認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

意識が覚醒下の記憶の構造とアルツハイマー型認知症発病者の記憶の特徴(H-06)

2023-03-20 | この先一週間-脳の活性化と私なりのテーマ
   

&1意識が覚醒した下での脳の働き方の構造
覚醒の度合い(覚醒度)が異なるものの、意識が覚醒した世界は、(何らかの
目的を遂行する為の)目的的な世界であり、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する馬車(三頭立ての馬車)を運行する世界であり、馬車の運行を支配し、管理しているのが『御者』であり、『意識的な世界』(目的的な世界)における脳全体の「司令塔の役割」を担っているのが『前頭葉』という脳機能なのです。その「前頭葉」は、『前頭葉の三本柱』の機能(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」を総称=二段階方式による命名)、『評価の物差し』の機能(意識の首座=自我)及び『実行機能』(前頭葉の個別認知機能群の総称=Executive Function )により構築される複合機能体であると私たち二段階方式は理解しているのです(二段階方式が提示する独自の見解)。
※1 上記構造による複合機能体としての『前頭葉』が働く場面では、『意欲』の
機能が「注意の集中力」の機能の発揮度を下支え、『注意の集中力』の機能が、『注意の分配力』の機能の発揮度を下支える『三層の機能構造』が存在しているのです。
※2 上記三層の機能構造の下で、「前頭葉の三本柱」の核心的な機能である『注意の分配力』の機能が、『評価の物差し』による評価、注意、関心、観方に基づいて、『実行機能』を行使しつつ、『メタ認知』及びメタ認知に随伴し連動する『実認知(実体験認知)』を実行していくのが、『意識的(目的的)な世界』での脳の働き方なのです。

&2意識の覚醒下での記憶の構造の特徴
私たち人間の記憶には、記憶の対象となる情報を「記銘」して、「保持」している内容の情報をそのままに、或いは、或る程度のあいまいな内容の儘に「想起」するという、「3つの過程」が有ります。
(2) 想い出せない(想起できない)ときに、忘れたということになるのですが、この間の機能構造を分かりやすく言うと、『よく記銘された情報が、よく想起される』ことになるのです。
(3) 記銘に際しては、よく記銘される(記銘度が高い)ことが、よく保持され/よく想起される為の『必要条件』となります。記銘時における「対象となる情報」に対する『注意の分配力』の機能の発揮度が高い/低い(分配力の機能の配分の量が多い/少ない)ことが、記銘度の高さ/低さを左右することになるのです。
(4) 想起に際しては、注意の分配力の機能の発揮により、よく検索する(想起の機能が良く発揮される=想起の発揮度が高い)ことが、よく想起される為の『十分条件』となります。
(5) 上述のように、人間だけに特有な『注意の分配力』の機能が関与し、記銘度及び想起度を支配する、私たち『人間だけに特有な記憶』の過程では、『注意の分配力の機能』機能レベル及び機能の発揮度が関わることにより、記銘度及び想起の機能の発揮度が大きく左右されることの理解が必要なのです。アミロイドβ仮説の支持者が、マウスの記憶行動を基礎とした研究をして、主張の基礎に置いていること自体、重大な欠陥があるということなのです。注意の分配力人間だけに特有な機能である上に、記憶(記銘度及び想起の機能の発揮度)に重大な影響を与えている機能要因であり、マウスの記憶と同じ条件で、アミロイドβの蓄積の影響の有無とその程度を評価するには、注意の分配力の影響を排除することが不可欠となるのです(世界中の権威機関は、未だに、このことに気付いてはいないのです)。

