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水生生物雑記帳・男鹿半島幻想・接写と拡大写真

魚の卵:(I)トウベツカジカ:卵塊を岩の隙間に産みつける

2014-09-20 07:34:10 | 魚の卵


 卵の色は、黄色または赤黄色で岩の隙間などに産みつけられる。卵粒径5mm。




 発眼した卵。




 孵化した仔魚は、すでに鋭い歯をもっていて、ほかの魚の子どもとは異質な感じがする。




 トウベツカジカは、別名ケムシカジカ、図鑑によって名前がちがっている。
 男鹿での地方名は「スゲエモン」、卵も料理の材料になる。
 大きさは、35cm。
 島根以北の日本海と東北以北の太平洋に分布している。


 産卵生態には大きな特徴がある。
 産卵するときは雌だけで行われ、その卵は受精していないが、
中にはすでに精子が入っている。
 そして産卵後、海水に触れると受精し、発生が始まる。

 トウベツカジカは普段は深い海にすんでいて、
沿岸の水温が下がってくると、産卵のために浅瀬にやって来るが、
それ以前に交尾をしている。

 この交尾も変わっていて、トウベツカジカの雄には交尾器がないので、
雌が交尾器のように見える、先端にゼリー状物のついた産卵管を出したとき、
ゼリー状物めがけて雄が放精する。

 このゼリー状物は卵巣腔液で、産卵管とともに再び体内に引き込まれ、
精子は卵の中に入る。


参考:「交尾をする魚、カジカ」宗原弘幸・古屋康則 どうぶつと動物園 1994.7


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2 コメント

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Unknown (遊工房)
2014-09-20 18:03:10
これは私には難しい
卵の中に精子が入っていても受精していない?
産卵しなければ細胞分裂しないということですか?
海水が触媒なの?
赤ちゃん河鹿の胸鰭がかわいいですね
カサゴと味は似ているのでしょうか?

見てみたいお魚です
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遊工房さん (kmitoh)
2014-09-21 07:24:58
 書いた以上のことはわかりません。
 調理や味については答える知識を持っていませんから、ほかの方のページを見てください。
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