「男鹿半島幻想」を書き続けているうち、男鹿半島には石に関する話が多いことにいまごろ気がついた。
石に関して抜けていたことを2つ載せる。
絵は「石焼き」または「磯焼き」とよばれる男鹿名物の料理法である。
魚・貝・海藻・野菜などを入れた桶に、火で加熱して赤くなった石を入れ、一気に沸騰させる。
普通の石を使用すれば割れてしまうので、海岸に打ち上げられている密に詰まった溶結凝灰岩をもちいる。
味はもちろんだが、できあがるのを目でも楽しめる。
男鹿青石 新出金市さん所蔵
男鹿青石 小玉喜市氏さん所蔵
「男鹿石」といえば、一般的には寒風山で採掘されて、庭石などに利用される輝石安山岩のことだが、もうひとつ置物として観賞する「男鹿石」とよばれるものがある。
石愛好家の間では有名なもので「男鹿青石」と命名されている。
秋田県立博物館の成田榮樹さんから男鹿青石について教えていただきました。
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上の2枚の写真を見た限りにおいて、男鹿青石について回答します。
1) 男鹿青石は複数の鉱物からできているようだが、標準和名はなにか?
碧玉及び球顆状構造を含む流紋岩質の火成岩。
主要成分は、二酸化珪素SiO
2で、酸化鉄や水酸化鉄などの不純物が混入している。
不透明で、緑色・黄色・褐色などの様々な色や縞模様となったもので、津軽の錦石や佐渡の赤玉などと同族であると考えられる。
2) 男鹿青石はどのような状況で生成されるのか?
地底の流紋岩質溶岩が地上もしくは地上近くに噴出して、比較的短時間に冷却してできた岩石。
したがって、石英(二酸化珪素SiO
2)は、微細な結晶またはガラス質(非晶質)となっている。また、鉱物が放射状に連晶して球顆状構造ができたものと考えられる。
不純物の多少、凝固する時間によっては、玉随(ぎょくずい)・メノウ・黒曜石・鉄石英などと近縁な岩石といえる。
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人間の興味は、最初は動物、次に植物、最期に石になると聞いたことがある。
そういえば、この順番で私もきているのかもしれない。
このほかの石に関する話は、メインページの「男鹿半島幻想」をご覧ください。