   
&3 アルツハイマー型認知症の発病患者の類型的な症状の進行の順番
(1) 「小ボケ」の類型的症状の10項目(推定される順番に並べ替え)
①三つ以上の用事を、同時に並行して処理できなくなる(注意の分配力の機能が異常なレベルに衰えてきた為に/咄嗟の判断及び処理の機能が異常なレベルに在る為に、様々な場面で、物事をテキパキと処理できなくなる。車を運転している際に、注意の分配力が十分には発揮できない機能レベルに在る為、小さな事故を、しばしば起こすようになってくる。後続車を何台も従えていることにも注意が回せなくて、道路の真ん中よりを時速
30キロ程で、ノロノロ運転するようになる。)
②一日や一週間の計画が立てられなくて、自分では思いつかなくなる(注意の分配力の機能が異常なレベルにあるため、実行機能を駆使して発想、洞察、推理、シミュレーションすることが出来にくくなる)
③何かをやりかけても、中途半端で、根気が続かなくなってくる(テレビを見ていても、根気が続かず、やたらとチャンネルを変える)
④問いかけに対する反応が遅くなって、動作がもたもたしてくる
⑤発想力が乏しくなり、料理の内容や行動内容が画一的になる(同じ料理用の材料を重ねて買ってきて、冷蔵庫の中にたまる)
⑥本人は気づかないで、同じことを繰り返し話したり、尋ねたりする(注意の分配力の機能が異常なレベルに在るため、自分が話した内容の記銘度が低いので、ついさっき話したことを忘れている)
⑦何か、何事かに対して、生き甲斐を覚える風が無くなってくる(注意の分配力の機能が異常なレベルに在るため、評価の物差しが十分には働かない結果、それまでなら覚えていた生き甲斐を感じられなくなる)
⑧何かをするでもなく、ぼんやりして過ごしていることが多くなり、やたらと昼寝をするようになる(注意の分配力の機能が異常なレベルに在るため、実行機能の一要素である発想する機能が発揮できなくなってくる)
⑨思い込みや思い違いが多くなり、相手の意見を聞き入れられなくなる(実行機能の一要素である抑制する力が異常なレベルに衰えたせい)
⑩眼の光がどんよりとして無表情、何事にも感動しなくなる

(2) 「中ボケ」の類型的症状の10項目(推定される順番に並べ替え)
⑪何度教えても、日付があやふやになる(今日が何日なのかがあやふや)
⑫簡単な計算も嫌になり、買い物で小銭がやたらと貯まるようになる
⑬料理が上手くできなくなって、味付けが塩辛すぎるようになる
⑭ガス、電気の消し忘れ、水道の蛇口の閉め忘れが目立つようになる
⑮2~3種類の薬の服薬管理が出来なくなり、家族が管理する必要がある
⑯外出を嫌がるようになり、日常の身だしなみにも無頓着になる(行き慣れた場所に行くにも、道を間違えたり、乗るバスを間違える)
⑰今まで出来ていた、家庭内の簡単な用事も出来なくなる
⑱季節や目的にあった服を選べなくなる(日、年、月、季節、昼夜の順に衰えて行く、時の見当識が衰えてきて、季節の感覚がなくなる)
⑲昨日の出来事をすっかり忘れてしまう
⑳ お金や持ち物のしまい場所を忘れ、誰かに盗まれたと騒ぐようになる

(3) 「大ボケ」の類型的症状の10項目(推定される順番に並べ替え)
㉑しばしば、自宅の方向が分からなくなる(所の見当識が働かなくなってきている為に、結果として、徘徊することになる)
㉒ 服を一人では正しく着られず、上着に足を通したりする(着衣失行)
㉓ 同居の家族の名前や関係が分からない(人の見当識がなくなる)
㉔ 家庭生活の面で、介助が必要となる
㉕ 大小便を失敗し、後の処置が上手くできない
㉖ 汚れた下着を、そのまま平気で来ている
㉗ 独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ
㉘ 風呂に入ることを嫌がるようになる
㉙ 食事をしたことを直ぐに忘れる
㉚ 誰もいないのに、『人が居る』と言ったりする

