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水生生物雑記帳・男鹿半島幻想・接写と拡大写真

続 男鹿半島幻想:森元有全(もりもとゆうぜん)

2012-07-02 17:11:47 | 男鹿半島幻想
Morimoto12070201


 ネットで調べても出てこない人名であるが、菅江真澄(すがえますみ)「男鹿の秋風」に
載っていて、その標柱を船越(ふなこし)の善昌寺(ぜんしょうじ)境内に男鹿市で立てている。


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 天正16年(1588年)、脇本追鼻崎(おいばなさき)の太平城主、阿倍友季(ともすえ)は、
同族の実季(さねすえ)との争い敗れ、かろうじて逃げ延びた。
 そして、甲斐(かい)の国からきて友季に仕えていた大庄屋の森元有全にかくまわれた。
実季の探索はきびしく、密告した者もあったのだろう、友季は生き恥をかきたくないと、
切腹をした。
 かくまっていた森元有全も捕まえられたが、死罪になるところ、「主君を守ろうした忠義」を
感心されて、国外追放ですみ、故郷の甲斐(かい)に帰って暮らした。


 慶長7年(1602年)、関が原戦後の大名配置がえで、佐竹氏が秋田に転封(てんぽう)されると
聞いた有全は、常陸(ひたち)におもむき、佐竹氏に願い出て荷物輸送の先達(せんだつ≒案内人)と
なって、ぶじ土崎港に運んだ。その功によって、有全はまた男鹿の大庄屋に復帰した。


 その後、船越水道の渡し船の権利も占有した。
 藩は水道の水位がいくら下がろうとも、橋を架けることを禁止している。

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 甲斐から男鹿に来て大庄屋になり、軽い処分で追放された後、佐竹氏にとりいり再び
男鹿に戻ってきた森元有全の正体はなんだったのだろうか。
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Akiba12070201


 船越も、昔は火事が多かったせいだろう、境内には秋葉神社があった。
 秋葉神社の祭神は、イザナギとイザナミの間に生まれた火の神、
火之迦具土神(ほのかぐつちのかみ)である。

 イザナミはこの神を産むときに陰部を火傷(やけど)し、それが原因で亡くなる。
 本宮は浜松市。


【参考】
菅江真澄遊覧記(5) 菅江真澄。内田武志・宮本常一編訳 平凡社 東洋文庫119
船越誌 磯村朝次郎
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