治療しているときの体勢というのは、とても大切なもの。
不安定な体勢をとると、セラピストの身体が不必要に緊張して負荷がかかり、傷めてしまいやすくなります。
ただ状況によっては、決して悪い体勢をとっているつもりはなくても、負担のかかりやすい状態になっていることもありますよね。
そのような時は、支える場所を増やして負担を分散させるようにしましょう。
今回はその工夫の一例をご紹介します。
例えば、肘を深く曲げたまま手で刺激を加えるとき(写真は角度が浅いです。これくらいならそのままでも大丈夫)、胸郭から肩にかけての力が少ないと上肢の支えがツラくなる時があります。
上肢の支えが安定していないと、テクニックを用いる際に力が逃げてしまい、目標としたところへ効率よく刺激することが難しくなります。
そのようなときは、肘を体幹(わき腹)につけましょう。
こうすると、上肢にかかる負担が減って楽に支えられるようになります。
もしくは片足を立てたりベッドの上に乗せ、膝に肘をつけて安定させてもよいでしょう。
このような話は一見地味ですし、聞いただけだと当たり前のことのように思われて、「ふ~ん」とスルーされることもあります。
ところが実際やってみると出来ておらず、手にムリをかけてしまっている方はけっこういらっしゃいます。
今読んでいて「ギクッ」としませんでしたか?
技術として身につけるためには、身体がわかるまで練習しなければなりません。
非力な人は、ムリをすると身体をすぐに傷めるので身をもって理解しやすいのですが、マッチョで丈夫な人は力も出せて傷めにくいぶん、なかなかピンと来ない場合があります。
そのような方は気がついたら大きな問題となって現れ、かえって回復までに時間がかかることもあるので、ぜひ注意していただきたいところです。
支えを作るなどして身体を安定させるというのは、仕事として長期間、繰り返し作業するにはとても大切な操作です。
もし手に変な力みやしんどさ、やりにくさを感じたなら、腕の支えをつくる工夫を考えてみるのもひとつです。
次にいきましょう。
訪問マッサージなどでは、介護ベッドに横になっている患者さんを治療する機会が多くあります。
その際、ベッド脇から立って治療をしては、身体が伸びてしまい腰に負担がかかるので、ベッドの上に乗って片膝立ちになることもあるでしょう。
けれどもマットが柔らかく、さらに毛布まで敷いてあれば、足元が不安定になって膝を立てているとブルブル震え、とくに殿部の筋に無理がかかりやすくなります。
そのような時は、立てた膝を胸につけてしまうのもひとつの方法です。
こうすると下肢の負担が減ると同時に、体幹の支えもできて楽に治療することができます。
また反対の膝をついている脚も、まっすぐついたままではバランスを取りにくいなら、両脚を外に広げて支える幅を広げるようにし安定させると上手くいくこともあります。
ベッドの上で正座をするというのもひとつの方法ですが、私の経験では正座をすることで大腿部が前に出るぶん前傾姿勢を取らねばならず、腰背部に負担がかかる印象があります。
次回もこのテーマのつづき、2月7日(土)に更新します。
不安定な体勢をとると、セラピストの身体が不必要に緊張して負荷がかかり、傷めてしまいやすくなります。
ただ状況によっては、決して悪い体勢をとっているつもりはなくても、負担のかかりやすい状態になっていることもありますよね。
そのような時は、支える場所を増やして負担を分散させるようにしましょう。
今回はその工夫の一例をご紹介します。
例えば、肘を深く曲げたまま手で刺激を加えるとき(写真は角度が浅いです。これくらいならそのままでも大丈夫)、胸郭から肩にかけての力が少ないと上肢の支えがツラくなる時があります。
上肢の支えが安定していないと、テクニックを用いる際に力が逃げてしまい、目標としたところへ効率よく刺激することが難しくなります。
そのようなときは、肘を体幹(わき腹)につけましょう。
こうすると、上肢にかかる負担が減って楽に支えられるようになります。
もしくは片足を立てたりベッドの上に乗せ、膝に肘をつけて安定させてもよいでしょう。
このような話は一見地味ですし、聞いただけだと当たり前のことのように思われて、「ふ~ん」とスルーされることもあります。
ところが実際やってみると出来ておらず、手にムリをかけてしまっている方はけっこういらっしゃいます。
今読んでいて「ギクッ」としませんでしたか?
技術として身につけるためには、身体がわかるまで練習しなければなりません。
非力な人は、ムリをすると身体をすぐに傷めるので身をもって理解しやすいのですが、マッチョで丈夫な人は力も出せて傷めにくいぶん、なかなかピンと来ない場合があります。
そのような方は気がついたら大きな問題となって現れ、かえって回復までに時間がかかることもあるので、ぜひ注意していただきたいところです。
支えを作るなどして身体を安定させるというのは、仕事として長期間、繰り返し作業するにはとても大切な操作です。
もし手に変な力みやしんどさ、やりにくさを感じたなら、腕の支えをつくる工夫を考えてみるのもひとつです。
次にいきましょう。
訪問マッサージなどでは、介護ベッドに横になっている患者さんを治療する機会が多くあります。
その際、ベッド脇から立って治療をしては、身体が伸びてしまい腰に負担がかかるので、ベッドの上に乗って片膝立ちになることもあるでしょう。
けれどもマットが柔らかく、さらに毛布まで敷いてあれば、足元が不安定になって膝を立てているとブルブル震え、とくに殿部の筋に無理がかかりやすくなります。
そのような時は、立てた膝を胸につけてしまうのもひとつの方法です。
こうすると下肢の負担が減ると同時に、体幹の支えもできて楽に治療することができます。
また反対の膝をついている脚も、まっすぐついたままではバランスを取りにくいなら、両脚を外に広げて支える幅を広げるようにし安定させると上手くいくこともあります。
ベッドの上で正座をするというのもひとつの方法ですが、私の経験では正座をすることで大腿部が前に出るぶん前傾姿勢を取らねばならず、腰背部に負担がかかる印象があります。
次回もこのテーマのつづき、2月7日(土)に更新します。