※1上記に提示した小ボケ、中ボケ、大ボケの三段階に区分された類型的症状を注意して読んでみてください。これらの段階的で類型的な症状は、「前頭葉を含む『脳全体の機能レベル』(二段階方式は、厳格な定義を有しています)に、厳密にリンクした症状群なのです。記憶障害に起因して、発現してきたものではないことを理解できるでしょう(世界中の権威機関は、「末期の段階」の大ボケが研究の中心であり、小ボケ及び中ボケを見落としているのです。未だに知らない。)。
※2 此処に挙げてある症状は、全てが、アルツハイマー型認知症の発病患者に確認される類型的な症状について、軽い症状の順番に並べたもの(現行の30項目問診票の順番を入れ替えたもの)です。世界の専門家達は、上記の内の末期の段階の後半の症状(11の下位項目により構成されていて30点が満点のMMSEの総得点が、一桁、9点以下になって初めて発現してくる症状)のことしか知らないのです。
「小ボケ」や「中ボケ」の段階があることにさえも気づいていないので、MCI (軽度認知機能障害)とかの極めてあいまいで主観的な内容でしかない基準の該当者とされる「極めて重度の物忘れの症状」の発現者(アルツハイマー型認知症の発病の前駆的状態に在るとかの、意味不明な説明が行われている)に加えて、失語、失認、失行(紛いの)の症状が確認されて初めて、アルツハイマー型認知症の発病だと主張しているのです(川下にしか目が向いていない大間違いの主張)。
※3 アリセプト(アセチルコリン仮説の考え方に立脚して開発された)、アデュカヌマブ、レカネマブ(両者は、共に、アミロイドβ仮説の考え方に立脚して開発された)は、日本の製薬会社であるエーザイ(開発の根拠となる学説が、仮説のままのレベルで「薬の開発」を実行するのが特徴)が、アルツハイマー型認知症の治療薬として、開発したものばかりなのです。医学会に於いても、アリセプトは、治療の効能は無くて、単なる対症療法薬(症状の治療ではなくて、症状の発現の仕方を昂進させたり、抑制させる効能の薬の事)でしかないことがほぼ確定しているのですが、アデュカヌマブとレカネマブについても、近い将来、治療の効能を有していないことが確定されることになる筈のものなのです。
アミロイドベータの蓄積とアルツハイマー型認知症の発病との間に因果関係が存在していないのであり、アミロイドドベータの蓄積を除去/阻害する効能を有しているからといって、アルツハイマー型認知症の発病の予防、症状の治癒を含む及び/又は症状の進行を抑制する効能を有することには繋がらないのです(因果関係の有無の評価方法の誤り/又は評価の仕方が杜撰なだけなのです。効能の評価を主張しているエーザイのCDRという(診断基準でもなく、薬の評価基準でもなく、ケアプラン作成用の基準に過ぎないもの)手法を転用した評価は、判定基準自体が『主観的な内容の構成』であり、主観的な評価結果を「単に数値化しているだけの主観的な手法」に過ぎず、客観性が担保されていないものなのです=「禁じ手」の使用)。
下記最初の図が前頭葉の加齢要因に因る(正常老化のカーブ)。次の図が、前頭葉を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下のカーブ。両者の差異を生じさせているのが、(廃用性の要因)。正常で緩やかな機能低下のカーブが、廃用性の要因が加わることにより、加速度的で異常な機能低下のカーブへと変化するのです(=発病及び症状進行の真の原因)。

&4 アルツハイマー型認知症を発病する原因(二段階方式独自の主張)
Ⅰ.アミロイドベータ仮説が破綻したことに伴い、記憶障害を引き起こす原因は異なるものの、同じメカニズムの上に立った仮説である他の3つの仮説も同じ運命を辿ることとなり、医学会には、定説が無い状態が起きてきています。
その状況下で、権威が無く、カロリンスカ研究所やランセット委員会に対してだけでなく、何処にも論文を提出したことがない私たち『二段階方式』の主張内容は、北海道から九州に跨る452の市町村での、住民参加型の『地域予防活動』の先駆的な試みの指導の中で、疫学的方法により実証されているのです。
4つの仮説が破綻した現在、私たち「二段階方式」の主張内容が、世界標準となる日は近く、岸田政権(の中枢)に対して、国策化による全国展開を提言している所なのです。
※『MCI』(軽度認知障害)の基準の該当者を対象として「介護の予防措置」を実施したところで、さしたる効果は期待できないのです。
最も有効で有益なのは、発病自体の予防に因る発病時期の先送り効果なのです。
自分なりに興味や関心が持てる特定のテーマを選んで、前頭葉の三本柱の機能が、注意の分配力の機能の活躍に因る実行機能の駆使により、創意、工夫、シミュレーションして、自分なりの喜びや楽しみが得られ、時には、感動できるような自分なりの生活習慣を構築し、継続して実践することが、発病自体の予防(発病時期の先送り)効果を生むことになるのです。三密の回避に徹した単調な生活習慣(脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)を厳格に順守してきた高齢者にとっては、このことの啓蒙が必要不可欠のものとなるのです。

  

