認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

発病のメカニズムから、エーザイのレカネマブに治療薬の効能は(有り得ない)のです(Hー04)

2023-02-11 | この先一週間-脳の活性化と私なりのテーマ
&1 『アルツハイマー型認知症』発病の理解の基礎となる「脳の機能構造」
Ⅰ.脳の働きのアウトプットである思考、発言、行為や行動、言動との関係
1. 脳の各部の機能、役割りの概要
頭のてっぺんには、身体を動かす働きの「運動の脳」(単体)があります。
脳の後ろの左側部分には、言葉や計算や論理や場合分け(シミュレーション)などのデジタル情報を処理する働きの「左脳」(単体)あります。
脳の後ろの右側部分には、感情や感性や形や色彩や空間の認知や時間の経過の認知等のアナログ情報を処理する働きの「右脳」(単体)があります。
額の所、前頭前野と呼ばれる所には、『前頭葉』(前頭葉の三本柱の機能、評価の物差し及び実行機能により構成される複合機能体)があります。

額の所にある『前頭葉』(前頭前野の穹窿部局在する)は、複合機能体です。
前頭葉』には、「意欲」の機能に下支えられた『注意力の機能』を集中し(注意集中力)、分配し(注意分配力)、その機能構造によって、「評価の物差し」(意識の首座自我)による先行的な評価、関心、注意、観方、選択に基づいて『注意の分配力』の機能が、「実行機能」を行使する為の「様々な働き」が詰まっていて、『脳全体の司令塔の役割』を担っています。私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界(目的的な世界)』の支配者です。

1.私たちが、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す際は、『評価の物差し』(意識首座=自我の機能が、意識の覚醒下で、他機能に先行して行い、立ち上がる評価、関心、注意、観方、選択に基づいて、『注意の分配力』の機能が「実行機能」を行使して行う「分析、理解、判断、企画、計画、洞察、推理、比較、検索、シミュレーション、整理、憶測、忖度、修正、抑制、決断、感動等の認知機能群(Executive Functionと総称)の個別の認知によりメタ認知しつつ、思考、行為、行動、発言、言動や動作が、実体験認知として実行されることになるのです。DNAの99%が同じとされるチンパンジーにもない世界、人間だけに特有な『意識が覚醒している世界覚醒の度合いが、様々に異なる)』(目的的な世界)における思考、発言、動作や行為や行動、或いは、言動が行われることとなる『』としての『脳の働き方』のメカニズムなのです(『意識』の機能構造は未だに「人類最大の難問」とされているのですが、様々な種類の生きた人間の「脳機能データ」の解析を基礎にして、Tadが構想し、理解しているもの=ブログ「G-02」で詳細を提示)。

2.『アルツハイマー型認知症』は、『意識』の機能構造が関わってくる認知症なのです。私たち人間だけに『特有な脳機能』である『注意の分配力』の機能の働き方、就中、『注意の分配力』の機能が、『評価の物差し』による評価、注意、関心、選択に基づいて『実行機能』を行使して行う機能関係、私たち『二段階方式』が世界で初めて発見し、『機能発揮上の二重構造』と名付けている機能構造の関係に気付かない限り、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の進行のメカニズム(廃用性の機能低下要因)並びに症状の回復、進行の抑制、更には発病自体の予防のメカニズム(方法)を解明することは、不可能事に近いのです。

3.「脳を解剖」して分かる程、単純なものではないし(アミロイドβ仮説やタウタンパク仮説)、マウスやマーモセットには備わっていない脳機能である『注意の分配力』の機能が核心の複合機能体である『前頭葉』の機能レベルの精緻な判定も、私たち二段階方式以外は、世界中を探しても、個人も組織も、精緻な「手技」を持っていないのです。
4. 左脳、右脳、運動の脳が牽引する三頭建ての馬車をあやつる御者の役割をしているのが『前頭葉』なのです。三頭の馬を十分に働かせられるのも不十分にしか働かせられないのも、「前頭葉」の働き方次第なのです。
その『前頭葉』の機能が、時々軽い居眠りが出てくるようになり(社会生活面で支障=小ボケ)、気が付くと居眠りしているようになり(家庭生活面でも支障=中ボケ)、深く眠り込んでしまう(セルフケアにも支障=大ボケ)のが、『アルツハイマー型認知症』を発病した世界なのです。

