中国共産党は第十九期第五回中央委員全体会議を、10月26日から29日の4日間、北京で開催すると発表した。
これは9月28日に開催された政治局会議で決定した。
絶妙なタイミングである。
米国では大統領選挙が第三回目のテレビ討論を終えて、投票日までの熱気の期間であり、外交は空白に近くなるからだ(第一回目のテレビ討論は日本時間の明日)。
西側から見ると、習近平政権は経済不振、コロナ災禍、豪雨と蝗害、これらのマイナス要素に加えて米国と激突、EUの対中不信拡大、シルクロートの蹉跌、外貨準備払底が加わり、明日、「解任劇」があっても可笑しくないと予測されるのに、意外にしぶとく習政権は権力基盤を固めた。
ウィグル問題が西側の「人権」運動を刺激し、とくに欧米は中国批判を激化させているが、ローマ法王は一切の中国批判をせず、むしろポンペオ国務長官との面会を断った。ローマ法王への不信と懸念が高まった。
メルケルは重い腰を上げて中国との距離を置き始めたかにみえたが、フォルクスワーゲンは新たに1兆8000億円を中国の三つの合弁工場に投資し、EV開発に乗り出す。
対中ハイテク輸出を制限し、米国は中国との距離を明確に置いているときに、かのテスラは中国に新工場を建設している。だからトヨタもホンダも中国から引き揚げようとしないのだ。
習近平の権力基盤は第一に軍上層部を固めたこと。第二に香港問題で世界に孤立したことが、却って国内団結ムードを呼び込み、長老たちの習批判が止んだこと。第三に必死の資金投入で、いまのところ人民元暴落、不動産と株の市場崩壊を抑えていること等による。
これらの動きから判断して5中全会を強行できるとしたのだろう。