Ⅱ.世界最高の権威規定である「DSM-Ⅳ」の規定内容の重大な誤り
1.「 DSM-Ⅳ」の第一要件及び第二要件の規定の構成と内容の分析
(1)米国精神医学会が策定した『アルツハイマー型認知症』の診断規定である『DSM-Ⅳ』の規定は、①第一要件では、記憶の障害(記銘及び想起の機能の障害)に起因して発病し、②第二要件に規定する症状(器質的な原因が関わらないものであり、失語、失認、失行(紛い!)の症状、又は実行機能の障害等)が発現して来ると規定しています。
(2) その論理的構成は、「第一要件」の要因が原因となって、「第二要件」に例示する症状が発現して来るという構想/構成の仕方をしていることが、それ以降の各項目の規定内容に照らして明白なのです(構成自体が重大な誤りの内容)。
(3) 「アミロイドベータ仮説」(発病との間の因果関係を未だに実証できていないという意味で仮説とされている)の旗印の下で、マウスにアミロイドベータを注入したアルツハイマー・マウスとかが檻の中で餌を探して徘徊する動きを対象にして、記憶障害とアルツハイマー型認知症との関係、言い換えると、アミロイドベータの蓄積量と記憶の機能レベルとの相関関係を研究し、世の中に対して、間違った情報を発信しているのが、ハーバード大学であり、我が国では、東大、京大、理化学研究所なのです。彼等は、アルツハイマー型認知症が、意識的な世界、目的的な世界と密接な関係を有するタイプの認知症であることにさえも気づいていないのです。意識的な世界、基本的にというか、常に複数の異なる意識が並存している状態下で、それ等複数の意識を構築し、統合し、統括し、分離し、管理し、コントロールしている要の機能が、『注意の分配力』の機能であることも知らないのです。意識と記憶に関わる最も重要な機能である『注意の分配力』の機能が備わっていない、マウスを研究対象にしていることが問題。
(4)『アルツハイマー型認知症』の発病原因は、記憶障害にあるのではなく、意欲の喪失状況の継続に端を発した『注意の分配力』の機能の機能障害を契機とした、『実行機能』の機能障害を介した機能構造関係、最終的な機能構造の関係では、『前頭葉』の機能障害の進行が原因なのです。
「アルツハイマー型認知症」は、左脳が専管する仕事とは無縁の日々を生きることになる「第二の人生」を送る上で継続される『単調な生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(追求する特別のテーマも無く、生き甲斐無く、趣味なく、交遊無く、運動もせず、達成すべき目標も無い単調な「生活習慣」を言う)の継続に起因した『前頭葉』を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で発病し、症状の重症化が進行して行く性質のもの。➡ 発病を予防するには、食生活ではなくて、仕事とは無縁となる第二の人生を送る上での脳の使い方としての『生活習慣』の創意工夫と継続的な実践、即ち、『前頭葉の三本柱』の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力のことを言います)の機能の出番が多くて、『注意の分配力』の機能が機能の発揮度を支配し、下支えている機能である「実行機能」の出番が多くなることによって、「意識的な世界」(目的的な世界)における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が活性化する『生活習慣』の構築と継続的な実践が、唯一の方法となるのです。「意識的な世界」を支える要の機能である『注意の分配力』の機能が、廃用性の機能低下の場合には、真っ先に衰えて行く性質があるからなのです(14689例の発病者の「脳機能データ」の分析結果が証拠資料)。
発病を予防したり、症状の進行を抑制する効能を有する「治療薬」は、発病のメカニズムに照らして、未来永劫開発されることは有り得ないことなのです。
アリセプトを含む「4種の薬」に、症状の進行を抑制する/緩やかなものにする効能、治療薬としての効能は存在していないのです。あるのは、単なる『対症療法薬』としての効能(症状の発現の仕方を抑制し、或いは、昂進させる効能)だけなのです。「効能の評価」をする方法に欠陥があるだけなのです。当該薬を飲んだ人達の日々の脳の使い方としての生活習慣が、症状の進行を抑制又は、緩徐にする影響に気づいていない評価方法なのです)。
私たち「二段階方式」には、『脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣要因』という脳機能データが存在しているのです(過去のブログ中で公開)。
➡『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』に過ぎないのです(世界中の権威が、未だに無知)。
(5) 意識的な世界は、目的的な世界であり、何等かの具体的なテーマを見つけて、自分が置かれている状況を判断して、自分なりの目標を設定して、発想、分析、理解、企画、計画、洞察、憶測、推理、検索、比較、シミュレーションして、シミュレーションの結果により選択して、実行内容及び程度と態様を決定し、実行の決断をして、脳の各部に実行の指令を下す。その際の、脳全体の司令塔の役割を担っている脳機能が、『前頭葉』であり、その過程で、様々な「個別認知機能」が活躍することになるのです。それら個別認知機能群の総称が『実行機能』なのであり、実行機能が機能を発揮する上で、その機能の発揮度(実行機能の機能レベル)を下支えし、支配している要の機能が注意の分配力の機能なのです。ここに挙げた注意の分配力や実行機能や前頭葉という脳機能は、マウスには備わっていないのです。意識的な世界は、注意の分配力の機能が構築し、維持し、下支えている世界であり、『記憶』(記銘、保持、想起)についても、記銘時も想起時も、必ず、注意の分配力の機能が関与することになるのです。こうした脳の機能構造の相違にも気付かないで、アミロイドベータ仮説の研究者達は、マウスを題材にして、研究しているのです。
注意の分配力の機能は、意識を構築し、維持し、管理する為の核心的な機能であり、アルツハイマー型認知症発病のメカニズムを解明する上で要の機能なのです。
注意の分配力の機能は、DNAの99%が人間と同じであるとされるチンパンジーにも備わっていない機能なのです。世界中の専門家たちは、意識が関わるタイプの認知症であることに気づいていなくて、注意の分配力の機能が備わっていないマウスやマーモセットを追いかけまわし、憶測ばかりしているのです。
(6) 何れにしろ、問題の対象となる世界は、無意識や条件反射の世界で起きてくるものではなくて、意識的な世界、「意識が覚醒」している状態下での、異常な症状として、『アルツハイマー型認知症』の症状が発現して来るものであるとの理解と認識に立って、発病のメカニズムを規定すべきものであることに注意を喚起したいのです。⇔「DSM—Ⅳ」の規定が確認を要求する記憶障害の症状自体、「注意の分配力」の機能及び『前頭葉』の機能障害に起因して発現するのです。
2.上記構成の理解に立って、第二要件の規定内容を検討してみたいのです。
(1) 第二要件の規定を別の視点で分析すると、失語、失認、失行(紛い)の症状、又は、実行機能がらみの症状が発現して来ることになると規定していて、そうした症状が発現してくる原因が、「記憶の障害という要因だと規定している」のです。
(2) 実は、この第二要件の規定内容自体が、重大な誤り、欠陥規定であるということになるのです。その問題点を以下に論じてみることにします(我が国では、東大、京大、理化学研究所が、アミロイドベータ仮説の牙城なのです)。アミロイドベータ仮説は、「DSM-Ⅳ」の第一要件が、正しい規定内容であるとして、アミロイドベータの蓄積に因る老人斑の沈着により、老人斑が持つ毒性により、情報を連絡している神経細胞の大量死が惹き起こされることに因る記憶障害が原因となって、失語や失認や失行(紛い)の症状が発現して来ると主張しているのです。
「DSM-Ⅳ」の第一要件の規定(記憶障害に起因して発病するとの規定)を
妄信し、アルツハイマー型認知症を発病し、末期の段階にまで重症化が進行し、失語や失認や失行(紛い)の症状が確認されていた高齢者の死後の「脳の解剖所見」で取り上げられるアミロイドベータの蓄積に因る「老人斑」の沈着に着目して、老人斑が毒性を有していて、その毒性が情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を招くことに因り、記憶障害が惹き起こされるという想定をしただけの仮説なのです。その仮説の主張内容とアルツハイマー型認知症の発病との間の因果関係の存在を未だに実証できないでいる為に、仮説の地位に甘んじているものなのです。支持する学者の数が多いので、通説なのですが。

