歴声庵

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本多勝一著 「日本語の作文技術」

2007年10月14日 23時07分29秒 | 読書

 「綺麗な文章を書けるようになりたい」と購入した四冊目の本です。何の予備知識も持たずに購入した本書だったものの、購入後に著名なジャーナリストの書かれた本だと知りました。ジャーナリストが書かれただけあって文章が簡潔に纏められており、今まで読んだ「文章の書き方」について書かれた本の中では一番判りやすかったです。

 このテの「文章の書き方」について書かれている本の多くが、「テーマの選び方」や「インパクトのある文章」等の『見せ方』について書かれているのが多い中で、本書は「句読点のうちかた」や「修飾語の並べ方」・「改行のしかた」・「繰り返しの注意」等の、文章を書くに当たっての『技術』について説明してくれています。これは基本的な事柄も関わらず、中々学ぶ機会の無い事でしたので、この基本的な事柄を説明してくれる本書はありがたいものでした。
 特に「句読点のうちかた」については、本私も正しい方法が知りたくて色々な本を読んだものの、「文章の書き方」について書かれた本が多い中、この点について詳しく書かれた本を見た事がなかったので本当に勉強になりました。また「わかち書きを目的とするテンは一切うたないことだ」の指摘などは、私自身長らくわかち書きのための点を多用してきたので、印象的な指摘となりました。
 他にも「改行のしかた」については、あまりにも簡潔に答えを示してくれたので、この点を長らく悩んでいた身としては驚いてしまったくらいです。筆者は「『だいぶ長くなったからそろそろ改行しようか」などという馬鹿げた改行は、しようと思っても出来ないはずだ」と述べていますけれども、この本を読むまでそのような「馬鹿げた改行」をずっと続けてきた身としては、筆者の指摘は耳に痛かった反面、ようやく改行のしかたを知る事が出来たと思いを持てました。

 このように本書は文章に書くに当たっての初歩的な、しかし中々学ぶ機会のない技術についての説明が満載されており、読めば読むほど学ぶ事が出てくる味わい深く重宝する内容でした。暴言になるかもしれないものの、本書を読めば他に「文章の書き方」について書かれた本を読む必要はない、ここまで思えるほどの本はそう無いのではないでしょうか。


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