Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

気が向いたら、ボチボチ更新しようかと・・。(笑)

猿猴 ~広島の妖怪①~

2011年03月04日 | 広島のオススメ!

広島には河川が多く、カッパ伝説が伝わっている。

  

広島駅前を流れる川の名を猿猴川(えんこうがわ)といい、そこに猿猴橋という橋がかかっているのだが、何を隠そう、この「猿猴」とは、河童(カッパ)のコトなのである。

カテゴリー/食玩など:「大百怪」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/a30253944d2884ea692c147bb4445e6e

 

 この猿猴伝説は、中国四国北九州地方と、西日本に幅広く伝わっているそうだ。

全国には500年以上、水神猿猴祭りが続いてるトコロもあるそうで、この猿猴川の河童「猿猴」は、縄文時代(!)から伝わるこの地の水神と考えられているとか・・。

 

縄文時代から・・とは驚きだが、これは、猿猴川沿いの猿猴像が設置してあるトコロにある、「河童猿猴伝説の地」という立て看板に書かれていた情報。

以前、このブログで紹介した時にはなかったものだ。

カテゴリー/広島のオススメ!:「猿猴橋」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/0e54016f7efcf00850e32d463d8d6d23

 

ちなみに文化人類学者・民俗学者の小松和彦によると、この河童の起源とされるものは、大きく3つあるという。

カテゴリー/歴史・民俗:「河童起源譚」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/5ab3b821a83e719c6d64fc9e9fabbfeb

要約すると、

河童=人形説(人形起源譚)

祇園の御子説

渡来妖怪説

・・の3つで、は特に九州を中心に伝えられているそうだ。

 

この立て看板によると、この猿猴は「インド発の猿神がルーツ」とする研究者もいるとのコトで、先の分類でいけば、にあたるだろう。

インド発祥の猿神といえば、おそらく、インド神話に出てくるハヌマーンのコト。

「猿猴」という名からストレートに連想すれば、まあ、納得・・。 

 

 

実際、「体形は1メートル位で、猿に近い姿」をしており、「髪の毛や体毛は、茶色でもじゃもじゃしている」とあり、その特徴は、まさしく”猿”そのもので、河童のそれとは思えない。

 

一方で、河童は猿を苦手とする・・という伝承もある。

水木しげる「日本妖怪大全」「川猿」という妖怪の項には、こうある。

「~猿と河童は昔から仲が悪い。

九州のほうでは、よく猿まわしが川を渡るとき、猿と河童がけんかになることがあり、まぬけな猿は、尻子玉を河童に取られたりするらしいが、ふつうの猿はたいてい河童を捕まえてくるといわれる。

また一説には、河童は十二刻しか水にもぐっておれないが、猿は二十四刻もぐることができるといわれ、河童より猿が強いとされる。 

 

・・猿って、水に潜れるんだ・・?

秋田県など、地方によっては猿を河童の守り神とするトコロもあるそう。

 

そんな”犬猿の仲”の河童と猿だが、猿猴伝説においては、その名前や外見の特徴からも、両者が合体したようなイメージである。

先述の「川猿」の項に、「河童は猿から空想したのだろうといわれている。」・・とあり、この河童=猿(orその他の動物)説もいれれば、河童の起源は4つの説になるだろうか・・?

 

昔の人が、鬱蒼とした暗闇の中、水から出てきたカワウソや猿を見たら、確かに何やら水に棲む怪しげな妖怪・・と思うかもしれない・・。

  

まあ、夜でも街灯で明るい現代の市街地の川沿いでは、そうした伝承もなかなか生まれないよなぁ・・。 

そもそも今、カワウソや猿を市内で見かけるコトが、まずない・・。

 

そう考えると、妖怪にもメルヘンというか、ファンタジーというか、ほのぼのとした牧歌的な詩情を感じるのである。

 

まあ、また広島に伝わる妖怪たちも、おいおい紹介していきたい。

 

 


モンスター・ペアレンツ考

2011年03月01日 | 最近、思うコト

3月は卒業式や年度末の時期でもあり、新しい出発の季節・・。

今年からお子さんが幼稚園だ、小学校だという親御さんも、はじめてのコトであれば、我がコトのように緊張するのではないだろうか・・?

 

晩婚化・少子化傾向に歯止めがかかる気配もなく、1人の子どもにかける、親の愛情やお金は、期待値とともにふくれあがり、今や大変なものとなっている。

米倉涼子主演のドラマにもなったりして話題になったが、最近では、それが常識的な範疇を越える親の場合、学校側から”モンスター・ペアレンツ”と呼ばれ、恐れられている。

 

日本初の引きこもりの人数調査を行うなど、教育界の重鎮でありながら、”尾木ママ”の愛称で親しまれている教育評論家尾木直樹氏によれば、このモンスターたちは、大きく5つのタイプに分けられるという。

それは・・

我が子中心型

ネグレクト型

学校依存型

権利主張型

ノーモラル型

 

それぞれ説明していくと、は過保護・過干渉というタイプ。

校則で、携帯電話が禁止されてる学校で、携帯をもたせられない子どもが心配だからと、遠足や修学旅行に同行する親がいるケースもあるとか・・。

 

は子どもに興味・関心がないという極端な放任主義で、着替えもさせない、食事を与えないなど、児童虐待の土台となるタイプ。

実際、虐待を受けてる子どもは虫歯が多いなど、親の無関心傾向が、その引き金となりやすい。

 

はすべて学校・教師にまかせっきりというタイプで、遅刻しないように教師にモーニングコールを頼むなど、今や、ごく当り前のコトなのだとか・・。

遠足のお弁当が作れないからと、先生に頼む親もいるらしい・・。

は自分の要求を強調するタイプで、「給食が必要だと頼んだ覚えはない!」と、支払い能力があるにもかかわららず、頑として給食費を払わない親などがいるそう。

ちなみに全国の給食費の滞納額は、26億円にも及ぶとか・・。

 

は常識と非常識の区別がつかないタイプ。

学校の校庭の芝生が、遊んでる子どもの邪魔になると、ショベルカーをもちこみ、勝手に校庭をほじくり返してしまう・・などという事件も、最近、実際にあった話である。

 

こうした親に恐れをなし、”不登校”になってしまった教師は、全国で5000人以上になるとか・・。

 

本当のイミで”親に”なりきれない親が増えるコトで、こうしたモンスター・ペアレンツたちも増殖し続けている。 

こうして見ると、不登校や引きこもり、非行に走る子どもたちの背後には、家庭の崩壊というものが見逃せない。 

”過保護”くらいで済んでいた時代は、まだよかったのかもしれない・・。

 

当に立派な大人たちだけが住む社会で育つ子どもたちなら、必ず立派な大人になるはずなんだから・・。