認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の予防と脳を活性化させる「生活習慣」の構築(その2  B-15)

2014-07-01 | 楽しくて意欲が湧いてくる生活と脳の活性化

  肩書を 信じてしまう 世の人は

    イワシの頭も 信心からと  By kinukototadao

    

○ 脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉

「アルツハイマー型認知症」予防の講演のために北九州に2泊3日の日程で出かけるTadを伊豆高原の駅まで送って行った後、これからの3日間をどのようにして過ごそうかと考えたのです。

その時、ハタと考えついたのが、映画を見に千葉まで出かけていくことだったのです。「降りてゆく生き方」と題するその映画を見るために千葉まで出かけていくという一つの理由は、私の長男が上映後に開催される会議のパネラーに選ばれていること、もう一つの理由は、「第二の人生」での生き方にも共通する視点と言うか、何か参考になるものがあるのではと考えたからなのです。

私の家は庭が広くて、この梅雨のおかげで、上の庭も下の庭も雑草が長々と生い茂ってしまっている状態なのです。私の家はお客様が多い家なので、今一番に為すべきテーマは、この雑草を抜き取り、それなりに見られる状態にすることなのです。状況を判断した時、今一番に何をなすべきなのか、良く分かっているのです。でも、Tadがいない明日からの2日間の過ごし方として、上述のテーマを考え付いたのも、私の「前頭葉」なのです。

    

私たちが意識的に何かを考えようとするとき、或いは何かのテーマを発想して実行しようとするとき、なくてはならないのが「前頭葉」という脳の働きなのです。その「前頭葉」は、運動の脳、左脳及び右脳を統括し、「脳全体の司令塔」の役割を担っています。「左脳」が「デジタルな情報の処理」を実行するときも、「右脳」が「アナログな情報の処理」を実行するときも、「運動の脳」が「身体を動かす」指令を出すときも、三頭立ての馬車(左脳、右脳、運動の脳の三頭の馬)の御者の役割をしている「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)のコントロールと指示なしには、勝手には働かない仕組みになっているのです。

意識的に何かのテーマを発想し、或いは実行するには、その時自分が置かれている「状況の判断」が極めて重要となります。状況の判断次第で、テーマを別のものに変更したり、或いは実行の仕方を変更する必要が出てくるからです。その状況の判断を行うのも、状況の判断に沿って三頭の馬をコントロールするのも、「前頭葉」の重要な役割の一つなのです。三頭の馬のどれかが働くときには、必ず「前頭葉」による、事前の関与、判断とその指示が為されるのです。言い換えると、「前頭葉」が三頭の馬を主導し、コントロールしつつ、同時に協働して働くというのが、意識的な思考や行為の下で人間の脳が働くときのメカニズムなのです。

     

○ 「前頭葉」の諸機能の発揮度に関わる三本柱の機能

今日は、朝方からしとしとと雨が降っています。梅雨に特有のうっとうしい天気なのです。雨の中を買物に出かけていくのも億劫なので、ありあわせの材料で、夕ご飯を作ろうと考えたのです。とりあえず、冷蔵庫を開けて、何があるのかを見てから、考えようと思ったのです。皆さんもきっとそうなさるでしょう。ところがどっこい、認知症の専門家達が「不活発病」とか名づけて見逃している「アルツハイマー型認知症」の最初の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階で既にその「前頭葉」は、冷蔵庫の中に残っている食材の種類とその量をベースにして、且つ同居している家族の構成をも考慮した上で、足りないものを考えて、過不足が無いだけの量の夕食のメニュー用の食材をスーパーで買ってくる程度のことさえもできなくなってしまっているのです。

それは、加齢による老化現象ではないのです。「前頭葉」の三本柱の機能が、廃用性の加速度的な機能低下が直接の原因で、異常なレベルに衰えてきたことにより発現してくる、「アルツハイマー型認知症」の初期症状(「小ボケ」の症状)そのものなのです。認知症の専門家とされながら、認知機能を発揮する上で最も高度で、且つもっとも重要な機能である「前頭葉」のことをよく知らない人達が、本当の意味での「初期症状」の段階を見落としているだけなのです(ここを「クリック」してください)。

    

