≪ステップ2≫みた動きのマネをする
前回行っていただいたように、モデルの膝の動きを頭の中でイメージできたら、続いてそのイメージを自分の膝の動きとして再現します。
つまり、マネをするわけですね。
マネができるということは、モデルのありのままの状態をとらえているということです。
ありのままの状態をとらえているということは、臨床で患者固有の問題も発見しやすくなります。
そしてこの練習は、観察した歩行の記憶をより確実に定着させることにもなります。
ちょうど単語を覚えるとき、テキストをみるだけではなく、手を動かして書いて覚えるようなものですね。
余談ですが体性機能障害の評価では、ベテランのセラピストでも同じ患者さんをみたとき、意見が分かれることはめずらしくありません。
神経筋骨格系の診方についても、姿勢構造モデルをはじめいろいろな説明モデルがあります。
それぞれの説明モデルが科学的な根拠を引用し、すじ道だった論理的な説明をしていて説得力があります(なかには???というものもありますが)。
場合によってはあるモデルと他のモデルが、互いに矛盾するような考え方をしている印象を持つことがあるかもしれません。
そうなると、はじめのうちは一体どれが本当なのか、なにを信じればよいのかわからなくなってしまいます。
でも、心配することはありません。
ひとつのモデルは、それを考えた人の視点や、考え方の切り口が述べられているものです。
ちょうど絵でいうなら、似顔絵と似ています。
似顔絵は、モデルの姿そのものが写実的に描かれているわけではありません。
けれどもモデルの特徴がよくつかまれていると、誰のことを描いているのかよくわかります。
(誰のことを描いているのかわかるというのは、上手い人が描けばですが…。
私は絵がとても苦手です。
高校の美術の授業のとき、自分の描いた油絵の良いところをあげなさいと先生にいわれたことがありました。
誉めるところが見つからなかった私は、思わず「手ざわり」といってひんしゅくを買ってしまいました。)
とはいえ、上手い人みんなが同じような似顔絵を描いているのではなく、描く人の特徴のとらえ方、表現の仕方によって作風は異なります。
この、同じモデルを描いても作者によって作風が異なるというところが、説明モデルの違いにも当てはまります。
同じ患者を診ていても、セラピストのもつ視点や考え方の違いによって、異なる特徴が浮かび上がるわけです。
さまざまな体性機能障害の説明モデルも、それぞれが身体に起こった変化をとらえる診方のひとつ、一枚の似顔絵です。
似顔絵がモデルの姿そのものではないように、ひとつの説明モデルで体性機能障害による変化を説明しつくすことはなかなか難しいでしょう。
また、あるひとつの描き方で、すべての人が誰のことを描いているのか理解できるとは限らないように、そのモデルが万人にあてはまるとは限りません。
だからといって特徴のとらえ方が理にかなっているなら、まったく見当違いということはありません。
ですからこの際、正しい正しくないという判断はさておいて、ひとまず仮として自分が納得できるような説明モデルを、好みに応じて選んでおいて構わないと思います。
どのような説明モデルでも、破たんしたホメオスタシスを回復させることができれば、症状は良くなっていきます。
ただし、そのモデルで対応しきれないときは、状況に合わせて考え方を変えなければなりません。
状況に合わせて変えるためには、患者さんの状態をありのままにとらえる基本的な力が養われている必要があります。
ありのまま姿をとらえることができれば、そこがベースとなって他の説明モデルも柔軟に取り入れやすくなったり、または自分で新たにモデルをつくりだすことができるかもしれません。
これが、同じ似顔絵しか描けない、同じ説明モデルしか使えないでは現場に対応しきれません。
今回のトレーニングによって、患者さんの状態をありのままにとらえるための基礎的な力を養うことができます。
抽象的な似顔絵を描く人も、はじめのうちはありのままを写実的に描くことができるように、何百枚も何千枚も描いてトレーニングを重ねていたはずです。
ですから私たちも、観察したことをありのままに再現できるよう、身体を動かしてマネしてしましょう。
さあ、チャレンジしてみてください。
上手くマネすることができる人、できない人がいると思います。
私もはじめは下手くそでした(今でも決して上手い部類ではありませんが…)
でも、このような練習を繰り返すことで、記憶の定着だけではなく、自分の身体感覚も養われたように思います。
それによって、テクニックを使いこなす力も養われたように感じます。
このように、動きをマネすることはとても勉強になります。
ものまね名人を目指すわけではありませんから、自分なりで結構です。
