認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

# 認知症 権威の誤りと問題点の全て 発病原因、症状を治す方法、発病の予防(G-13)

2022-12-01 | この先一週間-脳の活性化と私なりのテーマ
&1 アルツハイマー型認知症の発病原因と学説の問題点
Ⅰ.アルツハイマー型認知症の「発病者数」
  1. アルツハイマー型認知症が認知症全体に占める割合
(1) 脳血管性認知症について、認知症全体の20%を占めるとされるのですが、
脳梗塞や脳出血の既往が認められると、脳血管性認知症と診断しているケースが多く確認されるのです。「脳血管の障害」とその直接の結果である「認知症の症状」との間の因果関係について、厳密に確認して診断される場合の正確な数値を挙げると、全体に占める割合は5%程度にしかならないのです。
脳梗塞や脳出血が発生したことをキッカケとして、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続されて数年が経過することにより、重度の記憶障害の症状が確認されるようになるものは、アルツハイマー型認知症です。
(2) アルツハイマー型認知症は、重度の記憶障害の症状及び失語、失認、又は失行紛いの症状が確認されて初めて発病とする診断が横行し、二段階方式の区分で言う末期の段階大ボケの段階の症状が確認されて初めて、発病と診断していて、「早期の段階」である「小ボケ」と「中ボケ」の段階の発病者が見落とされ、発病者数にカウントされていないのです。
(3)実態は、『アルツハイマー型認知症』が認知症全体に占める割合は、90%以上となります(日頃目にしたり、耳にする認知症の大半が「アルツハイマー型認知症」ということ)。
2.九州大学の久山町調査及び筑波大学の研究報告の問題点
(1)上記データの内容及び数値には、上記1の(1)、(2)、(3)の問題点が反映されていないのです。
(2) その結果、アルツハイマー型認知症の発病者数だけで、上記数値をはるかに上回ることになることが、権威とされる人達にも認識されていないのです。
Ⅱ.世界中の権威達(機関や個人)の間では、アルツハイマー型認知症は、①発病の原因が分からないし、②一旦発病すると、治すことが出来ないタイプの認知症であると誤解されている。
1.肝心の「アルツハイマー型認知症」の発病原因について、各種「仮説」が、発病との間の因果関係の実証が未だに為されない儘に提示されているのです。
(1) 世界的に通説の地位(支持する学者の数が一番多いという意味)を維持しているのが「アミロイドベータ仮説」であり、我が国でも通説。
(2) その対抗馬として有力な少数説が、「タウタンパク仮説」。
(3) 更に、異説であるアセチルコリン仮説、脳の萎縮仮説等。
(4) 仮説という扱いを医学会で受けているのは、発病の原因と主張している原因内容とアルツハイマー型認知症の発病との間の因果関係の存在について、未だに実証出来ていないという意味(憶測の類に過ぎないのです)。
2.それらの「仮説」は、基本的には、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM-Ⅳ」の第一要件が規定し、確認を要求している発病原因、『記憶の障害』に起因して発病するとの規定内容を、正しいものとして受け入れた(前提とした)仮説であることに注意が必要。
更には、「DSM-Ⅳ」の第二要件が規定する失語や失認や失行紛いの症状が初期症状であると規定していることも、そのまま受け入れている。
(1) 各仮説に共通している条件は、アルツハイマー型認知症を発病して、重度の記憶障害の症状が確認されていて、失語や失認や失行紛いの症状(11の下位項目により構成されていて、30点が満点であるMMSEの総得点が一桁となる段階、末期の段階の大ボケの後半になって初めて発現が確認されることになる極めて重度の症状)が確認されていた発病者(高齢者)達の、死後の脳の解剖所見に共通して確認されるものであるアミロイドベータの蓄積(老人斑)、タウ蛋白の沈着(神経原線維変化)、脳の顕著な萎縮、その他、アセチルコリンの不足等が、記憶障害を惹き起こす要因であると(想定)して、「発病のメカニズム」を構想し、主張しているだけ。
(2) 通説であり世界中の学者や医師や研究者をミスリードしているアミロイドベータ仮説は、「アミロイドベータの蓄積に因る老人斑がもつ毒性」が、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こし、その範囲や対象が、拡大されることに因って、「記憶障害が惹き起こされる」ことが原因で、アルツハイマー型認知症を発病することになると主張する仮説。
(3) 実は、「DSM—Ⅳ」の「第一要件」の規定内容も、「第二要件」の規定内容も、両者ともに極めて重大な誤りの内容。
3.「発病の原因」については、原因が不明であるとされて、本態を神経変性疾患と誤解した仮説が提示されただけの状態で、極めて重度の記憶障害の症状の確認並びに失語、失認、失行(紛い)の症状、極めて重度の症状が確認されて初めて発病との診断が常態化してきた為に、川上対策である「発病自体の予防、早期診断と早期治療による回復」に我が国の専門家たちの目が向けられなくて、「政府大綱」による「介護の予防措置」しか、制度化されていない。
.アルツハイマー型認知症(若年発症型/老年発症型)、アルツハイマー病の区分けが重大な間違いであることの問題提起:
1.「アルツハイマー病」とは、生まれつき「特定の遺伝子に異常が存在している」人達だけを対象として、発病してくるものであり、若年での発症並びに症状の進行が極めて急速であること及び発病の予防、症状の回復、症状の進行の抑制について、現代の医学では対策の方法が全く存していない認知症なのであり、アルツハイマー博士が世界で初めてその存在を発見したものを言います。
2.「アルツハイマー型認知症」は、&4で詳細を説明するように、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者だけを対象にして発病するものであり、老年発症が特徴であり、その本態は、「廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病」であって、早期診断と早期治療に因り、症状を治すことが出来るし、症状の更なる重症化の進行を抑制することが出来るタイプの認知症なのです。もっと重要な特徴は、発病自体の「予防が可能」であること。
※我が国では認知症の研究や診断が専門の人達の間でも、アルツハイマー病と
アルツハイマー型認知症をまとめて、アルツハイマー病と呼ぶ人たちが極めて多いので注意して下さい(両者は、全く異なるタイプの認知症)。
3.専門家達の誤りが背景にあって、社会活動が拡大してきている、更にもう
一つの問題として、「若年性アルツハイマー型認知症」の問題があります。
結論から言うと、若年性アルツハイマー型認知症は、この世に存在していない架空の病気であり、医師が「側頭葉性健忘症」を誤診しているだけ。
  1. 側頭葉性健忘症は、海馬の萎縮が確認され並びに「脳の変性や障害が原因」で起きてくる「重度の記銘力障害」に起因した、重度の記憶障害の症状が確認されるのですが、『前頭葉』の機能レベルが正常であることが特徴。発病する年齢は、30~50歳代という若年発症、働き盛りの年齢で発病してくるのがもう一つの特徴(症例数は減るが、老年での発症もある)。
  2. 記憶は、記銘し、保持して、想起するものである為に、重度の記銘力障害
があると、想起することが出来難くなる。
  1. ところが、側頭葉性健忘症の発病者である場合は、重度の記銘力障害に起因した極めて重度の「記憶力障害」(脳の変性による記銘力障害)の症状が確認されるものの、『前頭葉』の機能が正常なレベルに在るのが特徴。
