東アジア歴史文化研究会

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いよいよ世界大乱、激動の荒波がやってくる(宮崎正弘の国際ニュース・早読み)

2016-08-05 | 日本の政治・経済
2016.08.05
 
いよいよ世界大乱、激動の荒波がやってくる
日本のこれからの課題は奈辺に潜んでいるのか
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第三次安倍内閣第二次改造(2016年8月3日)にあたって、安倍晋三首相は記者会見で「最優先課題は(改憲ではなく)経済の再生だ」と言った。まさに世界大乱の現状を踏まえれば、日本経済のエンジン再稼働、経済再生は喫緊の最優先課題であることが分かる。

日本経済の過去四半世紀にわたる宿痾は「デフレ」である。バブルが崩壊してからの「失われた二十年」から、一時的にアベノミクスの発動で株価が急伸し、円安にぶれて企業業績はあがった。そのままの勢いで上昇気流の乗れるかと思われた。幸運は続かなかった。

自動車、建設機械、重化学などに日は射しても、全体の消費は伸びず経済活性化は局所的だった。地方によっては依然としてシャッター通りが拡大している。「地方再生」は掛け声だけが勇ましいが、効果があったのは「ふるさと納税」くらいだろう。東日本大震災、熊本地震被災からの恢復は軌道に乗ったとは言えず、「一億総活性化」も具体的な施策となると曖昧のままである。

参議院選挙、都知事選挙でも争点は「待機児童ゼロ」とか「医療保険」とか、枝葉の問題が焦点となっても国家の根幹を決める改憲も防衛も、まったく議論されなかった。日本は相変わらずの平和ぼけマインドが続いている。

経済の活性化は政策の実行にあるとはいえ、それは予算の配分によるため遅行するが、根本に横たわるのは日本人のマインドの再生、日本精神の復活にあるのではないのか。

国土強靭化も結構だが、防衛力整備こそがトンネルや橋梁のかけ方なんぞより急がれる。しかし戦後一貫して精神的頽廃は恢復されず、日本人の意気消沈が続き、あらゆる経済対策は遅れ気味となり、円高に悩まされて輸出は停滞し、内需は消費マインドの決定的な萎縮によって頓挫したまま。

▼第二次「アベノミクス」の旗色は滅法悪い

内閣改造直前に麻生財務相と黒田日銀総裁との緊急会談が行われ、財政出動の刷新が話し合われたが、喫緊の問題は補正予算の裏付けであり、28兆円規模と計測されるものの、いったい真水の部分がどれだけあるのか、予算審議は秋の国会審議に委ねられる。第二次「アベノミクス」の旗色は滅法悪い。

日本の貿易相手国は中国と米国が二大基軸だが、とくに中国経済の大後退にともない、中国進出企業の株価は冴えず業績は低迷している。対米輸出は順調とはいえ、米国の景気も利上げが遠のき先行き不透明、まして大統領選挙はヒラリーが勝とうがトランプが勝とうが、日米安保条約の改定は次の政治日程にあがってくることは確実である

日本が米中にかわって期待するアセアン諸国も経済的な飛躍はとても望めない状態であり、アジアは中国の不況の余波をまともに被って今後急激な再躍進は期待薄となった。ひとり中国との生産流通システムにビルトインされていないインド経済圏が気を吐くが、日本経済にさほどの影響はない。

まして対EUとなると、英国のEU離脱(BREXIT)によって、EUが混乱しており、また産油国経済は原油価格の低迷が続く限り恢復はほど遠い。あまつさえISのテロリズムが世界を不安に陥れたまま、シリア内戦、経済難民、トルコのイスラム化、サウジとイスラエルの米国離れ、プーチンの失地回復と高笑い。つまり世界経済の行方は不透明であるばかりか、大乱が予測される。

日本はこれから如何なる舵取りを迫られるのか? 安部改造内閣は防衛大臣に稲田朋美氏を指名したが、直後、北朝鮮はノドンを日本海に打ち込んで「歓迎」の意味を表した。これは秋田沖250キロ、日本のEEZ領海内である。即ち軍事的に言えば、日本が侵略されたのである。しかるに日本のメディアの反応は滅法鈍い。

中国は直前に発表された日本の『防衛白書』に対して悪罵を投げかけ、「反対である」などと言いがかりを付け、南シナ海の人口島埋立て、軍事基地化という自らの侵略的行為をすり替えた。とくに「稲田防衛大臣は右翼政治家であり、日中関係に衝撃を与えた」などと華僑向けの中国新聞社が伝えた。

同日に北京を訪問していた日本の財界ミッションの「経済同友会」代表に対しても、「政経分離の原則は確認されたが、日中の「政冷経熱」は去り「政冷経冷」は続くという暗い展望が確認された。

日本の行き先はますます不透明となり、軍事的緊張は逆に高まり、日本の防衛債券が礒がなければならないというのに、政府、マスコミ、そして多くの日本人にその自覚がない。それが問題なのである。

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