上述のように、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用性の加速度的な機能低下が直接の原因で、異常なレベルに衰えてきた「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウトプット自体が認知症の症状として発現してくるものなのです。最初に回復させることが容易な「小ボケ」の段階の症状が出てきて、次いで回復させることが未だ可能な「中ボケ」の段階の症状に進んで、最後に回復させることが困難な「大ボケ」の段階に進むのです(ここを「クリック」してください)。然もその症状の進行は、長い期間をかけて徐々に「段階的な症状」の進行を示すのが「アルツハイマー型認知症」の特徴であることも知らないで、医療機関では末期の段階の「大ボケ」の症状が確認されて初めて「アルツハイマー型認知症」だと診断するのです(ここを「クリック」してください)。

回復させることが可能な本当の意味での初期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」)を見落としていて、回復させることが困難になる末期の段階(「大ボケ」)で見つけるのが医療機関の役割だというのでしょうか。「大ボケ」の段階にまで症状が進んでしまうと、回復させることはもはや困難になるので、認知症以外の何らかの他の病気を発病して死を迎えることになるまで長期にわたって、「大ボケ」の段階の中で(且つ、症状が更に進んでいくだけの状況の中で)、ひたすら介護するだけとなるのです。

    

ところで、脳の司令塔の役割を担う「前頭葉」には人間に特有な数多くの高度な認知機能が備わっています。その「諸機能」とは、意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、批判、想像、理解、了解、興味、関心、発想、連想、妄想、企画、計画、創意、工夫、予測、具象化、抽象化、シミュレー・ション、予見、比較、修正、整理、機転、抑制、忍耐、感動及び判断等の認知機能を言います。

ところが、それらの諸認知機能の「機能発揮度」を支えているのが、私たちが「前頭葉の三本柱の機能」と名付ける「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能なのです。然もその「前頭葉」の三本柱の機能には、私たちが「脳機能データ」の解析により発見し「正常老化の性質」と名付ける性質、すなわち、「前頭葉」の出番がそれなりに有る「生活習慣」を維持して暮らしていても、「加齢」とともに緩やかではあるが機能が衰えていくという性質が内在しているのです。30歳代の後半から症状が出てくるようになり、第二の人生が始まる60歳以降の年齢になると多発してくることになるあの「物忘れ」の症状は、この「前頭葉」の三本柱の機能の老化による衰えと密接な関係があるのです(ここをクリック」してください)。

      

○ 「前頭葉」の三本柱の機能障害の症状が「小ボケ」の症状

60歳を超える年齢の「高齢者」が「第二の人生」を過ごしていく中で、生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標もないというナイナイ尽くしの「単調な生活」日々繰り返すという脳の使い方としての「生活習慣」の下では、それでなくても「正常老化の性質」を内在させている「前頭葉」の三本柱の機能が、加速度的にその働き具合を衰えさせ低下させていき(廃用性の加速度的な機能低下)、上述した「前頭葉」の諸機能が不十分にしか発揮されなくなっていくのです。

「前頭葉」の機能は脳全体の司令塔の役割を担っているので、廃用性の加速度的な機能低下により「前頭葉」の三本柱の機能が異常なレベルに衰え低下してきた状態の下では、下位の機能部位である左脳、右脳及び運動の脳の全ての脳が正常な機能レベルにあろうとも(「三頭建ての馬車」の御者の役割を担っている「前頭葉」の機能が異常なレベルにある限り)、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウトプットは、異常なレベルのものになってしまうのです。それらのアウトプットは、老化現象ではなくて、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の症状そのものなのです。

     

○ 「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する「生活習慣」

色々な種類がある認知症の内の90%以上を占めていて、且つ世の中の(世界中の)認知症の専門家達の間で発病の原因が分からないとされている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、上述のように、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルがそのまま認知症の症状として発現してくるのが特徴であり、且つ脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きだけが異常なレベルに衰えてくることから、最初の段階の症状である「軽度認知症」(小ボケ)の症状が発現してくるのです(この「小ボケ」の段階では、下位機能である「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」の全てが未だ正常な機能レベルにあることに注意:廃用性の加速度的な機能低下が直接の原因で発病する「アルツハイマー型認知症」の場合には、MMSで測定される下位項目を含めて、認知機能に衰えていく順番があることが特徴なのです:ここを「クリック」してください)。