&2 『アルツハイマー型認知症』を発病する世界とは
1.『前頭葉』を含む脳全体の働き異常なレベル衰えてきて、その為『社会生活や、家庭生活や、セルフケア』の面に支障が起きてくるのが、『アルツハイマー型認知症』を発病した世界なのです。
2.脳の司令塔の『前頭葉』が、ちゃんと(正常なレベルで)働かなくなった(『前頭葉』の機能が、異常な機能レベルに衰えてきた)段階で、ほんの少し前に食事をしたばかりなのに、そのことさえ思い出せないような「重度の記憶障害の症状」が出てくるようになる、はるか前の段階で、『アルツハイマー型認知症』はもう始まっているのです(認知症としての症状が発現しているのです(「小ボケ」の段階=世界中の専門家達が見落としている)
3.左脳、右脳及び運動の脳、馬車を牽引する「三頭の馬」が未だ正常な機能レベルに在ろうとも、三頭の馬を操る「御者」である『前頭葉』の機能が異常なレベルに衰えてきたその(その段階から、意識的な世界のアウトプットは全て異常なものとなる、『アルツハイマー型認知症』の発病であると考えるべきなのです(『意識の機能構造』に無知な専門家達が見落としている『発病の極く初期』の段階があるのです)。

4.アルツハイマー型認知症の原因を見つけるにも、早い段階で見つけて治すにも、症状の進行を抑制するにも、発病自体を予防するにも、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル精緻に判定することが出来る『脳の働きという物差し』が不可欠になるのです(『意識の機能構造』の詳しい理解に立って開発された『二段階方式』の手技は、世界中でも比類のない、極めて高度で精緻な判定のための唯一の手技なのです)。
5.「アルツハイマー型認知症」研究(診断)の専門家としての学者や(医師)は、「認知機能の判定」に際し、『MMSE』(或いは、我が国では長谷川式)を活用しているだけであり、『脳の後半領域の働き』にしか注目していないのです。現在までの所では、『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定出来る手技を持っていないのです。
意識的な世界(目的的な世界)における、脳全体の司令塔の働きをしている『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定出来ない限り、脳のリハビリにより回復/症状の進行を抑制させることが出来る本当の意味での『早期の段階』(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)の症状を鑑別することは出来ないのです。

&3  アルツハイマー型認知症は、「脳の使い方」としての『生活習慣病』
1.我が国だけでなく、世界中のアルツハイマー型認知症の専門家とされる機関や人達はと言うと、意識的な世界の要である『前頭葉』の機能構造、就中、『注意の分配力』の機能構造に注目することをしないで、前頭葉の機能も、注意の分配力の機能も備わっていない「マウス(ADマウス)やマーモセット」が檻の中で餌を探して徘徊する動きの研究を基礎とした「憶測混じりの主張」を、権威と肩書だけを振りかざして主張し、間違った主張内容を垂れ流し続けているのです。
2.彼等専門家と言われる人達は、意識を構築し、統合し、分割し、統括し、管理し、コントロールしているのが、『注意の分配力の機能である』ことが良く分かっていないのです。
※彼等は、実行機能(分析、理解、判断、計画、企画、洞察、推理、シミュレーション、比較、選択、決定、決断、抑制、感動等、『前頭葉』の個別認知機能を総称して、このように呼びます=Executive Function)の機能の発揮度が、注意の分配力を核心とした前頭葉の三本柱の機能に左右され下支えられている構造『機能発揮上の二重構造』という依存関係にあることに、未だに気づいていないのです。
3.『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズム並びに症状の重症化が進行していく原因が「加齢」に起因した機能低下という要因(正常な老化)を基盤としていて、更に、その要因に加重される要因である、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した「廃用性異常な機能低下」の進行という要因の存在であることに気づいていないのです(廃用症候群に属する老化・廃用型の 生活習慣病』が本態なのです)。
4.  60歳を超える年齢の『高齢者』が、『第二の人生』を送る日々での「脳の使い方」としての『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な日々の暮らし方)の継続に起因して、『前頭葉』(「注意の分配力」の機能が核)についての『廃用性の異常な機能低下』が進行してくることが『発病を惹き起こす原因』であることに、未だに気づいていないのです。