 

Ⅲ。「意識的な世界」における「前頭葉」を含む脳全体の働き方
(1) 「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は、発現して来る症状は、失語紛いの(左脳がらみの症状)、失認紛いの(右脳がらみの症状)、失行紛いの(運動の脳がらみの症状)、又は、実行機能がらみの症状であると、第二要件は規定しているのですが、実はこれが「重大な誤り」の規定内容なのです。最初の3つの要件は、特定の症状を例示しているのに対し、最後の要件は、症状が発現してくる原因、機序を規定したものなのです(=「実行機能」の障害に起因して発現して来る症状という、前3者とは異なる異質の規定の仕方となっているのです)。規定の仕方自体が、論理的に支離滅裂のもの。「失語、失認、失行の症状」の規定内容は、誤りであり、実際には、『失語紛い、失認紛い、失行紛いの症状』のことであり、加えて、それらは発現する症状の全てではないのです{『そうした症状を呈する発病者もいる』というのが、末期の段階である「大ボケ」の後期の段階(MMSEの総得点が一桁)で発現してくる症状の実態}。
※ 後で、詳細について説明しますが、失語や失認や失行(紛い)の症状自体が、実は、記憶障害でなくて、「実行機能」の機能障害(三者の機能構造の関係で言うと、「前頭葉の三本柱」の機能障害に起因した「実行機能」の機能障害=それらの複合機能体である『前頭葉』の機能障害)に起因して、発現して来る症状群の一部の症状に過ぎないのです(支離滅裂の規定内容なのです)。
(2) 加えて、DSM-Ⅳの規定は、「意識的な世界」での脳の機能構造を無視した規定内容なのです(機能構造を知らない為に誤った内容の規定をしたもの)。
(3) 意識的な世界、即ち、目的的な世界は、『評価の物差し』による評価、注意、関心、観方に基づいて、『注意の分配力』の機能が、『実行機能』を行使して、メタ認知して(①自分が置かれている状況を分析し、理解し、憶測し、推測し、判断して、②その状況判断に沿った自分なりの特定の追求「テーマ」を発想し、③「テーマ」の実行内容及び実行の仕方を企画し、計画して、④想定した条件下での実行の結果を洞察し、推理し、検索し、シミュレーションして、⑤シミュレーションの結果を比較し、⑥最終的な実行内容及び実行の仕方を選択し、⑦決定して、⑧実行の決断をして、⑨意識的な世界における脳全体の「司令塔の役割」を担っている、『前頭葉』の機能が、左脳、右脳及び運動の脳に対して、実行の指令を出す結果として、先行するメタ認知随伴し連動する形と内容での実認知(実体験認知)実行されていくという機能構造になっているのです(「二段階方式独自の理解)。
①『実行機能』とは、上記(3)で太字列挙した個別認知機能群の総称なのであり、②実行機能が働くには、左脳、右脳及び運動の脳を介しての働きが不可欠となるのであり、更には、③実行機能が機能を発揮する為には、「注意の分配力」の機能を中核とした「前頭葉の三本柱」の機能による下支え及び支配が不可欠となるという機能発揮上の二重構造の関係があるのです{前頭葉の三本柱の機能、就中、「注意の分配力」の機能の関与の度合いが、「評価の物差しの機能」及び「実行機能」の機能の発揮度(働きの度合い)を左右している機能構造のことを言います}。
➡『注意の分配力』の機能の関与の度合いが、実行機能の発揮度を左右している。
この機能発揮上の二重構造から、「実行機能の機能障害」は、前頭葉の三本柱の機能の機能障害に起因して惹き起こされることになるという「機能構造」に対する無知からくる規定上での間違いを起こしているのです(「実行機能の機能障害」と規定するのではなくて、「前頭葉の三本柱の機能の機能障害に起因した実行機能の機能障害が正しい規定となるのです)。加えて、実行機能の機能障害は、第二要件ではなくて、第一要件に規定すべきものなのです。注意の分配力』の機能障害に起因して、器質的な原因が関わらないものである失語や失認や失行(紛い)の症状が発現して来るものだからなのです
(4) このことを分かり易く表現して説明すると、意識的な世界、目的的な世界は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する「三頭立ての馬車」なのであり、馬車の運行を判断し、支配し、管理し、コントロールしているのが御者である『前頭葉』(複合機能体であることに注意)という脳機能なのです(意識的な世界、目的的な世界では、「前頭葉」の機能が、脳全体の司令塔の役割を担っているのです)。左脳、右脳及び運動の脳を手足として、『前頭葉』が運行の全般を管理し、コントロールしつつ、思索や思考、行為や行動、或いは、言葉を介した発言を実行して行く上で、不可欠となる脳機能が「実行機能」なのです。