  2. これに対し、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」であるに過ぎない「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている前頭葉の機能が真っ先に異常なレベルに衰えていくのが特徴なのであり(前頭葉、左脳、右脳、運動の脳の順番に、異常なレベルに機能低下が進行して行く)、重度の記憶障害の症状(想起する機能が真っ先に衰えていき、記銘する機能は、MMSEの総得点が10点を切るときから、急速に衰えていくのが特徴)が確認される「アルツハイマー型認知症」の発病者であれば(大ボケの段階)、自分に起きてきている症状の認識が出来ないし、自分が置かれている困難な生活実態を説明するなど到底できないのです。他方で、重度の記憶障害(重度の記銘力障害が原因)の症状が顕著であろうとも、前頭葉の機能が正常な機能レベルに在る側頭葉性健忘症の発病者であれば、自分に起きている症状の認識があり、置かれている状況の把握と理解が出来ていて、生活面で起きてきている種々の困難を、的確に言葉で説明できるのです。
※両者の差異を知らない為に混同していて、アルツハイマー型認知症の発病者
であっても(発病者とされている人達は、小ボケや中ボケではなくて、末期の段階である大ボケであることに注意)、自分に起きている様々な生活面での支障について十分な理解が出来ているものと誤解しているのです。私たちの脳機能データに因れば、「中ボケ」の段階で既に、自分に起きている生活上の様々な支障の認識が出来ないのです(認知症カフェはそのことに無知)。

&2 脳機能データが示す『アルツハイマー型認知症』の特徴
Ⅰ.廃用性の機能低下が加重された「前頭葉を含む脳全体の老化曲線」
 「二段階方式」が規定する『アルツハイマー型認知症』発病の第一要件の加齢に起因した「正常老化」の機能低下に、第二要件の「第二の人生」を送る上で展開され、キッケケの発生と継続を契機に、心が折れてしまい、意欲を喪失して開始されたナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した「廃用性の異常な機能低下」と言う要因が加わることに因り、加速度的で異常な機能低下が進行して行く曲線へと変化してくることが分かる。
※両データ共に、「かなひろいテスト」と「MMSE」を同時に実施している。
 (14689例)  ⇔ (熊地区での全数調査)
※何年もかけて緩やかに機能低下が進行していた前頭葉の正常老化の進行が、
キッカケを契機に開始されたナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続されることにより、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことを示しています。更に、右図から明確に読み取れるように、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能(三頭立ての馬車の御者=かなひろいテストの実施結果)が異常なレベルに衰えてきた時、馬のレベル(MMSEの実施結果=左脳と右脳の機能レベル)は、「三つの段階」に区分されることが分かるのです。
※権威とされる人達は、末期の段階(大ボケ)にしか関心が向いていなくて、前頭葉の機能レベルに言及がなく、中核症状と周辺症状とに区分することで満足している。
  1. 二段階方式が、同時に実施した前頭葉の機能テスト(かなひろいテスト)並びに左脳と右脳の機能テスト(MMSEテスト)のテスト結果をプロットで(横軸にかなひろいテストの結果を、縦軸にMMSEのテスト結果を表示している)、図示化し表現したもの。
  2. ①「加齢」に起因した機能低下の進行(正常な老化の進行)という要因に②単調な生活習慣の継続に起因した廃用性異常な機能低下の進行という要因が加重された結果としての③廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行のカーブを示しています。
(3)上掲左の図(14689例)の分かりやすい表示が、全数調査の上掲右の図。
①加齢という要因に起因して正常老化の曲線を描いて緩やかな機能低下が進行していた正常老化の曲線が、②ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に因り廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行のカーブを描いていくことが、明確な形で読み取れるのが特徴(脳の解剖所見では、分からない事実)。
二段階方式の手技では、意識的な世界、目的的な世界では、①自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断し、②状況判断に沿った実行テーマを発想し、③テーマの実行の内容及び仕方を企画し、計画し、④実行結果を洞察し推理し、シミュレーションし、⑤シミュレーション結果を比較し、⑥最終的な実行内容を選択し、⑦実行の決断をして、⑧実行の指令を脳の各部に出すという『前頭葉の関わり』を解析しています。意識的な世界(目的的な世界)は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車を運行する世界であり、馬車の運行を支配し管理しているのが御者、即ち、『意識的な世界』での脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』という訳です。
アルツハイマー型認知症の発病及び重症化の進行を惹き起こすのは、①権威が主張している記憶障害が原因ではなく、②実行機能(上記赤字で例示した機能の総称)の機能の発揮度を左右し、下支えている『前頭葉の三本柱』の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の総称)について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行することを(基盤)にして、評価の物差し(意識の首座=自我)と実行機能が、総体としては、複合機能体である『前頭葉』の機能が異常なレベルに機能低下が進行していくことの直接の反映(アウトプット)が、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「三段階に区分される症状」として発現してくるということ。
※1上図に見るように、それまで「正常なレベル」を保ち続けていた『前頭葉』の機能レベルが異常値を示してくると、「左脳と右脳」の機能レベルは、「3つの段階」に区分される(極めて重要な区分):
その3つの段階とは、『前頭葉』の機能レベルだけが異常値で在って、左脳と右脳は正常値(24点以上)である段階(軽度認知症:小ボケ)、「前頭葉」の機能レベルが異常値で在って、左脳と右脳も中等度の異常値(23点以下、15点以上)である段階(中等度認知症:中ボケ)及び「前頭葉」の機能レベルが異常値で在って、左脳と右脳も重度の異常値(14点以下)である段階(重度認知症:大ボケ)の「3つの段階」に区分されるのです。
⇔「小ボケ」の段階は、社会生活面での支障が起きてきて、「中ボケ」の段階になると、家庭生活面にも支障が出てきて、「大ボケ」の段階になると、セルフケアの面にも支障が出てきて、「介護」が不可欠となってくるのです。
※2小ボケ、中ボケ、大ボケについては、多数の症例群の中から、「類型的な症状の事例」として、各段階毎に特有な各10例の症状を抽出し、『30項目問診票』として定型化し指標化して、『生活実態』の把握と確認をしています。
