天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第21期女流名人戦第1局/謝女流名人が先勝

2009-03-09 22:46:57 | プロ棋戦

 謝依旻(しぇい・いみん)女流名人に知念かおり四段が挑戦する「第21期女流名人戦三番勝負」の第1局が3月4日、東京都千代田区の「ホテルメトロポリタンエドモント」で行われ、白番の謝が中押し勝ちし、初防衛にあと1勝とした。
第2局は3月17日、新潟市の岩室温泉「高島屋」で打たれる。

 焦点は中央の攻防となり、知念が右上の厚みを利用して猛然と中央の白に襲いかかる。途中、黒が自陣の安全を図る手段もあったがゆるまない。「これが知念さんの碁なんです」と小林覚九段。
 力で負けていない謝は、中央の攻防を強手でしのぎ、今度は上辺や左辺で反撃に転じ、最後は下辺で黒を取り込み、決着をつけた。
 両者、残り1分になってからも控室は「そこまで打たなくても」と驚く戦いの連続だった。

 ◇謝女流名人「中央でつぶれそうでした。秒読みでいろいろひどい手があったと思うけど…まだよくわからない」

 ◇知念四段「流れが悪かったです。右下でしのがれて、悪手もたくさん打ってしまいました」

      (産経新聞より抜粋)

    ◇   ◇   ◇

今期から主催紙が夕刊フジから産経新聞に変わり、女流では初めての挑戦者決定リーグ戦方式に。
その大激戦の中から知念四段が名乗りを上げてきました。

◎リーグ戦の結果
 ・加藤 啓子六段 3勝3敗(3位)
 ・小林 泉美六段 1勝5敗(陥落)
 ・梅沢由香里五段  3勝3敗(4位)
 ・鈴木  歩四段  4勝2敗(2位)
 ・吉田 美香八段  3勝3敗(陥落)
 ・知念かおり四段  4勝2敗(挑戦)
 ・向井 千瑛二段  3勝3敗(陥落)
  ※直接対決で知念四段が鈴木四段に勝ち、挑戦者に決定

女流の碁は格闘技が多いといわれていますが、本局も激しい攻防のようでした。
男性は直球・変化球を適当に調合しながら進めるのに対し、女性の方は直線勝負が向いているのでしょうか。

本タイトル戦は十段戦を主催してきた産経新聞に変わったことで、前夜祭は十段戦と女流名人戦の合同で行われました。
産経新聞も囲碁関連に注力されているようで、ありがたいことです。

    ◇   ◇   ◇

今週の「週刊碁」は一面が十段戦で高尾十段と張栩四冠のスナップ、終面が女流名人戦で謝女流名人と知念四段のスナップ。
一面と終面を見開くと前夜祭における4人のタイトル戦手合棋士が並んで写っています。大河ドラマ並みの配役ですね。

「週刊碁」で本局の記事は20面と19面に載っていますが、19面の対面(18面)には楊嘉源・九段(知念四段の夫君)の「表の顔、裏の顔」という講座が連載されており、夫婦で週刊碁のかなりの部分を占領していました。
紙面の登場頻度に比例するような活躍を期待しましょう。

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