逆に言えば、「前頭葉」の働き自体を正常なレベルに保っている限り(言い換えると、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが正常であれば)、「アルツハイマー型認知症」を発病することは絶対に無いのです。発病を予防する唯一の方法は、「前頭葉」の出番が多い「生活習慣」を自分なりに構築し、且つ日々それを自分なりに楽しみながら実践していくことにより、「前頭葉」の機能を正常なレベルに保ち続けることに尽きるのです。この「自分なりに」ということが極めて重要な要件であり、その為には、周りがそれをどう見ているか、或いはどのように評価しているかは、関係ないのです。周りの目とか、世間体とかを気にしないで、割り切ることが必要で肝心なことなのです。 たった一度の人生、然も今を生きている第二の人生は、数えてみれば、残された時間はそれほど長くないのです。自分なりの「テーマ」を見つけて、自分なりに、自分の思うとおりに、 生きてみてください。

            

私たちのデータから推計すると、私達日本人の70歳代のお年寄りの30%、80歳代のお年寄りの50%、90歳代のお年寄りの75%もの人達が、「アルツハイマー型認知症」を発病するのです(%を示す数値は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階を含む数値であることに注意してください)。 「前頭葉」の機能に内在している「正常老化の性質」、その傾きのカーブの度合いが年を取るにつれて大きくなっていくことが上述の%の第一の要因となっているのです。

「アルツハイマー型認知症」を発病しないためには、緩やかではあるが直線的に衰えていこうとするその「老化のカーブ」を下側から支え、「前頭葉」の機能が緩やかに衰えていきつつも正常なレベルのままでいられるような日々の脳の使い方としての「生活習慣」、「前頭葉」の三本柱の機能である「意欲」が湧いてくるような生活、「注意の集中力」や「注意の分配力」の機能の出番が多い自分なりの「テーマ」を自分なりに日々楽しみながら実践する「生活習慣」を確立することが、60歳を超える年齢で「第二の人生」を生きているあなたに求められているのです。

    

自分なりの生活環境(住宅や住んでいる市町村などの生活環境、連れ添いの有無や家族の有無を含む家族環境、友人を含む人的な環境、身体条件、或いは経済的な条件)を考慮して、自分なりの「テーマ」を見つけて、自分なりに楽しみながら実行する「生活習慣」、「前頭葉」の機能を正常なレベルに保ち続ける為の(「アルツハイマー型認知症」を発病しない為の、発病を予防する為の)自分なりの「前頭葉の出番が多い生活習慣」を組み立て日々実践するのです。

命が長く持てば(身体が持てば)良いという訳ではないでしょう。世界に先駆けて超高齢化社会を迎えた我が国には、長寿で第二の人生を謳歌するどころか、身の回りのことも自分ではできなくて「介護」に頼るしかない状態の認知症のお年寄りが400万人もいるのです。その大半は、「アルツハイマー型認知症」であり、且つ末期の段階の人達(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の人達)なのです。介護保険制度は税金を投入して維持されているのです。この先さらに対象者が増加の一途をたどると予想されているのです。「アルツハイマー型認知症」を発病して、その挙句に、家族に介護して貰って多大な迷惑をかけ、終いには家族の名前も顔も分からないような状態で施設で死を迎えて、それで良いのですか。

第二の人生を生きている皆さん、家に籠って、預金通帳を眺めているだけの生活はもう止めにしませんか。家の外に出て行って、或る程度のお金も使って、他人と交わって、あなたの脳が活性化するような「テーマ」、「意欲」が湧いてくるような「テーマ」に挑戦して、「注意の集中力」を高めてそれに集中したり、「注意の分配力」の回転を上げてテキパキと物事を処理するような時間の過ごし方、自分なりの「時間とお金の使い方」の工夫をしてみてください。「時間があり余っているのに、することが無い毎日」に、明日からと言わず今日から、サヨナラを告げてください。

    