猶、「DSM-Ⅳ」が第二要件で、発病の初期症状として例示する失語、失認、失行紛いの症状は、『極めて重度の症状』であることに注意が必要。加えて、第一要件が、記憶障害の症状の確認を要求していることから、即ち、第一の要件と第二の要件の充足が要求されている為、記憶障害については、極めて重度の物忘れの症状の確認が要求されていることとなり、更には、失語、失認、失行紛いの症状、若しくは、それ等よりも更に重い症状の確認でもって、「アルツハイマー型認知症」の発病と診断する、「重大な誤りが内包されている」のです(医療現場での診断)。
⇔ その上、医療の現場では、治療の効能を有していない薬、単なる対症療法薬(アリセプトを含む4種の薬)が、『場合によって、症状の進行が或る程度抑制されることが期待できる』などの説明に因り、処方されているのです。  
我が国の医学会も、その誤りに気付かないでいて、「DSM-Ⅳ」の第一要件の規定内容、第二要件の規定内容を未だに信望していて、更には、世界的に通説の地位にある『アミロイドベータ仮説』を未だに支持していて、極めて主観的で曖昧な基準である「MCIの基準」を活用している人達が多いのです。
(4)以下は、『MCI(軽度認知障害)』という基準が抱える問題点のこと:
この基準は、『MCIの基準に該当するお年寄りは、アルツハイマー型認知症の発病の前駆的状態に在る』と説明する。ところが、この基準は、①本人が申告する物忘れの症状と、②家族が申告する本人の物忘れの症状及び③診断する医師が確認する物忘れの症状という、『外観から観測しただけの極めて重度の物忘れの症状だけ』を判定の対象としていて、客観的な基準が全く存在していない、極めて主観的で、根拠データも極めて曖昧な基準。
※1認知機能の障害を問題とする病気の判定に際して、意識的な世界に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉の機能レベル」(正常であるか、異常であるか)の判定が、全くなされていないのが、「アルツハイマー型認知症」の判定の世界的な特殊性。
※2その結果、本当の意味での早期の段階、「脳のリハビリ」(前頭葉を含む脳全体が活性化する生活習慣への改善と継続的な実践)により、正常な機能レベルに回復させる(アルツハイマー型認知症の症状が消滅し、治る)ことが可能である(治せなかったケースでも、少なくとも、症状の更なる重症化の進行を抑制することが出来る)、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が見落とされているのです(専門の医師は、「末期の段階」である「大ボケ」の段階で発病を見つけているだけなのです=「発病のレッテル貼り」の不条理な診断)。
※3 前頭葉の機能レベルの精緻な判定を含む、脳全体の機能レベルの客観的な判定と評価に因り、発病してくる症状を「三段階に区分」する意味は、『脳のリハビリ』の実践を指導する上で、以下の重要な意味があるからです。
私たち「二段階方式」では、以下の区分に従い、「脳のリハビリ」(『前頭葉』が活性化する「生活習慣」の構築)の実践の指導を行います。
  • 小ボケ「脳のリハビリ」の実践により症状の回復/症状の進行の抑制が、可能な段階
  • 中ボケ「脳のリハビリ」の実践により症状の進行の抑制が、未だ可能な段階
  • 大ボケ「脳のリハビリ」の実践により症状の進行の抑制さえも、最早困難な段階
⇒ 小ボケの段階は、「意識的な世界」(目的的な世界)における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常な機能レベルに在って、手足の役割である左脳及び右脳の機能は未だ正常な機能レベルに在るのです。中ボケの段階は、左脳も右脳も異常な機能レベルに在って、前頭葉を含む脳全体の機能が異常なレベルに在るのです。大ボケの段階は、「前頭葉」を含む脳全体の機能が「中ボケ」の段階よりさらに異常なレベルに機能低下が進んできて、「実行機能」の機能の発揮度を左右している『注意の分配力』の機能が、殆ど働かなくなってきているのです。「DSM-Ⅳ」の第二要件の規定が、アルツハイマー型認知症発病の初期症状として例示する失語、失認、失行(紛いの症状は、記憶障害が進んだこと(アミロイドドベータの蓄積による老人斑の沈着が神経細胞の大量死を惹き起こした領域が拡大)により発現してきているのではなく、真の原因は、注意の分配力の機能が殆ど働かないことに因る実行機能の行使が出来ないこと、『前頭葉』を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因して、脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現してくるのです。
Ⅱ.『MMSE下位項目の項目困難度』の脳機能データ
(1) これは、「二段階方式」のテスト(前頭葉の機能レベルを精緻に判定できる神経心理機能テストである「かなひろいテスト」及び左脳と右脳の機能レベルを判定できるMMSE)を同時に実施して、アルツハイマー型認知症の発病者であることが確定された高齢者、14689人分の脳機能データの解析結果である『MMSE下位項目の項目困難度』の分布図です(半数が満点を取る推移グラフ)。
この「脳機能データ」は、『アルツハイマー型認知症』が、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」なのであり、アルツハイマー型認知症の症状が、記憶障害に起因して発現すると規定している『DSM-Ⅳ』の第一要件の規定内容が誤りであり並びに、『第一要件の規定内容が正しいものとの前提に立脚して、主張内容が構築されている』種々の仮説、『アミロイドベータ仮説』を筆頭とする「4つの仮説」の主張内容が誤りであることの客観的な証拠資料(事象事実)なのです(老人斑が持つ毒性に因り、神経細胞の大量死が引き起こされ発病するとの仮説では、項目困難度の順番が存在している『事象の事実データ』を説明出来ない=アミリ度β仮説は誤り)。
(2) 項目困難度の順番は、次の通り(困難度が高い順に並べてあります)。
    想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、
  模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名
(3) MMSEの実施結果が、この項目困難度の順番の通りでないケースは、アルツハイマー型認知症の発病者ではないこととなります(アルツハイマー型認知症の発病者である場合は、且つ、その場合に限り、必ずこの順番の通りに出来なくなっていくのです)。
(4) MMSEの換算後の総得点が高いのに、減点を構成する項目が、本来であれば項目困難度が極めて低い項目で構成されるケースの場合があります。
この場合は、アルツハイマー型認知症でなくて、失語症や神経症を疑います。
⇒ この衰えていく順番の指標は、「アルツハイマー型認知症」であるか否かの鑑別、「アルツハイマー型認知症」と紛らわしい他の種類の認知症、認知症と紛らわしい他の病気との鑑別に際して、『極めて精緻な鑑別を可能とする客観的な指標』となるのです。
⇒「二段階方式」では、この「MMSE下位項目の低下順」が持つ『厳密な規則性』に着目して、①アルツハイマー型認知症の発病及び症状の段階区分の判定の説明を目的とした『個別事例判定マニュアルB』及び②アルツハイマー型認知症以外の認知症及び認知症と紛らわしい病気の判定の説明を目的とした『個別事例判定マニュアルC』を著作し、導入市町村に配布。
Ⅲ.「脳の老化のスピード差」をもたらす生活習慣の要因
1.「キッカケ」を契機に心が折れて意欲を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が始まり半年もすると、アルツハイマー型認知症を発病するのが通例なのです。アルツハイマー型認知症を発病してから、3年間が小ボケの期間、4~5年目が中ボケの期間、5~6年経つと大ボケになるが大原則(標準的な滞留期間):