&4  加齢』に起因した「正常な老化の進行」という要因とアルツハイマー型認知症の発病による『異常な機能低下の進行』との差異:
1. 「前頭葉」の老化曲線(正常老化)の存在とその意味
各種の高度な働きを担当している『前頭葉』の機能、中でも、『実行機能』を正常に発揮させる上でのとりわけ重要な働き、実行機能の発揮度を左右する三本柱の機能である、『意欲、注意の集中力及び注意の分配力(前頭葉の三本柱の機能と二段階方式が命名)』の機能には、「加齢」の進行に連れて『働きが老化し、「正常な機能範囲内のレベル」を保ちつつも、緩やかに衰えていく』という性質があるのです。
18歳から22歳までがピークで、23歳を過ぎるころから100歳に向かって、緩やかではあるけれど、直線的に衰えていくのです。「第二の人生」が始まる60代半ばになると、前頭葉の働き具合は、ピーク時の18歳から22歳の頃に比べ、働きが半分以下になっているのです。70歳代、80歳代、90歳代、100歳代と、年をとればとる程、『前頭葉』の働きが更に衰えていく。正常な機能範囲内とはいえ、どんどん低空飛行になっていくという性質が確認されるのです(「二段階方式」が、「正常老化の性質」と命名)。
2.様々な種類がある認知症の内の大多数90%以上を占め、皆さんが日常よく目にしている『アルツハイマー型認知症』の正体は、加齢に起因した「脳の老化」という要因が基盤(基礎)にあるのです。『加齢に起因した脳の老化』という問題が基盤にある為、アルツハイマー型認知症の発病は、若者には関係なくて、「60歳代以降の『お年寄りだけ』が、発病の対象になる」のです(老年発症が特徴)。⇒「若年性アルツハイマー型認知症」という病気は、実在していないのです。「側頭葉性健忘症」との異同の要素を知らない医師達が、誤診しているだけなのです)。
※側頭葉性健忘症は、若年で発症するのが特徴。「重度の記銘力障害」に起因した「重度の記憶障害の症状」を伴うこと(記銘度が低い為に、直前の記憶は想起できるが、短期及び長期の記憶が想起できない)及び「海馬の萎縮」が確認されるのが特徴。但し、『前頭葉』の機能レベルが正常な機能レベルに在るのが特徴なのです。
これに対し、「アルツハイマー型認知症」の発病である場合は、「前頭葉」の機能が(から)真っ先に異常なレベルに衰えてくるのが特徴なのです。
※「アルツハイマー型認知症」の発病は、加齢に起因した機能低下という要因とは別の要因の存在、「廃用性の異常な機能低下」という別の要因が加重されることが、発病の核心的な条件なのです。
※『加齢』に起因した「前頭葉」の機能低下は、正常な機能範囲の中で、徐々に、緩やかに、低下して行くという性質が確認されるのが特徴なのです。

3.アルツハイマー型認知症の『症状の三段階区分』
(1) 厚生労働省の発表によると、認知症のお年寄りの数は2019年12月末現在で、600万人超とされています。600万人もの認知症のお年寄りとは、自分が住んでいる家がわからなくなったり、同居の家族の名前や顔も分からなかったり、ズボンを頭から被ってみたり、トイレの後始末も自分でできないで、セルフケアにも介助が要る、認知症の末期段階の人達なのであり、私たち「二段階方式」の区分で言う重度認知症(「大ボケ」)の人達だけの数なのです。 
(2) 認知症とは、「いったん完成した脳機能が、何らかの原因で全般的に低下し、社会生活や家庭生活やセルフケア等に支障が起きてくる病気」と定義されています。元々は正常な社会生活を営んでいた人に起きるものである以上、現在セルフ・ケアもおぼつかなくなっている人であろうとも、その人の過去に遡ってみれば、正常であった時期があり、発病後に症状が次第に進行し、重症化していった結果だと言えます。
(3)『アルツハイマー型認知症』は、症状が徐々段階的緩やかに進むのが特徴なのです。
昨日まで正常だった人が、いきなり、アルツハイマー型認知症を発病した途端に、同居の家族の名前や顔も分からなかったり、ズボンを頭から被ってみたり、トイレの後始末も自分でできないで、セルフ・ケアにも支障が出て介助が要るようにはならないのです。
※「前頭葉」を含む脳全体の働き具合を二段階方式のテストで調べてみると、軽い方から順に、「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の三段階に分かれていることが分かるのです。
そのことに加え、新型コロナの回避策として政府が推奨した「三密の回避」策が、第二の人生を送っている高齢者の厳密な遵守により、アルツハイマー型認知症の新規発病者の大幅な増加と重症化の更なる進行を惹き起こしていることに注意が必要なのです。

