NATO首脳の間に「以心伝心」の雰囲気が匂う。
ずばり「ゼレンスキー大統領に、ウクライナはロシアとの戦争に勝つことはできず、NATOとの緊密な関係と引き換えに、和平交渉を開始すべき」と心の中で思っていることだ。
クリミア半島を取り戻せると、もはや誰も信じていない。
あまつさえマクロン仏大統領はミュンヘン安全保障会議で、モスクワでの政権転覆の話をすべて却下した。
つまり、米国でウクライナ戦争を主導するヌーランド次官の主張をNATOが否定したことと同義である。
ヌーランドはクリミア奪回とプーチン政権の転覆が目標と公言していた。
ウォールストリートジャーナルは「マクロン大統領とドイツのショルツ首相がエリゼ宮における夕食会で、ゼレンスキーに、モスクワとの和平交渉を検討しなければならないと伝えた」と報じた。
マクロン大統領がゼレンスキー氏に対し、「偉大な戦争の指導者だったが、最終的には政治的政治に移行し、難しい決断を下さなければならない」と語ったという。
2月下旬の「ミュンヘン安全保障会議」では王毅が頓珍漢は和平案を述べたが、舞台裏では和平交渉の具体化が話し合われた。
注目発言はバベル将軍から出た。
チェコ次期大統領は元 NATO軍事委員長をつとめたペトル・パベル将軍(元陸軍参謀長)である。チェコは「イの一番」にキエフに戦車を送った国である。
パベル将軍は次の発言をした。
「EU、NATO加盟国としてのチェコの積極的な関与、特に対ロシア制裁の強化、武器供与を含む積極的なウクライナ支援、同国のEU加盟支援をチェコは義務として受け入れるべき」だが、「戦争が長引けば、社会が耐えられる以上の命が失われるという状況に陥る。ウクライナ人が『別の結果』について考え始める時が来るかもしれません。」
この発言が象徴するように英米の暴走にブレーキをかけるEUという構造であり、西ヨーロッパの空気が変わっている。
大統領、国務長官、国防長官、CIA長官なら分かるが、米国のイエーレン財務長官も27日にキエフを訪問し、10億ドルの追加援助を約束した。財務長官が何故?
しかも武器援助とは別の資金手当はなぜ?
想定外のことが近日、起こりそう。
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