楽しんで練習して欲しいと思います。
前回行っていただいたように、モデルの膝の動きを頭の中でイメージできたら、続いてそのイメージを自分の膝の動きとして再現します。
つまり、マネをするわけですね。
マネができるということは、モデルのありのままの状態をとらえているということです。
ありのままの状態をとらえているということは、臨床で患者固有の問題も発見しやすくなります。
そしてこの練習は、観察した歩行の記憶をより確実に定着させることにもなります。
ちょうど単語を覚えるとき、テキストをみるだけではなく、手を動かして書いて覚えるようなものですね。
余談ですが体性機能障害の評価では、ベテランのセラピストでも同じ患者さんをみたとき、意見が分かれることはめずらしくありません。
神経筋骨格系の診方についても、姿勢構造モデルをはじめいろいろな説明モデルがあります。
それぞれの説明モデルが科学的な根拠を引用し、すじ道だった論理的な説明をしていて説得力があります(なかには???というものもありますが)。
場合によってはあるモデルと他のモデルが、互いに矛盾するような考え方をしている印象を持つことがあるかもしれません。
そうなると、はじめのうちは一体どれが本当なのか、なにを信じればよいのかわからなくなってしまいます。
でも、心配することはありません。
ひとつのモデルは、それを考えた人の視点や、考え方の切り口が述べられているものです。
ちょうど絵でいうなら、似顔絵と似ています。
似顔絵は、モデルの姿そのものが写実的に描かれているわけではありません。
けれどもモデルの特徴がよくつかまれていると、誰のことを描いているのかよくわかります。
(誰のことを描いているのかわかるというのは、上手い人が描けばですが…。
私は絵がとても苦手です。
高校の美術の授業のとき、自分の描いた油絵の良いところをあげなさいと先生にいわれたことがありました。
誉めるところが見つからなかった私は、思わず「手ざわり」といってひんしゅくを買ってしまいました。)
とはいえ、上手い人みんなが同じような似顔絵を描いているのではなく、描く人の特徴のとらえ方、表現の仕方によって作風は異なります。
この、同じモデルを描いても作者によって作風が異なるというところが、説明モデルの違いにも当てはまります。
同じ患者を診ていても、セラピストのもつ視点や考え方の違いによって、異なる特徴が浮かび上がるわけです。
さまざまな体性機能障害の説明モデルも、それぞれが身体に起こった変化をとらえる診方のひとつ、一枚の似顔絵です。
似顔絵がモデルの姿そのものではないように、ひとつの説明モデルで体性機能障害による変化を説明しつくすことはなかなか難しいでしょう。
また、あるひとつの描き方で、すべての人が誰のことを描いているのか理解できるとは限らないように、そのモデルが万人にあてはまるとは限りません。
だからといって特徴のとらえ方が理にかなっているなら、まったく見当違いということはありません。
ですからこの際、正しい正しくないという判断はさておいて、ひとまず仮として自分が納得できるような説明モデルを、好みに応じて選んでおいて構わないと思います。
どのような説明モデルでも、破たんしたホメオスタシスを回復させることができれば、症状は良くなっていきます。
ただし、そのモデルで対応しきれないときは、状況に合わせて考え方を変えなければなりません。
状況に合わせて変えるためには、患者さんの状態をありのままにとらえる基本的な力が養われている必要があります。
ありのまま姿をとらえることができれば、そこがベースとなって他の説明モデルも柔軟に取り入れやすくなったり、または自分で新たにモデルをつくりだすことができるかもしれません。
これが、同じ似顔絵しか描けない、同じ説明モデルしか使えないでは現場に対応しきれません。
今回のトレーニングによって、患者さんの状態をありのままにとらえるための基礎的な力を養うことができます。
抽象的な似顔絵を描く人も、はじめのうちはありのままを写実的に描くことができるように、何百枚も何千枚も描いてトレーニングを重ねていたはずです。
ですから私たちも、観察したことをありのままに再現できるよう、身体を動かしてマネしてしましょう。
さあ、チャレンジしてみてください。
上手くマネすることができる人、できない人がいると思います。
私もはじめは下手くそでした(今でも決して上手い部類ではありませんが…)
でも、このような練習を繰り返すことで、記憶の定着だけではなく、自分の身体感覚も養われたように思います。
それによって、テクニックを使いこなす力も養われたように感じます。
このように、動きをマネすることはとても勉強になります。
ものまね名人を目指すわけではありませんから、自分なりで結構です。
楽しんで練習して欲しいと思います。