この基準に適合しないケースは、次ページに提示するプラス要因とマイナス要因が脳に働いた影響によって、症状の更なる進行や症状の回復の結果をもたらすのです(アデュカヌマブやレカネマブの評価は、この視点が欠けている)。
※1) 日々の生活場面では、前頭葉の出番が増え、活性化するような楽しい生活の要因があると、楽しい生活の質と量にリンクして前頭葉の出番が増え働きが回復してくる為、認知症の進行が遅くなり、進行が止まり、或いは、回復の方向に向かうのです(進行を抑制する効果)。
※2)逆に、前頭葉の出番が減り、不活性化するような辛く苦しい状況下での生活の要因が重なると、辛く苦しい生活の質と量とにリンクし前頭葉の出番が減り働きの衰えが進行するので、重症化が速く進んでいくことになる。
※3) 『アルツハイマー型認知症』は、第二の人生を送る上での、脳の使い方としての「生活習慣病」なのです。
⇔ 世界中の専門家(機関)は、末期の段階で発現してくる「重度の記憶障害の症状」や徘徊や不潔行為や、夜中に騒ぐなどの症状ばかりに関心が向いていて、器質的な原因病変による記憶障害という要因が、発病を惹き起こすと誤解している為、第二の人生を送る上で日々繰り返される脳の使い方としての生活習慣の在り方に起因した廃用性の機能低下の進行という要因に関心が向いていないのです(老年発症の原因にも気づかないで、憶測ばかりしている)。

&3  発病者の『症状の進行』の特徴
(1)「小ボケ」の類型的症状の10項目(「かなひろいテスト」に不合格=「前頭葉」の機能が異常なレベルが前提となります)。
①三つ以上の用事を、同時に並行して処理できなくなる(注意の分配力の機能が異常なレベルに衰えてきたため、いろいろな場面で、物事をテキパキと処理できなくなる。車を運転している際に、注意の分配力が十分には発揮できない機能レベルに在る為、小さな事故を、しばしば起こすようになってくる。後続車を何台も従えていることにも注意が回せなくて、道路の真ん中よりを時速30キロ程で、ノロノロ運転するようになる。)
②一日や一週間の計画が立てられなくて、どんなテーマをどのように実行したら良いのか思いつかない(注意の分配力の機能が異常なレベルにあるため、実行機能を駆使して発想、洞察、推理、シミュレーションすることが出来難くなる)
③何かをやりかけても、中途半端で、根気が続かなくなってくる(テレビを見ていても、根気が続かず、やたらとチャンネルを変える)
④問いかけに対する反応が遅くなって、動作がもたもたしてくる
⑤発想力が乏しくなり、料理の内容や行動内容が画一的になる(同じ料理用の材料を重ねて買ってきて、冷蔵庫の中にたまる)
⑥本人は気づかないで、同じことを何度も繰り返し話したり、尋ねたりする(注意の分配力の機能が異常なレベルに在るため、自分が話した内容の記銘度が低いので、ついさっき話したことを忘れている)
⑦何か、何事かに対して、生き甲斐を覚えている雰囲気が無くなってくる(注意の分配力の機能が異常なレベルに在るため、評価の物差しが十分には働かない結果、それまでなら覚えていた生き甲斐を感じられなくなる)
⑧何かをするでもなく、ぼんやりして過ごしていることが多くなり、やたらと居眠りするようになる(注意の分配力の機能が異常なレベルに在るため、実行機能の一要素である「実行テーマ」を発想する機能が発揮できなくなる)
⑨思い込みや思い違いが多くなり、相手の意見を聞き入れられなくなる(実行機能の一要素である抑制する力が異常なレベルに衰えたせい)
⑩眼の光がどんよりとして無表情、何事にも感動しなくなる
(2)『中ボケ』の類型的症状の10項目(推定される順番に並べ替え)
⑪何度教えても日付があやふやになる(今日が何日なのかが、あやふや)
⑫簡単な計算も嫌になり、買い物で小銭がやたらと貯まるようになる
⑬料理が上手くできなくなって、味付けが塩辛すぎるようになる
⑭ガス、電気の消し忘れ、水道の蛇口の閉め忘れが目立つようになる
⑮2~3種類の薬の服薬管理が出来なくなり、家族が管理する必要がある
⑯外出を嫌がるようになり、日常の身だしなみにも無頓着になる(行き慣れた場所に行くにも、道を間違えたり、乗るバスを間違える)
⑰今まで出来ていた、家庭内の簡単な用事(洗濯、掃除、片付け)も出来ない
⑱季節や目的にあった服を選べなくなる(日、年、月、季節、昼夜の順に衰えて行く「時の見当識」が衰えてきて、季節の感覚が分からなくなる)
⑲昨日の出来事をすっかり忘れてしまう
⑳お金や持ち物のしまい場所を忘れ、誰かに盗まれたと騒ぐようになる
(3)「大ボケ」の類型的症状の10項目(推定される順番に並べ替え)
㉑しばしば、自宅の方向が分からなくなる(所の見当識が働かなくなってきている為に、結果として、徘徊することになる)
㉒ 服を一人では正しく着られず、上着に足を通したりする(着衣失行)
㉓ 同居の家族の名前や関係が分からなくなる(人の見当識もなくなる)
㉔ 田んぼに行く、会社に行くとか言い、夜中に騒ぐようになる
㉕ 大小便を失敗し、後の処置が上手くできない
㉖ 汚れた下着を、そのまま平気で来ている
㉗ 独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ
㉘ 風呂に入ることを嫌がるようになる
㉙ 食事をしたことを直ぐに忘れる
㉚ 誰もいないのに、『人が居る』と言ったりする
※1 上記に提示した小ボケ、中ボケ、大ボケの三段階に区分された類型的症状を注意して読んでみてください。これらの段階的で類型的な症状は、「前頭葉」を含む『脳全体の機能レベル』(二段階方式は、厳格な定義を有しています)に厳密にリンクした症状なのです。「記憶障害」に起因して、発現してきたものではないことを理解できるでしょうか。
※2ここに挙げてある症状は、全て、「アルツハイマー型認知症」の発病患者に確認される類型的な症状について、軽い症状の順番に並べたもの(現行の30項目問診票の順番を入れ替えたもの)です。専門家達は、失語や失認や失行(紛い)の症状が初期症状であると誤解していて、上記の内の末期の段階の後半の症状(極めて重度の症状)を発病の初期症状と誤解しているのです。
「小ボケ」や「中ボケ」の段階があることにさえも気づいていないので、重度の物忘れの症状の主観的な観察に基づいただけのMCI (軽度認知障害)とかの極めてあいまいで主観的な内容の基準の該当者とされるお年寄り達(=「極めて重度の物忘れの症状」の発現者)について、「アルツハイマー型認知症」発病の前駆的状態に在るとかの説明が行われているのです。加えて、失語、失認、失行(紛い)の症状が確認されて初めて、アルツハイマー型認知症の発病だと主張しているのです(川下しか見ていない大間違いの主張)。
※3 アリセプト(アセチルコリン仮説の考え方に立脚して開発された)、アデュカヌマブ、レカネマブ(両者共に、アミロイドベータ仮説に立脚して開発された)は、日本の製薬会社であるエーザイが、アルツハイマー型認知症の治療薬として、仮説の儘で開発したもの。フランスでは、アリセプトは、治療の効能は無くて、単なる対症療法薬でしかない(症状の発現の仕方や程度を抑制したり、昂進させるだけの効能しか有していないもの)ことが確定しているのですが、アデュカヌマブとレカネマブについても、治療の効能を有していないことが確定されることになる筈です。
※4アデュカヌマブとレカネマブについて、アミロイドベータの蓄積を阻害する効果が確認されても、アミロイドベータの蓄積とアルツハイマー型認知症の発病との間に因果関係が存在していないのであり、アミロイドドベータの蓄積を阻害する効能を有していても、そのことが、「アルツハイマー型認知症」の症状の進行を抑制する効能を有することには繋がらないのです(因果関係の有無の評価の仕方が杜撰)。
「脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣要因」の影響を排除しない儘に、杜撰な評価をしているだけなのです。