(5) このことを言い換えると、意識的な世界、即ち、意識が覚醒した世界、目的的な世界では、左脳、右脳及び運動の脳を手足として、前頭葉(評価の物差しの機能=自我の評価に基づいて注意の分配力の機能)が、実行機能を活用して馬車を運行して行くときに、『注意の分配力』の機能レベルが、その先の全ての、意識的なアウトプット、即ち、「評価の物差し」の働き具合、「実行機能」の働き具合並びに、左脳、右脳及び運動の脳の働き具合、或いは、それら機能の複合した機能発揮の関係の上で、必ず、直接的に影響するという廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因る機能障害に起因した因果関係の連鎖により、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル厳密にリンクした『三段階に区分される類型的な症状』が発現してくるのが、『アルツハイマー型認知症』の特徴なのです。
➡ 『注意の分配力』の機能を核とした「前頭葉の三本柱の機能」の機能障害が、評価の物差し及び実行機能機能障害に繋がり、即ち、そのことが、複合機能体である『前頭葉』の機能障害となり、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能障害が、その関わる全てのアウトプットに直接反映されることになり、三段階に区分されるアルツハイマー型認知症の症状が発現してくることになる(小ボケ及び中ボケの症状は、アルツハイマー型認知症発病としての症状であることが、世界中の権威達から見落とされているのです)。
※ 世界中の認知症研究や診断の権威達が『アルツハイマー型認知症』の発病の症状と認めている「大ボケ」の段階(実は、末期の段階)の症状だけでなくて(川下にしか目が向いていない結果としての産物)、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状も(川上に目が向いた判定の結果)、認知症の発病としての症状なのです。
(6) 第二要件の規定の問題点を明確にしつつ表現すると、「注意の分配力」の機能を核とする前頭葉の三本柱の機能の機能障害が、「評価の物差し」及び「実行機能」の機能レベルに直接的に影響し(機能障害に直結する)、「前頭葉の三本柱」、「評価の物差し」及び「実行機能」の機能障害が、即ち、複合機能体としての『前頭葉』の機能障害となるのであり、「意識的な世界」における脳全体の「司令塔の役割」を担っている『前頭葉』の機能レベルを含む脳全体の機能レベルの直接のアウトプットそれ自体が、『アルツハイマー型認知症』の発病としての「症状」となるという訳なのです(三段階に区分される類型的な症状については、&3を参照して下さい)。
(7) その意味で言うと、発現して来る症状の初期段階の症状について例示列挙的に規定した「DSM-Ⅳ」の「第二要件」の規定の仕方は、上述した、「前頭葉」及び「実行機能」並びに左脳、右脳及び運動の脳との構造的な機能関係を無視した規定内容であるということになるのです{失語や失認や失行(紛い)の症状自体が、発病の「初期段階の症状」ではなくて、極めて「重度の症状である」ことの問題点については、後述するものとします}。
(8) 上記問題点に加えて、第二要件の内容には、もっと重い罪があるのです。
ⅰ)「第二要件」は、アルツハイマー型認知症の症状を例示しているのですが、失語や失認や失行(紛い)の症状が、発病の「初期症状」であると規定している。
そもそも、『アルツハイマー型認知症』は、元々は、精神科の専門領域とされていたのです。「重度の記憶障害の症状」に焦点が当てられて、症状が精神症状と誤解されて、精神科のみが診断を行っていたのです。我が国で厚労省が、「アルツハイマー型認知症」の発病患者の診断の為の専門病院の指定に際して、精神科を有する地域の総合病院を『老人性痴呆疾患センター』という形で、僅かな数を指定したのが始まりなのです。「食事をしたばかりなのに、そのことも忘れている」と言った重度の「記憶障害」の症状や「夜中に騒ぐ」とか、「徘徊」等の症状や行動ばかりが取り上げられていたのです。そのため、発病者を抱えることになった家族は、発病を疑っても病院に連れて行かないで、手に負えなくなって初めて病院、精神科に連れて行くことが常態化し、『アルツハイマー型認知症は、原因不明で治らないタイプの認知症である』という誤解が、我が国の隅々にまで浸透して行ったのです。浜松医療センターは、『老人性痴呆疾患センター』の中では唯一、精神科の精神科医ではなくて、脳外科の脳外科医が診断を行った為に、正常下限のお年寄りから、軽い初期症状、中等度の症状の発病者から重い症状までを含めた、日本全国の発病患者を診察する機会を得たのです(脳外科で、高槻絹子=Kinukoが、「神経心理機能テスト」の開発及び判定実務の責任者だったのです)。
ⅱ)失語や失認や失行紛い)の症状は、11の下位項目で構成されていて、30点が満点であるMMSEの総得点が、9点以下になって初めて発現が確認される極めて重度の症状であることさえ、精神科医達には、認識されていなかったのです。