4.「アルツハイマー型認知症」の発病と生活実態は、以下の表のとおり:
(「アルツハイマー型認知症」の症状の三段階と脳機能及び生活実態)
前頭葉を含む脳全体の機能レベル
生活実態(症状)
区分
正常な機能レベル
正常(支障が起きていない)
正常
前頭葉のみ異常なレベルに低下
(脳の後半領域の機能は正常)
社会生活面のみに支障
(指示待ち人)
小ボケ
前頭葉が更に低下+後半領域も異常レベル
家庭生活面にも支障
 (言い訳のうまい幼稚園児)
中ボケ
前頭葉大幅低下+後半領域大幅な異常レベル
セルフケアの面にも支障
 (脳の寝たきり児)
大ボケ
※前頭葉は、「改訂版かなひろいテスト」で、
左脳と右脳は、「MMSE]で判定
※「改訂版30項目問診票」による
  該当項目のチェックと確認
各段階

&5「アルツハイマー型認知症」の年齢別発生頻度
1.エイジングライフ研究所がこれまで集積してきた多数の脳機能データの分析によると、アルツハイマー型認知症を発病する「お年寄り」達の年齢別の割合は、年をとるにつれ、どんどん増加していきます。
「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の全部を含めたアルツハイマー型認知症の人達全体の年代ごとの割合は、第二の人生が始まったばかりの60代で12%もの高い割合を示しています。60代のお年寄りが100人集まったら、12人はもうアルツハイマー型認知症を発病しているのです。「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」のどれかのレベルになっている。厚労省の発表数値は、大ボケの人達だけの人数。
加齢が進行する(高齢者になる)につれてこの割合は更に多くなり、70代で30%、80代で50%、90代で75%、100歳代では97%もの人がアルツハイマー型認知症を発病しているのです(様々な種類がある「認知症の発病者」の90%以上が、「アルツハイマー型認知症」)。
※但し、上記は、新型コロナの発生前での推定数値であることに注意して下さい。新型コロナに対する有効な感染回避策としての『三密の回避』策、脳の使い方といての単調な生活習慣が3年間も継続し、発病と重症化が大幅に増加しているのです。従来言われてきた2025年問題に、予測外の上記増加の問題が加わることになるのです。

2.上述のデータから、次の「三つのことが分かる」のです:
①『アルツハイマー型認知症』の発病は、50歳代以下の若い人達には関係がなくて、『第二の人生を送っている60歳代以降の「お年寄り」だけが発病の対象になる』のが特徴なのです=『老年発症』が特徴なのです(加齢に起因した前頭葉の機能低下の進行が基礎要因なので、必ず老年発症となるのです=若年での発症者は、いないことに注意)。
年をとる程発病者の割合が増えていき、身体も限界の100歳代では、殆どの人(97%)が「アルツハイマー型認知症」を発病しているのです(「超100歳高齢者調査」のデータ)。
② アルツハイマー型認知症のお年寄りの年代ごとの割合が、北海道、東北、関東、東海、中部、北陸、近畿、中国、四国、九州と日本のどの地域をとってみても、どこもみな殆ど同じであり、基本的に「地域差が認められない」のです(452の市町村)。
③ 更に、もう1つ重要なデータがあります。その詳細はⅤで説明している、「回復が可能な早期段階である小ボケ及び中ボケの期間と脳の老化のスピード差をもたらす要因」についてのデータの意味。 
極めて多数症例に基づくこのデータは、脳の使い方と言う視点から見た『生活習慣』要因がアルツハイマー型認知症を発病した人達の症状の更なる進行、進行の抑制、又は認知症の症状からの回復と密接な関係があることを示しているのです。
※アルツハイマー型認知症の発病及び重症化が進行する要因は、食べ物(一部の専門家が推奨しているカレー料理や地中海料理)でも、学歴でもない、アミロイドベータとかタウタンパクの蓄積ではなく、「脳の老化」という問題及びナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続という異なる二つの要因の同時存在なのです(相剰効果)。

