天声人碁

剣正28号が「囲碁」を中心に雑感、独り言を随時書き込みしていきます。
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第21期女流名人戦第2局/知念勝ち五分に

2009-03-24 20:27:51 | プロ棋戦

 謝依旻女流名人に知念かおり四段が挑戦している「第21期女流名人戦三番勝負」の第2局が3月17日、新潟市の岩室温泉「高島屋」で行われ、白番の知念が3目半勝ちし、対戦成績を1勝1敗の五分にした。最終第3局は4月1日、東京都千代田区の日本棋院で打たれる。
 立会人・工藤紀夫九段の合図で、謝が右上隅小目に第一着。控室には、対局を翌日に控えた高尾紳路十段と張栩名人(四冠)も盤をはさんで向き合い、熱気を帯びた検討が続く。十段戦との合同開催ならではの光景だ。
 中盤まで黒が白の模様を消しながらペースをつかみ、「黒が打ちやすい」と控室の検討陣。終盤、白が猛然と右下の黒に襲いかかるが、控室の見方は「どうも無理のよう」。が、白190と1子取って中央を助けたのが控室を驚かせた冷静な一手で、勝ちを引き寄せた。

<知念四段の話>
 全体が結構甘い形になりましたが、中央に手が戻って手応えを感じました。

<謝女流名人の話>
 右下が生きれば勝ちだと思いましたが、判断が甘かったですね。

      (産経新聞より抜粋)

    ◇   ◇   ◇

第1局は攻めが空回りした知念挑戦者。本局でも攻め主体の展開、形勢は芳しくなかったようですが後半から粘って逆転の勝利でした。
一方、初戦を制して勢いに乗る謝女流名人。中盤までは好調な流れのようでしたが、終盤で形勢を仕損じたようでした。
これで三番勝負は1勝1敗のタイ、決着の第3局に注目です。

本シリーズは知念さんが腰痛とのことで、椅子対局でした。体調不全では止む負えないないですね。
国際棋戦が増えて、椅子対局も時流といえばそれまでですが、畳文化は大切にしてほしいものです。

    ◇   ◇   ◇

今回の対局地は新潟市の岩室温泉「高島屋」。十段戦では毎年当地で行われている常宿です。
女流棋戦は地方での対局が珍しく、当地の囲碁ファンにとっては大歓迎でしょうね。

新潟県は今年のNHK大河ドラマ「天地人」の舞台となり、各種のイベントが行われているようです。
ここ2~3週のストーリーは、上杉謙信亡きあとの跡目争いとなる「御館(おたて)の乱」が中心となっています。

「跡目争い」はいつの世も、どんな世界でも起こるえる永遠のテーマのようです。
囲碁界でも世襲制最後の本因坊・秀哉の時代までは、ドロドロとした跡目争いが繰り広げられたのでしょうね。
現在では、いろいろな世界で実力本位が中心となっていますが、それでも「跡目=実力」という単純な図式ではないような気がします。

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