手技療法の寺子屋

手技療法の体系化を夢みる、くつぬぎ手技治療院院長のブログ

軟部組織の触診は連続的変化を追う 【 触診五話 その三 】

2010-05-15 20:00:00 | 学生さん・研修中の方のために
体性機能障害の評価では、以下の3つを主に診ます。


「左右の対称性」
「可動範囲」
「組織質感の異常」


このなかで、「組織質感の異常」を検出するのが触診の重要な役割になります。


「左右の対称性」や「可動範囲」は視診でも行えますが、組織質感は触診でしか診ることができません







組織質感の異常を触診するとは、組織の質的変化を手で感じ取るということになります。


質的な変化を感じるときに大切なことは何でしょうか?







軟部組織は連続性のある組織です。


ですから、連続性の中で質的変化を捉えることが重要です


具体的には触診のとき、「さする」「なでる」ように連続的に触れていくということです。









ポンポンと跳ねるように触診するのは「連続的」ではなく「断続的」です。




もちろん断続的な触診でも、異常をみつけることは可能かもしれません。


しかしそれでは、機能障害を立体的に感じ取ることが難しくなります。







触診では、機能障害が 「どこが」 「どの範囲で」 「どの深さの」 「どの方向に」 存在し、それが 「解剖学的に何であるのか」 を判断する。

つまり、機能障害を立体的に捉えることが重要です。



組織を 「さする」 なかで、機能障害の存在するのは 「どこか」 がわかったら、そのまま 「どの範囲で」 を特定します。

それから、手指を沈めて 「どの深さの」 「どの方向に」 を検出していくわけです。



ですから、私としては連続的変化を追うように触診されることをお勧めします。






伏臥位で後方から押圧を加える脊柱のスプリング検査でも、手を身体から離さず、脊柱の上をすべらせながら行うと、よりわかりやすいと思います。







組織の連続的な質的変化を追うために、大切なことがあります。


それは、前回の記事でも紹介した 「身体の操作」 です。

次回は、その方法をお話したいと思います










≪おまけの話≫
5月5日、おなじみの西岡水源地で水芭蕉が見ごろを迎えました



水芭蕉の群生地



木道の下を水が流れています。私の好きな散策路です。(たまに水没していますが)