東アジア歴史文化研究会

日本人の素晴らしい伝統と文化を再発見しよう
歴史の書き換えはすでに始まっている

「令和」の御代にこそ憲法改正を期する(加瀬英明のコラム)

2019-05-12 | 日本の素晴らしい文化
早春に80代の親しい婦人の夫君が、長い闘病生活の後に亡くなった。医師だったが、歌人でもあった。

私は悲嘆に暮れる夫人に、万葉集の一首の「行く方なき空の煙となりぬとも 思ふあたりを立ちは離れじ」を手渡して、慰めた。私は万葉集に親しんできた。皇子が恋した娘に先き立たれて、口ずさんだ歌である。

4月1日に、新しい元号が発表された。万葉集が出典だった。私は日本の歴史ではじめて、元号を中国の漢籍ではなく、国書から採ったことを、何よりも喜んだ。

明治は文明開化とともに、日本化の時代だった。天皇は江戸時代が終わるまで、即位礼に真紅の大袖に龍の縫い取りがある中国服を、召されたものだった。

平成が200年ぶりの御譲位によって、終わる。私は平成を占領下で強いられた憲法を、改められなかったことによって記憶しよう。

私は今上陛下が3年前の8月8日に、テレビを通じてお言葉を読まれたのを、謹聴した。

ご高齢によってお疲れになられたから、譲位したいと訴えられた。

私は月刊『WiLL』誌に、「これは天皇によるクーデターだった。明治天皇によって定められ、現憲法下で継承されている皇室典範は、天皇の譲位を認めていない。お言葉のなかで、皇室典範が定めている摂政制度を斥けられたが、天皇が法を改めるよう要求されることは、あってはならない」と、寄稿した。

NHK社会部の記者がインタビューにきたが、私は「天皇のお言葉は憲法違反だったのに、どうして護憲を日頃説くNHKが、憲法違反のお言葉を放送したのか」とたずねたが、答がなかった。

私は現行憲法を国際法に違反した、正統性がない「偽憲法」と呼んできた。

現憲法には、多くの重大な瑕疵(かし)がある。なかでも、天皇を「象徴」として、国民より下に置いているのは、日本が歴史を通じて守ってきた伝統を歪めている。

国会は一昨年6月に日本共産党を含む全会一致で、「天皇退位などに関する皇室典範特例法」を可決した。国会が天皇が現憲法の上にあることを、認めたのだった。譲位を「退位」と呼んだのは、天皇の御意志によって譲位されると、憲法に違反したからだった。

今上天皇は英邁であられる。8月8日のお言葉によって、「象徴天皇制」を一撃で破壊されたのだった。

陛下は聡明であられるから、その後、お言葉のなかで護憲派の反発を招いて、国論が割れないように、「象徴天皇としてのありかた」に、頻繁にお触れになられている。

占領憲法に罅(ひび)が入ったのだった。令和の御代に憲法が改正されることを、強く期待したい。

今日、天皇は身近なご相談相手を欠いておられる。天皇は日本の要(かなめ)であられるのに、皇居で孤立されている。旧憲法下では、内大臣が宮内官として側近にあって、日常意見を求められたし、総理大臣以下閣僚や、軍幹部が頻繁に参内して拝謁した。

ところが、宮内庁長官と侍従長は、全員が皇室の伝統についてほとんど無知である。

11月に皇居において、天皇を天皇たらしめる大嘗祭が、執り行われる。

古来から大嘗祭のために建てられ、すぐに撤去される大嘗宮の仮宮は、青い茅(かや)で葺(ふ)かれてきた。ところが、皇族のお1人が経費を節減するために板張りすべきだと、意見を述べられた。伝統についてご勉強が足りないと、お諫め申し上げねばならない。

積水ハウスか、タマホームの建て売り住宅風では、伝統の尊厳を損ねてしまう。

会計検査院によれば、3兆円が来年の東京オリンピックに投じられる。皇室あっての日本だが、オリンピックを催さなくても、日本は日本だ。

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