kmitoh 春夏秋冬

水生生物雑記帳・男鹿半島幻想・接写と拡大写真

小惑星衝突

2006-12-28 16:48:01 | 霞んだ光景
Mirukuoukan


 ミルククラウン(牛乳の王冠)は、牛乳一滴を落としたときにできる形で、その神秘的ともいえる美しさに魅力を感じる人も多い。

 しかし、この王冠を見ると小惑星衝突の恐怖を、私は思い浮かべてしまう。


Syowakusei


 小惑星は無数にあり、いつ地球に衝突しても不思議ではない。その破壊力はすざましく、恐竜絶滅の原因ともなった。直径10mの小さな小惑星でさえ、広島に投下された原爆の5倍のエネルギーを持っている。もし、海に落ちれば巨大な津波を引き起こす。
 上の絵の直後には、強烈な衝撃波と津波が襲ってくることになる。

 2036年4月13日、直径約400メートルの小惑星「アポフィス」が衝突する可能性があり、科学者が会議を開いたりしている。4万5000分の1という確率ながら、もし地球に衝突すれば人類は滅亡するかもしれない。

 世界の人類のことが心配で、今夜も酒を飲まなければ眠れそうにない。


[追記]
 ミルククラウンの写真は、牛乳とヨーグルトを混ぜたものを使用して、40cm上から落とした滴(しずく)を受ける皿には1mm以下しか混合したものを入れないで撮影した。
 ストロボを発光させ、目で見てシャッターを押したが、けっこうタイミングが合っていた。老いを自覚するこのごろだが、まだ、シャッターチャンスをつかむことができるようである。


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ミジンコの銀河

2006-12-26 11:31:59 | 霞んだ光景
Mijinko
ミジンコ

Uzu
ミジンコの銀河(イメージ図)


 ミジンコを濃密度で飼育すると、ところどころで銀河そっくりの渦ができる。これはミジンコの光に集まる性質、趨光性とは無関係である。

 ある点から離れるように泳ぐミジンコの数が増えたときに渦ができ、ミジンコは中心部へ流されていく。中心部からは強い下降流にのる。多数のミジンコを吸い込むと渦は消え去る。

 銀河中心部がブラックホールで、周囲の星を呑み込んでやがて蒸発していく姿にそっくりである。


Boto


 絵ではボートが一艘だけだが、これが連なっているのをイメージすれば、離れようとした運動によって、逆に吸い込まれていく、一見矛盾した姿が理解できるはずである。


 人間でも、避けようと強く意識すればするほど、逆に吸いよせられてしまうことも多い。伊奈かっぺい「新郎・妊婦のご入場です」の話のように・・・。


 念のために付け加えておくと、銀河の渦巻き模様は見かけ上のもので、渦巻きながら星が銀河中心部へ落ち込んでいっているのではない。銀河円盤の中を密度波が回っていて、濃淡模様を作り出している。


 参考:最新宇宙論と天文学を楽しむ本 佐藤勝彦監修 PHP文庫



 

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菅江真澄の頭巾

2006-12-22 14:43:12 | 霞んだ光景
Togasugae

真澄が来た頃の戸賀湾


 菅江真澄は頭巾を常にかぶり、秋田藩主の前でも脱がなかったので、「常被り」とよばれていた。 頭巾の下には刀傷があるとか、病気のあとを隠しているとか噂された。

 亡くなったとき、隠し通してきた秘密をあばくべきではないと、だれも頭巾に触らなかったから、謎のままである。

 私には、真澄の頭巾は宗教的意味があったような気がする。
 真澄の旅の目的のひとつが、各地の神社、とくに神仏混淆の白山信仰系神社を巡ることだったことが関係していないだろうか。

 松尾芭蕉は、髪も結わないその姿から僧と見なされて、伊勢神宮にはいることを拒否されている。
 真澄は、頭巾で毛のない頭を隠していたのかもしれない。

 どんな理由にしろ、自分の過去あるいは現在を隠さなければならなかったのだろう。
 人間誰でも秘密を抱えているだろうけれど、もった秘密の数だけ、苦しみも多くなる。


 フリーソフト、カシミール使用


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笠地蔵

2006-12-18 15:23:24 | 霞んだ光景
Kasajizo


 お爺さんは、笠を5つもって売りに行ったのですが、ひとつも売れませんでした。

 帰り道、降り始めた雪の中に立っている6つのお地蔵さんが眼に入りました。
 売れなかった笠をお地蔵さんにかぶせてあげました。笠がひとつたりませんでしたので、自分のかぶっていた笠をぬいで最後のお地蔵さんにかぶせてあげました。

 家につくと、お婆さんにその話をしました。「それはいいことをしましたね」とお婆さんは喜んでくれました。

 その日は大晦日でしたが、笠が売れませんでしたので、いつものように粗末な夕食をとると眠りました。

 吹雪の音に混じって聞こえる物音で、お爺さんとお婆さんは目を覚ましました。
 その音は近づいてきて、家のそばまで来ると、なにかを投げ落とし、また離れていきました。

 起き出して戸の隙間から外をのぞくと、米俵が積まれていて、遠くに笠をかぶったお地蔵さんの姿が6つ見えました。


 だれでも知っている「笠地蔵」の話である。

 子どものころの私は、吹雪の夜に「だんだん近づいてくる音」という部分が恐ろしかった。笠をかぶり太鼓を叩きながら近づいてくる寒行の列にも恐怖感をもった。
 遠くの方で叫んでいるナマハゲが、より近くなってきているのを感じたときの恐ろしさに似ている。

 近づいてくるものが恐いものかどうかは関係なく、未知のものであるときに不安になってくるのだ。

 そういえば、正月が来るたびに確実に近づいてくる未知のものがある・・・。


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接写・拡大撮影 超小型水槽(2)

2006-12-07 15:25:55 | 接写と拡大撮影
Sansyouo

サンショウウオの幼生


Sakazuki

 水生生物には上から眺めた方がその生物らしく見えるのも多い。
 そのような小さな生物を撮影するときは、内側が白い家庭の食器を使用すると光がまわってきれいに撮れる。

 形がご飯茶碗のように中央が窪んでいれば、サンショウウオの幼生などは中央に集まるから、シャッターチャンスをまっているだけでよい。上の写真は幼児用茶碗くらいの大きさの容器にいれて、直射日光が当たらない日陰で撮影した。

 超小型水槽(1)で載せた水槽の、縦横15cmの平べったい形のものも以前は使っていた。
 この場合は、反射光などで光がよく回り込むように工夫しなければならないが、背景の色を変えることができる。





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