歴声庵

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一坂太郎著 「長州奇兵隊~勝者の中の敗者たち~」

2006年12月10日 22時02分17秒 | 読書
 実は今までこの方の著書は初めて読んだのですが、かつて東行記念館の学芸員を勤めていた程の人ですから、さぞかし長州至上主義の内容かと思っていましたが、いざ読んでみたら長州藩について冷静な視点から書かれていたので驚きました。と言うよりここまで冷静な目で長州藩について書く人は見た事がありません。特に赤根武との死に対して「赤根は高杉晋作の私怨により殺されたが、赤根にも批判される部分があった」などは、とても長州贔屓の人には書けないと思いました。他にも一般的な長州藩に対するイメージとはかけ離れた色々な談話が書かれているので興味深く読ませて頂きました。
 ただ残念なのは、筆者も述べていますがあくまで書かれているのは歴史の本筋とは離れた談話であり、通史では無いのですよね。実際タイトルからすれば諸隊反乱について詳しく書かれているかと期待したのですが、談話ばかりで諸隊反乱の通史について書かれていませんでした、う~んこの人なら今までとは違う諸隊反乱に対する考察が読めると思ったのに残念でした。
 ただこの人の歴史観自体は非常に好感が持てたので、この人の著書はこれからも購入したいと思います。

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