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「幻滅のたびに甦る期待はすべて、未来論の一章を示唆する。」(Novalis)

OM-2『作品No.3』を見た。

2005年03月17日 | Weblog
ハイナー・ミュラーとかはあくまでも、外装であり、理論的な下支え、時間をころがすきっかけになっているかも知れないとはいえ、ほとんど問題ではない。客を閉じこめ、パニック状態にし、視覚も聴覚も奪って、コントロールする。彼らがやりたいのは、たったひとつ、これだろう。一種の催眠術だ。しかも、パチッと指ならして魔法を解かない。リストカットにせよ、佐々木の暴力そのものといった肉体にせよ、すべては、そのコントロールの力学のためにある。
ああ、魔法解けぬまま、苦しい状態で、会場だった町屋の駅周辺の飲み屋に入る。「飲み屋」であって、「居酒屋」ではない。ディープな東京のはじっこ。でも、どのメニューもともかく上手かった。昔アイドルみたいな親父の控えめとか、客の爺さんのおしゃべりとか、それらも相俟って。