&6   『アルツハイマー型認知症』の発病(症状の進行)のメカニズム
1.加齢』による「正常老化」が、アルツハイマー型認知症の発病の『第一の要因』であり、脳の使い方としてのナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な日々の暮らし方)の継続による廃用性の異常な機能低下の進行が発病の『第二の要因』であるとエイジングライフ研究所は考えるのです。第一の要因に第二の要因が加重されることに因り、前頭葉を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが、発病及び症状が進行していく原因であると考えるのです。即ち、『アルツハイマー型認知症』は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないのです。
2.それ故、『アルツハイマー型認知症』の症状の進行を抑制したり、症状を治す効能を有する「の開発」は、有り得ない事と主張しているのです(アリセプトも、アデュカヌマブも、レカネマブも、きちんとした評価さえ実施すれば、「治療薬としての効能は無い」ことが確認される筈なのです)。
私たち「二段階方式」(エイジングライフ研究所)の主張内容が正しいことは、北海道から九州まで日本全国の452を数える市町村で展開した「アルツハイマー型認知症」に特化した活動、住民参加型の『地域予防活動』の実践により、疫学的方法により実証)されている。
※「3密の回避」に徹した『生活習慣の継続』による発病者の増加の問題
小ボケの滞留期間は、発病から3年間及び中ボケの滞留期間は2~3年間続くのです。「小ボケ」及び「中ボケ」の段階迄であれば、『脳のリハビリ』の実施により、正常なレベルに回復させること/又は、症状の進行の抑制が可能なのです(「大ボケ」になると最早困難、「介護」が不可欠となります)。

&7脳の機能面から見た『アルツハイマー型認知症』の発病と症状の進行
1.『意識的な世界』(思索や発言や行為や行動面)における「前頭葉」の役割
意識的に/目的的に何等かのテーマを発想し、実行に移す」ことは、三頭建ての馬車を運行していくようなもので、御者なくしては、どんなに立派な馬をつないだところで、馬車は動きようもありません。御者の働きが『前頭葉』の働きだと考えると、分かり易いと思います。
 馬車が動くときいつも、御者が手綱を引いて馬を制御しているように、毎日の具体的な生活の場面で、「意識的に/目的的に何かのテーマを発想し、実行しようとするとき」は、必ず前頭葉が状況を分析し、理解し、状況判断に沿ったテーマを発想し、その実行を計画し、実行のシミュレーションを行い、何をどのようにするかを決定し実行の決断を下し必要な指令を出しているのです。
意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、『前頭葉』が脳全体の司令塔の役割を担っています。『アルツハイマー型認知症』の段階的な症状が発現してくる核心的な原因要因が、『前頭葉』の廃用性の異常な機能低下の進行という要因、『加齢』に起因した機能低下という基盤要因に加重される要因の存在なのです(症状が「記憶障害」に起因して発現すると想定している内容、米国精神医学会が策定した診断規定である『DSM―Ⅳ』の「第一要件」の規定内容は、重大な誤りを犯しているのです)。
※中ボケになると、7個のブロックで作った煙突付きの「2階建ての家」を目の前に置き、それを見ながら、同じ7個のブロックを使用して、目の前の家を再現できなくなるのです。これ1つ見ても、記憶障害が原因で発病するのではいことが分かるのです。この作業は、『注意の分配力』の機能が、「実行機能]を駆使して、見本と再現の両者比較し、実行することが必要となります。
2.『前頭葉』の「実行機能」=Executive Functionと総称される、分析、理解、判断、発想、企画、計画、洞察、推理、シミュレーション、比較、検討、選択、決定、決断、抑制、感動等の個別の認知機能が発揮される為には、意欲、注意の集中力及び『注意の分配力』の機能が関わることが構造的に必要となるのです。⇒「実行機能」の機能の発揮度は、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能に支配され/下支えられているという『機能発揮上の二重構造』の問題が存在しているのです。