「アルツハイマー型認知症」を発病して、且つ長期間にわたって何年間も患い、医療機関で回復させることが可能な早期の段階で(私たちの区分で言う、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のこと)見つけてもらえないで、末期の段階の「重度認知症」(大ボケ)の症状が出てくるようになっているお年寄りの「尊厳」とかを声高に叫ぶ識者達も世の中には居るのですが、「尊厳」とは何なのか、どのような状態で長生きすることなのか、私たち日本人は今、このテーマについて国民的な議論をすべき時期と状態に追い込まれていることを知るべきだと思うのです。「大ボケ」の段階にまで症状が進んだ人の尊厳を問題にするのであれば、「小ボケ」にさえしてはならないという問題意識を持つべきだと思うのです。

「アルツハイマ-型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つけて、脳の使い方としての生活の改善を目的とした「脳のリハビリ」に励めば治すことが出来るし、「前頭葉」の出番が多い自分なりの脳を活性化する「生活習慣」の構築と実践により発病自体を予防することが出来るのですから。更に言うと、世界に先がげて超高齢化社会に突入した我が国は、世界に例のない規模の累積債務、1000兆円を超える累積債務を抱えているのですから。発病自体を予防し、早期の段階で見つけて治すことができるようになれば、そのことだけで、我が国の累積債務を解消させることさえ夢ではなくなる、それほどの規模の介護費用が掛かっているのですから。

  

わが国には、3000万人を超える数の「高齢者」が生活しているのです。「朝寝して、新聞を見て、昼寝して、夕さりつかた、水戸の黄門」と揶揄されるような日々の暮らし方、「認知症の発病を恐れて、家に籠って、通帳を抱え込んで、水戸黄門を見るのだけを楽しみにして、ひっそりと暮らしている」お年寄りたちが、家の外に出て行って、自分なりに脳が活性化される「テーマ」にお金を使って、「第二の人生」をイキイキと生きていくような価値観が世の中に定着したら、安倍政権が掲げる経済政策の第三の矢の中核となることも出来るほどの経済効果が期待できるのです。

お年寄りが一人当たり月額1万円を脳の活性化に使うだけで、年間で3兆6000億円にもなる訳ですから。認知症を発病して、一人当たり実績平均値で4000万円にも上る介護費用を子や孫に負担させるのと、脳の活性化にお金を使い自分なりに第二の人生を楽しんで年間12万円の経済効果に貢献する生き方、その出と入りとを計算して見てください。「前頭葉」の働き方のメカニズムのことさえもよく分かっていない誰かさんが主張しているあの説に乗っかって、毎日、足し算と引き算を何時間かやることをお題目にしているあなたなら、これくらいの計算はできるでしょ。あ、ひらかなでかかれた、おとぎばなしもよんでいらっしゃるんでしたよね。あれって、私たちに言わせれば、「イワシの頭」ですよ。

 家に籠って、通帳を抱え込んで、「アルツハイマー型認知症」を発病して、介護費用が掛かるだけの「脳は持たないのに、身体だけが長持ちする」第二の人生を過ごすという生き方から、「趣味や遊びや人付き合い」に時間とそれなりのお金とを使って、自分なりに第二の人生を楽しみ、「脳が長持ちして」、生き甲斐や目標がある「第二の人生」を全うする生き方への転換が、我が国を救うことになるのです。

    

インターネットで「アルツハイマー型認知症の早期診断」と入力して検索してみてください。驚くほどたくさんのブログやホームページにお目にかかれます。ところが肝心の記事の内容は、腹立たしいほどにでたらめなものばかりなのです。「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムについて何も知らないで、そもそも「前頭葉」の機能についてさえ何も知らないで、よくもこんな記事が書けるものと驚いてしまうのです。この人たちにプライドはないのかと疑ってしまうのです。

あら、もう9時を過ぎてるわ!

  私これから、途中で芳子さんを車で拾って、太極拳に行かないといけないの。時間がないので、今日は、これで失礼するわね。

下手なのに、よく続くねって、何時もTadから揶揄されるんだけど。下手でもいいの、だって仲の良いお友達がいっぱいいるんだから。休憩時間に、みんなで冗談を言い合ってるだけでも、楽しくて、私の脳が活性化するんだもの。

 来月から私、ヨガの教室にも通うことにしたの。

    

 注)本著作物(このブログB-15に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHPを「クリック」してください)

 脳機能からみた認知症(IEでないとうまく表示されません

   http://blog.goo.ne.jp/quantum_pianist

   http://blog.goo.ne.jp/kuru0214/e/d4801838dd9872301e0d491cd8900f1a



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