を気に入られ、43回も行幸されたと記録に残されています。









中でも有名なお話は弘法大師による祈雨の行法が行われた事です。

天長元年(824)、日本中が日照りに見舞われた際には、淳和天皇の勅願により弘法大師空海は池畔にて祈祷され、北印度の神さまである善女龍王を勧進されました。

すると日本国中に雨が降り、以降、神泉苑に善女龍王がお祀りされています。







かってこの地には料亭「神泉苑 平八」が営業されてましたが、賃料で裁判となり"月額40万円の賃貸を支払うように"との判決が命じられ、その結果撤退されました。



今は更地となっています。

また、現在の祇園祭の発祥の地としても知られています。

平安時代に疫病が流行し、その原因が朝廷に反抗し非業の死を遂げた桓武天皇の弟で皇太子だった早良親王はじめ六柱の御霊にあるとされました。

貞観5年(863)には、それらの御霊を鎮めるためにここ神泉苑で御霊会(ごりょうえ)を行ったのが現在の祇園祭へと繋がっています。

また、全国各地でも貞観地震や富士山の噴火などの災害が続き、貞観11年(869)には当時の国の数である66本の鉾を建て、神泉苑で祈願が行われています。

祇園祭の起源が今から1200年近く前にまで遡るのは驚きです。

現在のように医学や薬学、地学などの学問が発達していなかった平安時代には"祈り"や"祈祷"など呪術的な事しかなす術がなかった事を思います。




リストランテ野呂 ランチ

2023年07月26日 07時16分00秒 | 日記
 7月21日、アスニーセミナー「歎異抄」を受講する前、ランチに久しぶりに"リストランテ野呂"さんへ。




オーナーシェフの野呂和美さんです。
青森県ご出身で"恥ずかしがり屋さん"ですが、料理の腕はピカイチです。

お客様に対する気配りや調理の合間には自ら皿洗いされるなどされています。





この日は魚のランチコースにパスタを追加してお願いしました。

① トマトの冷製スープ



蒸し暑い京都の夏、、、
しんみりと身体に染み込む冷製スープです。
次の料理への期待が膨らみます。

③ アラビアータ







アラビアータは僕の最も好きなパスタで"リストランテ野呂"さんのメニューには無いのですが、お願いして作って頂きました。

具材のリクエストも聴いて頂きましたが、そこは素人の出る幕では無く、プロの野呂さんに"おまかせ"しました。

野呂さんが選ばれた具材は茄子とイタヤガイ、、、イタヤガイは帆立貝に似た二枚貝で、その貝柱の美味しさはあまり知られていません。(漁獲量が少なく、市場にはあまり出回らないそうです。)

久しぶりに美味しいアラビアータを頂きました。

③ 真鯛とイサキのフライに鯛の燻製クリームコロッケ









鯛のフライはランチコースの定番ですがもうひとつの魚は季節によって変わります。



鯛もイサキも火の通りが抜群です。
衣はサクサク、、、魚はジューシー、、、
フライでも魚の味がたっぷりと感じられるのはさすがです。

鯛の燻製クリームコロッケは初めて頂きましたが、こちらもまた、絶品です。



最後にアイスコーヒーを頂き、すぐ東側にある神泉苑へと向かいました。

店を出ると必ず野呂さんが厨房を抜けて挨拶に出て来られます。

こんなところにも野呂さんのお人柄が伺えるます。