&8アルツハイマー型認知症』の発病と症状の進行のメカに関わるデータ
『アルツハイマー型認知症』は、日々の脳の使い方としての生活習慣、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続が発病及び症状の重症化の進行を左右する核心的な要因となるのです。
加齢」に因る正常老化と「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に因る廃用性の異常な機能低下の進行」という「異なる二つの要因」が重なることに因り、その相剰効果で、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させることに起因して発病し、症状の重症化が進行していく「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳全体の機能の衰え方にも明確な特徴があります(事象の事実であり、通説のアミロイドベータ仮説を含む「3つの仮説」の主張は全てが誤りであることの証拠資料でもある)。
その「衰え方の特徴」とは:
① 最高次機能である「前頭葉の働き」が最初に、異常なレベルに衰えていく
次いで高次機能である「左脳と右脳と運動の脳の働き」が、且つその順に異常なレベルに衰えていく
③ MMSEの下位項目には「機能が衰えていく(出来なくなっていく)厳密な順番がある」こと
④ 小ボケ(3年間)及び中ボケ(2~3年間)の『標準的な滞留期間』が存在
従って、『前頭葉』を含む脳全体の機能がどこまで衰えているのか及びその脳の機能レベルでは、どんな症状を特徴的に示すのかを調べることで、『アルツハイマー型認知症』を発病している人の認知症のレベル(「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」)を判定することができるのです。
エイジングライフ研究所が開発した『二段階方式』の手技は、御者の働きをする前頭葉の働き具合を『改訂版かなひろいテスト』で判定し、馬の働きをする左脳と右脳の働き具合を『MMSE』で判定し、両者の機能レベルを個別に及び総合的に判定することにより、『アルツハイマー型認知症』の発病の有無及び重症度を精緻に判定できます。更に、回復が困難で介護するだけの「大ボケ」と回復可能な早期の段階の「小ボケ」と「中ボケ」とを明確に区別して、脳の機能レベル毎に適切な措置が実施できるように工夫されているのです。

&9.単調な「生活習慣」に入っていく「キッカケ」の類型的な事例
人によって日々の生活習慣(脳の使い方としての生活習慣)は異なりますが、大まかに言えば、以下のような状況(「キッカケ」の発生と継続)が起きれば、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に陥る『可能性が高い』と言えるのです。
1.ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が始まる契機となる「キッカケ」
「アルツハイマー型認知症」発病の「第一の要因」である「加齢による脳の老化」という条件は誰にでも共通した条件なのですが、「第二の要因」である「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続による廃用性の異常な機能低下の進行」という条件は、「第二の人生」を送る個々人によって違います。
自分なりのテーマに挑戦する「意欲」を喪失させる「キッカケ」となる生活状況や出来事を分類すると以下の通り。
(1) 生きる意欲を支えてきた「それまでの生活習慣を継続できなくなる」
①趣味も遊びも交友もなく、「仕事一筋の人生」を送ってきた人の定年退職、
②特定の趣味だけが生き甲斐の人が、その趣味を中止せざるを得なくなる、
③親や兄弟、子や孫、友人、ペットなど大事な人や動物との別離やその死亡
(2)「生きる意欲」をなくしてしまう状況の発生に直面し、その状態が継続する
①重い病気や大きな怪我や難聴の進行などの肉体的に困難な状況の継続
②子供の失業や借金問題、孫の不登校等、家庭内に重大な問題が発生し継続
③配偶者や家族の看病や介護に追われるだけの毎日で、自分の時間もなくて、気持ちが沈む毎日の暮らし方
④地震、台風、火事等の被災による大事な財物、住居、家族、友人、仕事、或いは地域の喪失