※5 「脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣要因」の存在は、事象の事実なのであり、当該影響を排除しない評価は、当該薬の服用に因る効能の有無の判定結果が無意味なのです(効能の客観的な根拠データとはならない)。

&4  『アルツハイマー型認知症』の正体
Ⅰ.アルツハイマー型認知症の発病、症状の重症化が進行するメカニズム
(1) 私たち「二段階方式」は、人間だけに特有な世界である意識的な世界に
目を向けて、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の『御者』、「脳全体の司令塔」の役割を担っている『前頭葉』(前頭前野に局在している「前頭葉の三本柱」の機能」、「評価の物差し」の機能及び「実行機能」の総合体を総称して言う)に的を絞り、「前頭葉」の個別認知機能群である「実行機能」(Executive Function)の働き具合(機能の発揮度)を左右し/下支えている「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』の機能(重層的、且つ複層して存在している複数で多数の意識を構築し、統合し、統括し、コントロールする要となる機能であり、更には、異なる複数の「テーマ」を同時に並行して処理する上で、不可欠の機能)に焦点を定めて、『私たちが「意識的」に何かのテーマを発想し、実行しようとする際に起きてくる様々な症状』が発現してくるメカニズム(発病の原因)の解明を主眼としてきたのです。
最も精緻に、調べ上げたのは、正常下限から小ボケの症状が発現してくる境界域及び『脳のリハビリ』の実践の効果が期待できる中ボケの段階(前期と後期に区分)迄の本当の意味での早期の段階に注力して、「二段階方式」の手技を活用して、「脳機能データ」を集積し、解析してきたのです(客観性)。
(2) 私たち独自の主張である『二段階方式』の考え方は、北海道から九州に
跨る452の市町村で、アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の『地域予防活動』という先駆的な活動の実践の成果によって、『主張内容が正しいことを疫学的に証明』し、『顕著な成果』を挙げていたのです(1995年から2012年頃まで)。
※1 世界中の認知症研究の専門家達から、発病の原因が不明と言われている「アルツハイマー型認知症」は、『三頭立ての馬車』の御者である『前頭葉』の機能が最初に異常なレベルに衰えてくることから発病するのです。端的に指摘すると、『アルツハイマー型認知症は、私たち人間だけに特有な意識が関わる』認知症なのです。意識の機能構造、実行機能の機能発揮を下支えている注意の分配力の機能との関係(機能発揮上の二重構造)、「意識の質感」(クオリア=記銘度の差異)を発現させる評価の物差しの機能、記憶の倉庫と注意の分配力の機能の関与の度合いなど(マウスとは無関係の世界)、症状が発現してくるメカニズムを解明する上で、肝心要の「研究対象領域」となるのです。
私たちの、区分で言う小ボケの段階では、左脳も右脳も運動の脳もそれら全てが未だ正常な機能レベルに在る状態下で、『前頭葉』の機能だけが、異常な機能レベルに衰えてきているのです。この事象事実一つを例にとっても、『4つの仮説』の主張内容が全て誤りであり、「憶測の類」だと指摘できるのです。
※2『仕事』とは無縁の日々となる『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』だけを発病対象として、アルツハイマー型認知症が発病してくるのです。「第一の人生」での「仕事」に相当するような、何等かの追及している自分なりの「テーマ」が無い暮らし方の高齢者が対象となるのです。
その「テーマ」を実行する上での「目標」があり、目標を達成する為に様々な創意、工夫が行われ、目標を達成する過程で、或いは、目標の達成自体により、自分なりに喜びや生き甲斐を覚える機会を持てている暮らし方、「脳の使い方」としての生活習慣が、発病しない(発病時期を先送り)為に求められるのです。
上記に提示した内容が、『アルツハイマー型認知症』を発病するか/否かを決定づける核心的な条件なのです。条件=『脳の使い方としての生活習慣の在り方』が決定的な条件となるのです。私たちが規定する発病の第二の要因は、『追及する自分なりの特別のテーマがなく、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な日々の暮らし方の継続』なのであり、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続、即ち、『脳の使い方』としての単調な「生活習慣」の継続という要因こそが、『発病を決定づけている、唯一で真の、リスク因子』なのです(「食生活」とは無関係)。
※3『アルツハイマー型認知症』を発病することになるか/ならないか、『それを区分ける唯一の要因』は、『仕事』とは無縁となる第二の人生での「生き方」が問われることになるということなのです。『第二の人生』は、全てが下り坂なのです。身体も脳も下り坂。経済的な条件も下り坂。そうした環境に、抗っても無駄なのです。そうした条件を受け入れた上で、自分なりの『テーマ』を見つけて、自分なりの『目標』を設定して、自分なりに創意・工夫して、『自分なりの役割を見つけることが出来て』、そうした日々の暮らし方に因り、『第二の人生を楽しむことが出来て、喜びや生き甲斐が得られるような、自分なりの生活習慣』を構築し、継続して実践することが、『アルツハイマー型認知症』の発病の予防に不可欠の条件となるのです。食生活の在り方ではなくて、脳の使い方としての『生活習慣の在り方』が問われることになるのです。周りから、「カクシャク老人」と認められている高齢者の脳の使い方としての『生活習慣』(暮らし方、生き方)が、「一つの指針」となるのです。
(3)私たちが規定する『異なる二つの要因』(①加齢に起因した正常な機能低下の進行及び②ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行)が同時に存在し充足されることに因り、異なる二つの要因の同時存在に因る『相剰効果』に因り、『前頭葉を含む脳全体の機能』が、廃用性加速度的異常な機能低下を進行させていくことが唯一の原因となり、『アルツハイマー型認知症』を発病し、更には、症状が進行していくことになるのです(疫学的方法によりに実証済み)。「4つの仮説」が想定するような、アミロイドベータの蓄積も、タウタンパクの蓄積も脳の萎縮の進行もアセチルコリンの不足も、「アルツハイマー型認知症」の発病原因とは無関係なのであり、「発病との間には、因果関係が存在していない」のです。
(4)  異なった複数の「テーマ」(必然的に、異なった複数の実行機能の働きの関与が起きてくる)を、同時に並行して処理する上で不可欠の機能である『注意の分配力』の機能が、異常なレベルに衰えてきていることの直接の反映が、就中、機能構造の連鎖の結果として、「前頭葉の三本柱」の機能が異常なレベルに衰えてきていることの直接の反映が、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに、厳密にリンクした三段階に区分される症状、「小ボケ」/「中ボケ」/「大ボケ」の段階での、様々な症状が発現してくる原因です。
※『意識』と『注意の分配力の機能』との関係の深い理解が不可欠なのです。
(5)『前頭葉の三本柱』の機能が異常な機能レベルに衰えてきたことの直接の反映、言い換えると、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした機能発揮の結果としての状況の分析、理解、判断、テーマの発想や、実行の計画や、実行結果の洞察や推理やシミュレーションや、機転や感動や抑制或いは決断という『実行機能』の機能の「発揮度」に直接影響する為、対象となる情報の認知並びに記銘、保持及び想起、更に、処理の面でも、当該機能の発揮が不的確で不十分であった「小ボケ」の段階を出発点に、「中ボケ」の段階を経由して、最後に、要の機能である『注意の分配力』が殆ど働かないことの直接の反映としての末期の段階、「大ボケ」の段階の症状が発現してくるのです。
