手技療法の寺子屋

手技療法の体系化を夢みる、くつぬぎ手技治療院院長のブログ

ひとりできる!クラニアル・リズミック・インパルス(CRI)触診練習法 その5

2015-12-26 16:07:37 | 学生さん・研修中の方のために
大腿部の動きがわかれば、今度は骨盤でのCRI触診です。

仰臥位になって、両側の骨盤に手を当てます。




骨盤の場合は外に広がったり、閉じたりという動きが多いかもしれません。

もちろん、それ以外の動きでもOKです。



骨盤では肺呼吸の動きに惑わされるようになるかもしれません。

わざわざ肺呼吸と書いているのは、頭蓋療法ではCRIを原始的な呼吸として一次呼吸と表現されており、肺呼吸を二次呼吸としています。

どちらも同じ「呼吸」なので、ここでは混乱を避けるために念のため肺呼吸とします。



肺呼吸の動きでわからないという場合の対策として、いったん肺呼吸の動きについていって手を同調させるようにします。

数分間同調しているうちに、肺呼吸のリズムとは異なるゆっくりしたリズムを感じ始めるかもしれません。

そのリズムがCRIなので、こんどはそちらに同調するようにします。



それでもわからなければ、大腿部や頭蓋に戻って練習を繰り返し、CRIのリズムを手に刻み込むようにします。

それから骨盤にリベンジすると、いずれ肺呼吸とCRIを感じ分けることができるようになるはずです。

根気よく練習しましょう。



つづいて胸郭に移ります。

仰臥位で骨盤の両側に当てていた手を、そのまま下部の胸郭に当てて感じ取るようにします。



ここではさらに肺呼吸の動きが強くなるので、CRIを感じる難易度は上がるかもしれません。



料理の味見で塩加減をみるとき「しょっぱさ」に集中するように、CRIに集中して触診してください。

集中するといっても決して力ますに。

景色を眺めながら、ひとつの山に視点を定めるようなイメージで触れるのも方法でしょう。



ところで、ここでコンタクトしている胸郭には肺や肝臓があります。

内臓マニュピレーションでは内臓の動きを感じるということを練習するのですが、CRIに集中するということができれば内臓マニュピレーションを学んだ際、臓器固有の動きとされる「自動力」を感じ取ることにも役立つでしょう。

≪次回(1月9日更新)に続く≫