それが「初期症状である」と第二要件が規定していたので、それらの症状よりも更に重い症状ばかりに目が行っていた訳なのです。
症状を治したり、症状の進行を抑制できる効能を有する治療薬としての効能を有する薬は存在していないし、加えて、CTやMRIやSPECT、果ては、PETまで持ち出してきて、高額の診療費を稼ぎ出していながら、『脳のリハビリ』の実践による回復の可能性が皆無の段階で発病を見つけているのでは、『発病のレッテル張り』をしているだけの診断なのです。現在処方されている「4種の薬」も、症状の進行を遅らせる効能が期待されると製薬会社が謳い文句にしているものの、実際には、そうした効能は有していない単なる「対症療法薬」(症状の発現の仕方を抑制したり、又は、昂進させるだけのもの)が、『国民健康保険』の適用の下で、大手を振って処方され、処方代を稼いでいるという訳なのです。
⇔ 野党もマスコミも、何故かこのことを問題にしていないのです。末期の段階での発病の診断(発病のレッテル貼り)と対症療法薬の処方の為の医療費に投入する税金の総額が単年度ベースで10兆円を超えてきていて、更には、MCIとかの意味不明な基準を活用して行われる「介護の予防措置」(実際の効果は期待できない)の実施に重きが置かれていて、川上対策であり、究極の介護の予防措置であり、大きな効果が期待できる「発病自体の予防」に目を向けた住民参加型の地域予防活動が、棚上げにされた儘なのです。その結果として、介護に投入する税金の総額もまた、単年度ベースで13兆円を超えてきているのです(一般会計と特別会計の合計総額)。我が国は、一般会計の規模が108兆円程度であるのに対して、特別会計の規模は、その2倍以上なのです。
ところが、一般会計については、国会で審議がなされるのに対して、特別会計に対しては、国会の審議がなされないのです。川下に目を向けていて、意味も効果も不明の「介護の予防措置」だけを実施していて、川上に目を向けた『発病自体の予防措置』を棚上げにしていても、国会での審議がなされない現在の状況に、違和感を覚えるのです。⇔昨日の報道では、介護の費用の支払いに要する税金の総額が、単年度で13兆円を超えたので、介護保険料の増額及び介護の費用の負担の額を増額させる検討に入ったとの由。財政規律の為に有識者会議が提言する方策は、税金の無駄を大幅に削減する方策の実施ではなくて、税金を増額する方策が先決とされているのでしょうか。
※ 発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動を展開するには、二段階方式の種々の「マニュアル」(個別事例判定マニュアルのA,B及びC並びにマニュアル使用の手引き」の内容の改訂、保健師さんに使い易くする為の平準化、脳機能データ管理ソフト(エイジング)の改訂、保健師さんを指導する女性の専門職集団の養成等のステップを踏んで実施する必要があるので、準備期間が必要となります。一方で、『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なのであり、第二の人生を送る上での脳の使い方としての生活習慣の改善、前頭葉が活性化する生活習慣の構築と継続的な実践により、発病自体を予防できる(発病時期の先送り)し、何らかの事情で、万一発病することがあった場合でも、症状の進行の抑制効果により、介護の予防措置が効果的に達成できることについての基本書の配布による啓蒙活動は、岸田政権がソノ気になりさえすれば、直ぐにでも、コロナ対策費で実施できることなのです(期末まで、10日)。
ⅲ)失語や失認や失行紛い)の症状が初期症状であると規定されているために、それより軽い段階の症状(「二段階方式」の区分で言う小ボケ及び中ボケの段階での発現が確認される症状)が存在していることについて、専門家でさえ未だに考えていないし知らないのです(『重度の記憶障害』が核心と誤解している為)。
ⅳ)専門家とか言いながら、「MCI」(軽度認知障害)とか言う基準を持ち出して、『物忘れの症状』を外観から観察しただけの基準に依拠して、「アルツハイマー型認知症」の発病の「前駆的状態にある」とか説明しているのです。
➡ 意識の機能構造について無知であり、前頭葉の廃用性の機能低下の進行という認識さえなく、小ボケ及び中ボケの段階が存在することさえ知らないで、末期の段階で発病を見つけていて、『アルツハイマー型認知症は、原因不明で、治せない』タイプの認知症であると公言してはばからないのです。
その全ての責任は、『DSM-Ⅳ』の規定内容の誤りにあるのです
※専門家とされる人達は、米国精神医学会が策定した『DSM-Ⅳ』の権威に押されてしまい、その規定内容自体に重大な誤りが存するなど予想もしていないで、ただ単に、疑うこともなく追随しているという状況にあるのです。
私たち二段階方式は、独自に保有する各種の脳機能データについて、「DSM—Ⅳ」の規定内容では説明が出来ないので、他の道を追求したのです。