(6)これを言い換えると、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした/機能レベルを反映した三段階に区分される様々な症状が、アルツハイマー型認知症の発病としての症状として、発現してくるのです。最初に社会生活の面(小ボケ:回復させることが容易)に、次いで家庭生活の面(中ボケ:回復させることが未だ可能)にも、最後にセルフケアの面(大ボケ:回復させることは、最早困難)にも支障が出てくる段階的な症状の発現を特徴としていて、思考、言動或いは行動の面に徐々に/緩やかな進行という形で現れてくるのが、『アルツハイマー型認知症』の症状の進行の特徴。
(7) 権威が神経変性疾患ととらえていること自体が、重大な誤り。発病及び症状の重症化が進行していく原因は、記憶障害ではなくて、『3つの仮説』が発病の原因と想定し主張する種々の要因は、誤り
①一つ目のデータは、「前頭葉」の機能が最初に異常なレベルに衰えていき、次いで、左脳、右脳、運動の脳という順番に機能が異常なレベルに衰えていくという衰えが進行して行く厳密な順番が存在していること及び②二つ目のデータは、MMSEテストを実施し、発病者であることが確認された人達(小ボケ、中ボケ、大ボケの全ての段階のお年寄りを含む14689例に及ぶ脳機能データの解析結果)の場合は、且つその場合に限り、MMSEの下位項目について出来なくなっていく厳密な順番である『MMSE下位項目の困難度』を示す客観的な「脳機能データ」が存在していること。③三つ目のデータは、「脳のリハビリ」の実践により正常なレベルに回復させることが可能である本当の意味での早期の段階、「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階については、『標準的な滞留期間が存在している』のです(「小ボケ」の期間は3年間、「中ボケ」の期間は2~3年間)。
※前記3つの「脳機能データ」の解析結果は、『事象の事実』なのであり、「4つの仮説」が想定している発病原因が、誤りであることの「完璧な証拠資料」でもあるのです。「DSM—Ⅳ」の第一要件の規定内容、第二要件の規定内容、アミロイドβ仮説を含む「3つの仮説」が提示する発病のメカニズムの「全てが誤り」なのであり、『真の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」である』ことの啓蒙が重要となるのです。

&5  『アルツハイマー型認知症』の発病の予防と治療の方法
1.『前頭葉』が活性化する生活習慣の構築と継続的実践(発病自体の予防)
(1)発病自体を予防する方法は、仕事というテーマとは無縁の日々の暮らし方となる『第二の人生』を日々送る上での『脳の使い方』としての『生活習慣』の在りよう次第ということになるのです(『前頭葉』が活性化する生活習慣の構築と継続的な実践がKey条件となる)。
(2) 本態が、廃用症候群に属する老化廃用型の生活習慣病である『アルツハイマー型認知症』は、「左脳」の出番が極めて多い『仕事』とは無縁の日々の生活となる「第二の人生」を送る上で、『高齢者自身が都度選択する脳の使い方としての「生活習慣」の在り方』が問われる病気ということなのです(右脳と運動の脳の活用が不可欠となる(「食生活」とは無関係であることに留意)。
2.『発病の予防』(発病時期の先送り)の為に構築、実践すべき『生活習慣』の条件(脳の機能面から見た、達成すべき「核心的な条件」):
症状を治すにも、発病を予防するにも、方法は唯一。『脳全体を、しっかりと使ってやる』以外に方法は無いのです(予防や治療に効く薬は存在し得ない)。
『前頭葉』を含む脳全体をしっかりと使うには、自身にとって、実行の対象となるべきテーマの発想、検索、選択が、当該テーマの実行が、実行の過程が、更に、実行の結果が、楽しくて、喜びや生き甲斐に繋がることが必須の条件となります(『前頭葉の活性化』には、脳全体を活性化させることが不可欠)。
(1)「趣味や遊びや人付き合いや運動や、地域活動」等を中心とした生活の中に、自分なりの『テーマ』を見つけ、自分の出番としての役割があって、自分なりの『喜び』や『生き甲斐』が見つけられる、自分なりの『目標』の設定と実行、生活上の張りのある『生き方』を見つけ、自分なりの『生活の楽しみ方』をして、自分なりに『脳が活き活きとしている』と感じられるような日々の『脳の使い方』としての『生活習慣』の構築、何かに挑戦する『意欲』が湧いてきて、『注意の集中力』が長続きして、『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなるような『生活習慣』を構築して、『継続して実践』(「生活習慣化」)することが、発病を予防(発病時期の先送り)する為の不可欠の条件となる。
(2) 『実行機能』を行使する要の機能である『注意の分配力』の機能の出番を増加させ、メタ認知する(脳内で、自分なりに、自分なりの視点で、発想、企画、計画、洞察、推理、シミュレーション、検索、比較、選択、決定、決断、抑制、感動etc.)機会が出来るだけ多くなる『生活習慣』が、意識的な世界(目的的な世界)に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』を活性化させ、そうした脳の使い方としての『生活習慣の構築と継続的な実践』が、『アルツハイマー型認知症の発病を予防』することに直結するのです。
3.『第二の人生』を明日も復た生きることの意味が自分自身に納得することが出来ていて、そのことを下支えする『自分なりの役割が保て、目標のある日々の暮らし方』が、『身体が保つ限り、脳も保てる』脳の使い方としての『生活習慣』なのであり、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防を担保できる哲学的な意義なのです。「キッカケ」の派生により自己承認(自己実現)の根拠となる哲学(精神的な基盤)を失くした時、心が折れて、『意欲を喪失』することにより、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が開始されていくのです。
4.仕上げのテーマが、『速足の散歩』:
(1) 異なる複数の『意識』を同時に並行して構築するにも、統合するにも、分離するにも、管理するにも、コントロールするにも、『「前頭葉」の三本柱の機能』(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能を総称して、二段階方式が独自に名付けた呼称)が、常に、『正常な機能レベルで働くこと』が、必要不可欠となるのです。
(2) 『前頭葉の三本柱』の機能は、「意欲」の上位に「注意の集中力」の機能があり、「注意の集中力」の上位に『注意の分配力』の機能が鎮座しているという構造、3層構造をしているのです。従って、廃用性の機能低下により、それらの機能が低下していくに際しては、より高度な機能から順番に「注意の分配力」の機能、「注意の集中力」の機能、「意欲」の機能の順番に機能の衰えが進行していくのです(廃用性の機能低下の進行により、『注意の分配力』の機能が、極めて異常なレベルに衰えてきている「大ボケ」の後期、MMSEの総得点が10点を切ってくると、そのことに起因して「失語や失認や失行紛いの症状」が発現してくるのです=「記憶障害」に起因してそれらの症状が発現する訳ではない)。