2.キッカケ』が、どんなものであるかは、重要ではないのです。
『その人』にとっては、そのことが「キッカケになった」という程度の意味でしかないのです。重要なことは、「キッカケ」の発生と継続に因り心が折れて、『本人が意欲を喪失』してしまうことなのです。意欲を喪失した結果、『趣味であれ、人付き合いであれ、運動であれ、何等かの地域や社会活動への参加であれ、何事に対しても、挑戦しようとしなくなって行った』ことが、「脳の使い方」としての意味で言う『生活習慣』の根本的で顕著な変化となり、且つ、そのことに起因して『廃用性の異常な機能低下が進行の事実』の確認作業が、極めて重要となるのです。
キッカケ発生後の生活状況の変化により、その人の脳の使い方としての生活習慣がどのように変わったかが、極めて重要なのです。キッカケの発生と継続を契機に喜びや楽しみの基礎となっていた生活が無くなり、日々の営みに対し、意欲を喪失した結果、前頭葉(注意の分配力/実行機能)の出番が極端に少ない単調な生活習慣が継続され、『前頭葉』が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになるのです。
脳の使い方としての「生活習慣」と言う視点からその人の生活を具体的に振り返り、何を「キッカケ」に意欲を喪失し、単調な生活習慣に変わり、『前頭葉』の出番が極端に少ない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続した実態を具体的に確認することが重要不可欠の作業。

&10   症状の継続期間と「脳の老化のスピード差」をもたらす『生活要因』
キッカケ」が起き/その状況が継続して心が折れて、意欲を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が開始され継続されていく中で、半年から1年の経過で発病します。発病から3年の期間が『小ボケ』の標準的な滞留期間、次いで、『中ボケ』の期間が2~3年となります。即ち、発病から5~6年経つと、『大ボケ』になる」が大原則です。この『標準的な滞留期間』に適合しないケースは、プラス要因とマイナス要因の質と量とが脳に働いて、「アルツハイマー型認知症」の症状の更なる進行や回復に影響を与えているのです(『脳の老化のスピード差を生む生活習慣の要因』)。
  
 
&11『アルツハイマー型認知症』の発病者の脳機能の衰え方とその特徴
1.脳の機能低下の「4つの特徴」
アルツハイマー型認知症は、「加齢による正常老化」と「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の異常な機能低下」という、異なる二つの要因が重なることにより、その相剰効果としての「廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行」により、『前頭葉』を含む脳全体の機能が衰えていく際に、「4つの特徴」が確認できるのです:
最初に、『前頭葉』だけが、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行する(「小ボケ」);
次いで、前頭葉の機能低下の進行の継続と同時並行して、左脳と右脳と運動の脳も、その順番に廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していく(「中ボケ」);
③ 前頭葉並びに左脳及び右脳と運動の脳の廃用性の加速度的で異常な機能の低下が同時に並行して進行し、身体が持つ間、機能低下が更に進んでいく(「大ボケ」);
④ MMSEで判定される下位項目は、衰えていく「厳密な順番」が認められる
MMSEで判定する下位項目の機能低下の『厳密な規則性』の内容
(1)  MMSEテストを実施した場合に確認される『下位項目の低下順』の規則性
次に示すのは、「MMSEで測定される高次機能には、衰えていく順番が認められる」という「衰え方の順番の厳密な規則性」が存在することなのです(全国から来院された14689人の発病患者の解析結果=事象の事実)。
※これだけ精緻で多数の『脳機能データ』は、世界中のどこにも無いのです。
(2)この脳機能データの意味するところは、『脳の老化』が加速されたアルツハイマー型認知症の場合は(且つ、その場合に限り)、MMSEで判定される下位項目がこの項目の順番に衰えていく(出来なくなっていく)という厳密な規則性が認められるのです(アミロイドベータの蓄積とは、無関係!)。
(3)「想起」、「計算」、「三段階口頭命令(机上のみ)」から出来なくなっていくのは、この3つの項目の処理には、「注意の分配力の機能」の発揮が高度に必要となる為。
(4)上記順番と異なる時「アルツハイマー型認知症」の発病ではないのです。
⇒ アルツハイマー型認知症であれば(且つ、その場合に限り)、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、図形の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順番に出来なくなっていきます(衰え方の『厳密な規則性』となります)。
(5) MMSEの換算後の総得点が高いのに、減点を構成する項目が、本来であれば項目困難度が極めて低い項目で構成されるケースの場合があります。この場合は、アルツハイマー型認知症ではなくて、失語症や神経症を疑います。
この衰えていく順番は、①「アルツハイマー型認知症」であるか否かの鑑別、②「アルツハイマー型認知症」と紛らわしい他の種類の認知症、③認知症と紛らわしい他の病気との鑑別に際して、『極めて精緻な鑑別を可能とする客観的な指標』となるのです。


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