.「意識的な世界」と「注意の分配力」の機能の関わり方の問題
(1) 「意識的な世界」、目的的な世界では、『前頭葉』の機能(但し、単体ではなくて、上述した複合機能体)が、左脳、右脳及び運動の脳を手足の機能としつつ、「実行機能」を介して、更に、「注意の分配力」の機能を核とする「前頭葉の三本柱の機能」による下支え及び支配を得ることに因り、「意識的」な、且つ、「目的的」な思索や思考、行為や行動、或いは、発言や言動を実行しているのです。
(2) ところが、世界中の脳科学者も哲学者も、誰一人として、未だに気づいていない問題、問題を提示し得ていない、「実行機能」の機能発揮と「注意の分配力」の機能との関係、私たち「二段階方式」の表現で言う『実行機能の機能発揮上の二重構造の問題』という機能構造の問題があるのです。実は、この機能構造の問題に気が付かない限り、何時迄、マウス(又は、アルツハイマーマウス)のお尻を追いかけまわそうとも、アルツハイマー型認知症の発病のメカニズム及び症状の重症化が進行して行くメカニズムを解明することは出来ないことを、専門の学者や研究者達に問題提起しておきたいのです(掘っている穴が間違い)。

本著作物「H-06」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。猶、メタバース空間に構築し、構成し、表現することも、著作権法に違反することとなるので年の為。
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