(3) 『速足の散歩』の継続的な実践(生活習慣化)により、『意欲』と「注意の集中力」の機能のかさ上げが進む(機能レベルの拡大が起きる)ために、結果として、『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなる「テーマ」の実行により、「実行機能」を駆使して行う『メタ認知』機能の機能の発揮度が向上することに繋がり、複合機能体としての『前頭葉』の機能の活性化に直結する効果が得られることになる(3層の機能構造の機能の連鎖発揮)。

&6  『発病を予防する』脳の使い方の体験教室
(1)『脳イキイキ教室』展開の目的と効果
自分なりの特定の(特別の)「テーマ」を持ち、自分なりの興味や関心が持てる「趣味や遊びや人付き合いや地域活動」を選択し、自分なりの「目標」を設定して、自分なりの楽しさや喜びや感動が得られる『生活習慣』を構築し、継続して実践することにより、『前頭葉を含む脳全体が活性化』する為に、『アルツハイマー型認知症』の発病自体の予防(発病時期の「先送り」効果が得られる)を明確な目的とした「第二の人生の生き方」を構築できるのです。
※上記(1)の生活習慣を個々のお年寄りが構築し、実践することが求められるのです(自助)が、事は簡単ではないのです。競争原理が支配する第一の人生で他者に少しでも遅れまいと仕事一筋の人生を送っていた世界とは真反対のもの、競争原理を排除して、共に生き、他者の輪に溶け込み、他者との協調が主となるべき第二の人生で、『何をどうやったら良いのかが、分からない』と悩む「お年寄り」達が、意外と多いのです!)。
(2)できれば歩いて通える程の近い場所、住んでいる地域単位で、健康課(健康長寿課)の保健師さん達に、『脳のイキイキ教室』を開催してもらおうというのが主旨なのです。第二の人生を送っている60歳を超える年齢のお年寄りをできるだけ多く集めてもらって、準備してもらったテーマを体験することで、自分なりに『前頭葉が活性化』する生活習慣への改善への道しるべが得られる体験が出来て、『発病の予防』を達成目標とした生き方が追及できるようになる(自助努力が必要)と期待しているのです(地域予防活動の実践で確認済み)
⇒教室で体験して、楽しいと感じたテーマを、我が家に持ち帰り、日々の生活習慣に取り込めばいいのではないか。そうした体験を積み重ねていくうちに、自分なりに楽しむことが出来るテーマを見つけ出すことが出来るようになり、自分なりにテーマの実践の仕方を創意、工夫、シミュレーションできるようになっていくのではないかと考えるのです。
※ 家に籠りボケーっと過ごす(発病のリスクが高い)のでなく、家の外に出て行くことが重要です。
(3)『脳のイキイキ度チェック』による「脳の定期的な健康診断」の実施
 そのテーマ、実践の仕方が、自分の脳にあっているのか、「前頭葉」の機能レベルの改善と維持に役立っているのか、『脳のイキイキ度の定期的なチェック』が必要不可欠となります(権威が示す「MCI:軽度認知障害」の基準は、何等の意味がなく、基準には不適。「二段階方式」の手技の活用が不可欠)。
(4)『教室運営の体験テーマ』
 各教室が実施する「体験テーマの内容」が極めて重要な意味を持ちます。
教室に参加する個々のお年寄りは、第一の人生でのキャリアが異なる上に、
第二の人生を送っている現在の経済的事情が異なり、家族関係が異なり、身体的な条件が異なり、そもそも価値観が異なるのです。そうした雑多なお年寄りの集団に対して、共通のテーマ、当該テーマの体験により、個々のお年寄りの前頭葉が活性化してくる生の体験をさせて、そのことを基礎体験にし、各人の日々の「第二の人生で」の生き方を改善させることが、教室運営の核心的な目標であるからなのです。教室運営の主役は、地域のボランティアが担い、体験テーマの選定についても、ボランティアが提案していくことになります。
②保健師さんの主たる任務は、教室参加の個々のお年寄りに対する『脳のイキイキ度チェック』の実施及び『前頭葉』が活性化する生活習慣の改善のための指導(特に、脳のイキイキ度チェックの結果、「小ボケ」と判定されたお年寄りに対しては、「脳のリハビリ」の為の具体的な「生活習慣」、『前頭葉が活性化』するための「生活習慣」)の改善指導を実施していくことにあります。
(5) 『地域ボランティアの活用』
「脳イキイキ教室」では、月に1回の開催が原則です。従って、参加者が各回に体験する『体験テーマ』の内容が極めて重要となります。前回までの「体験テーマ」を考慮し、新鮮な気持ちと感覚で、且つ、できれば参加者の全員が、そのテーマの実施を楽しめること、各人のその後の脳の使い方としての個別の生活習慣の改善への反映という意味で、極めて重要だからなのです。
※保健師さんの最も重要な任務は、参加者の『脳のイキイキ度チェック』なのです(かなひろいテストとMMSEを個別に同時に実施することが重要)。
一方で、教室の運営は、地域のボランティアが担う重要な役割となるのです。
※ 高齢化率が30%に達しようとしている我が国の現状の問題点はというと、『身体が保つのに、脳が保っていない=アルツハイマー型認知症の発病者』であるお年寄りが極めて多いのです。アルツハイマー型認知症を発病する高齢者数は、年々「ウナギのぼり」の状況で、増加に歯止めがかからないのです。
身体が元気な状態にあって、『身体が保つ限りは、脳も保たせたい』と考えておられる高齢者の方達は、「脳イキイキ教室」の運営に積極的に参画して頂きたいのです。「教室で体験」するテーマの選択、結果の評価(参加者が、どの程度楽しんでいたか)にも参加し、次回の体験テーマや年間を通した体験テーマなどの選考に関わって頂きたいのです(自身の前頭葉の活性化に繋がる)。

&7  「介護の予防措置」が有効となるための条件
  1. 「介護の予防措置」の実施が有効である為には、『前頭葉』を含む脳全体の機能が「小ボケ」及び「中ボケ」のレベル迄であることが、精緻な機能判定を実施した結果として確認されていることが、必要不可欠の条件となります。末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状の重症化が進行していたのでは、「脳のリハビリ」実施の効果を期待することが、最早困難となるからです。
  2. 上記条件から、「認知症ケアパス」作成の下、市町村で現在実施されている「重度の物忘れの症状」の主観的な判定だけを判定基準としたものである「MCI」(軽度認知障害)の基準は、措置を実施する対象の判定基準とは、なり得ないものなのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行を抑制する効果が期待できるのは、遅くとも、「中ボケ」までの段階と判定された高齢者となるからなのです。そのためには、「前頭葉」の機能レベルの精緻な判定(かなひろいテスト)並びに左脳及び右脳の精緻な判定(MMSE)が必要不可欠となるのです。MCIの基準による判定は、末期の段階での選別しか出来ないので、予防措置実施の効果が期待できないのです。
※1高齢者であれば、加齢に起因した正常な老化の進行の結果としての物忘れの症状が確認されるのであり、アルツハイマー型認知症の発病者である小ボケ及び中ボケの段階にある高齢者の判定には、MCIの基準は役立たないのです。
※2「脳の働き具合」、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを、客観的な手法で調べないで、「記憶障害」の症状の有無とその程度ばかりに焦点を当てていて、且つ末期の段階の「症状」だけからボケを見つけようとしていたのでは、「脳のリハビリ」により、症状を回復させることが可能な/更なる進行の抑制を期待できる本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が見落とされて、『アルツハイマー型認知症と言うタイプの認知症は、治らないし進行が止められない』ことにされてしまうのです。ボケても安心な社会の構築を目指す川下対策(介護)だけに目が行き、川上対策(発病自体の予防と早期診断と早期治療による回復及び進行の抑制)に目が向いていないのです。目指すべきは、「ボケても安心な社会」ではなくて、「身体が保つ限り、脳も出来るだけ保てる社会、『持続可能な超高齢社会』の構築」なのです。

