日本には韓国人を嫌いな人もいる。
テレビ「そこまで言って委員会」に
出演している旧皇族の子孫竹田恒泰(たけだつねやす)もそのひとりだろう。
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境界(きょうかい)(1)に載せた唐松(からまつ)以前は韓服(からまつ)神社、の
主祭神、息長帯姫命(おきながたらしひめのみこと)は
実は、仲哀(ちゅうあい)天皇の皇后、神功(じんぐう)皇后のことである。
仲哀天皇は日本武尊(やまとたけるのみこと)の子。
皇后と真山(しんざん)神社縁起に載せた武内宿禰(たけうちのすくね)に
関する話が古事記に書かれている。
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熊襲(くまそ)の国を討とうと筑紫にいたときのことである。
暗闇の中。
皇后の神おろしのために、天皇が琴を弾いていた。
皇后 : 宝がたくさんある西の国を征服させてやると神託を受けた。
天皇 : 西を見ても海しか見えぬではないか。嘘を言う神だ。
琴を弾くのをやめてしまった。
皇后 : そなたがこの国を治める資格などない、黄泉の国に行ってしまえと
神は言っている。
武内 : 神様を怒らせてはなりません。琴を弾(ひ)いてくださいませ。
天皇はいやいや弾き始めたが、しばらくすると琴の音が消えてしまった。
明かりをつけると天皇は亡くなっていた。
その後、神功皇后は出産を遅らせるために石を腹に巻き、
三韓征伐(さんかんせいばつ)後に応神(おうじん)天皇を生んだ。
仲哀天皇の死因は?
応神天皇は誰の子か?
なにが背景にあったのか?
などなど、推理小説の題材にもなっている。
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天皇家の本貫(ほんがん)つまり故郷の地が朝鮮半島にあったが、
征服され、追われて日本へ渡ってきた。
奪ったものへの怨念と、本貫を取り返したいという願いが
作り出した境界の物語ではないだろうか。
使用フリーソフト
Blender 2.82a
参考資料
古事記(中) 次田真幸 講談社学術文庫
逆説の日本史(1) 井沢元彦 小学館文庫