&8  『持続可能な超高齢社会』を維持するための発用条件
(1) 本態が廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である『アルツハイマー型認知症」は、その性質上『老年発症』が特徴なのであり、若年層が多くて厚い「発展途上国」には無縁のもので、老年層が多くて厚い「超高齢社会」に到達している我が国日本を筆頭に及び超高齢社会に到達しようとしている米国やフランスなどで、極めて大きな社会問題が発生してきているのです。
(2) アルツハイマー型認知症は、症状の進行が極めて緩やかであり【小ボケの期間は3年間、中ボケの期間は2~3年間】、その後は末期の段階の大ボケの期間となり、大ボケのレベルの範囲の中で、身体が持つ限り症状の更なる重症化が進行して行くのが特徴なのです。「小ボケ」の段階は、社会生活面だけに支障が出て来るのですが、「中ボケ」の段階になると家庭生活面にも支障が出てくることとなり、末期の段階である「大ボケ」の段階になると、食事や入浴や、身の回りの世話などのセルフケアにも支障が出て来る為、日常の生活面での介護が不可欠となるのです。身体が保つ場合は、植物人間状態にまで症状の重症化が進行して行くことになるのです。日本の現状は、介護保険制度があるものの、年々の発病者数が極めて多人数であることから、十分な介護の措置が取れていなくて「家族介護」にしわ寄せが行っていて、老老介護、認認介護、更に、介護離職(累計数100万人突破)が放置された儘の状況に在るのです。 家族に頼る介護は極力回避して、介護保険制度の適用により対応すべき。
(3) 世界的な権威があるとされる機関や専門家達が、通説とされてきたアミロイドベータ仮説を筆頭とする「4つの仮説」にしがみつき、マウスやマーモ・セットのお尻を追い掛け回し、無意味な論争を続けてきたのです。他方で、我が国では、論文を提出していないために、専門家達の注目を集めることが無かったとはいえ、私たち『二段階方式』が、北海道から九州に跨る累計数で452にも上る市町村での『住民参加型の地域予防活動』の実践展開の指導により、『アルツハイマー型認知症は、①早期診断と早期治療により症状を治すことが出来るし、②症状の更なる進行を抑制出来るし、③「前頭葉」が活性化する生活習慣の構築と継続的な実践とにより発病自体を予防することが出来る』タイプの認知症であることについて、「疫学的な方法によって実証してきている」のです。
(4)①「二段階方式」の考え方に基づき、②「二段階方式」の手技を活用して、③対象を「アルツハイマー型認知症」に特化して、④発病自体の予防(第一次予防)を目的として、⑤市町村の健康課(健康保健課)が活動推進の核となり、(発病の有無の判定、三段階に区分される段階的症状の判定、早期段階の発病者に対する回復の為の「脳のリハビリ」の実践指導の全てを含む)、更には、発病自体の予防の為の『前頭葉が活性化』する生活習慣の実践体験を目的とする『脳のイキイキ教室』の運営について、地域のボランティアが参画し、「第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者」である地域住民が参加者となる『住民参加型の地域予防活動』を国策として制度化し、我が国の全ての市町村、更に、その隅々に迄、活動の展開を広げていくことを切望しているのです。
※高齢化が進行している地方の地域の活性化にも繋がる効果が期待できる。
(5)『持続可能な、超高齢社会』を構築し、維持する為には、『アルツハイマー型認知症』の発病自体を予防する為の政策の国策化による実施が不可欠となると考えるのです。この面で、世界をリードできるのは、日本だけなのです。 日本は、住民参加型の「地域予防活動」の実践展開の実績があるからです。

&9  『発病の予防が可能であること』の「啓蒙」が不可欠
Ⅰ.新型コロナに対する感染回避策としての『三密の回避』の意味
(1) 2020年初頭から、新型コロナの感染の拡大に因る重症者、死者の発生及び重症化しない場合でも、後遺症の発生等の問題の発生により、感染の回避策が大きな社会問題となってくる状況の中で、政府は、新型コロナに対する有効な感染回避策としての『三密の回避』に徹した『生活習慣』の継続的な実施を、国民全体に対して、特に、『第二の人生』を送っている『高齢者』に対しては、厳格な遵守を強く求める政策を採用してきたところなのです。
(2) 「三密の回避」とは、①換気が悪い『密閉空間』、②多人数が集まる『密集場所』及び③間近で会話や発声をする『密接場面』をできるだけ回避して暮らす「生活習慣」のことを言うのです。
(3) 三密の回避に徹した生活の仕方を、脳の機能面から言い換えて説明すると、脳の使い方が単調な日々の暮らし方、遵守し、徹底される場合には、
『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続』ということになる訳なのです。
※新型コロナに対する感染回避策として有効とされ、特に、第二の人生を送る高齢者に対して厳格な順守を政府が要請してきた『三密の回避』は、脳の機能面から言うと、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続なのであり、こうした生活を遵守する日々が継続されて、それまで、楽しんで体験できていて、時には、喜びや生き甲斐が得られていた源泉となっていた「生活習慣」を維持できなくなること(社会的な意味が大きく、且つ、我が意に反してでも、従わざるを得ない社会的状況が存在)をキッカケとして、次第に、何事に対しても意欲をなくしていくことに因り、前頭葉を含む脳全体の機能について、廃用性の速度的で異常な機能低下を進行させる要因(生活条件)でもあったのです。
※専門家たちの間でも(例を挙げると、介護の予防措置の国策化による実施を
策定した政府大綱の有識者会議での議論をリードされた朝田 隆教授)が、
次のような認識を語っておられるのです【産経新聞記事から】。
⇔ 『アルツハイマー型認知症の発病の予防の取り組みは、人と人とが交流する通いの場の確保が必要であるが、コロナ感染防止のため、三密を回避することは、予備軍から認知症発病者へ進むリスクを高める』、『コロナの影響により、認知症発病患者の67%で、認知機能が更に低下したとの報告がある』、『コロナの感染防止を図りながら、どうやって人と人との交流の場を確保していくのかが、これからの、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防のカギになる』 。
Ⅱ.喫緊の課題が、『基本書』の配布に因る啓蒙です。
(1)「小ボケ」の期間は、発病して3年間は続くので、コロナの初期に発病した高齢者でも、今なら、回復させることが、未だ可能なのです。回復させることが出来なかったケースについては、症状の更なる重症化の進行を防止/抑制することが出来るのです。次の段階の中ボケの期間は、2~3年間続くので(標準的な滞留期間)、介護が必要となる末期の段階、大ボケの段階にまで進行する期間を先延ばしすることが出来る、『介護の予防』が期待できるのです。
(2) 今回ここで提案するのは、添付してある『基本書』(「アルツハイマー型認知症」は、防げる治せる)を「70歳代の高齢者世帯」を対象として配布し、啓蒙することなのです。

本著作物「G-13」に掲載され、記述され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。
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