サケの釣り場は夜明け前の真暗なうちに釣人で満員になる。
暗いうちは釣れないのだが、自分の釣り場確保のために、誰もが早くから埠頭に座り込むしかない。
真暗なうちは、ただ明るくなるのを待つだけである。
東の空が僅かに明るくなると、気の早い誰かが発光ウキを投げる。
それを契機に次々と発光ウキが増えて、たちまち海面は賑やかな電飾風景になる。
しかしボクの経験では、ウキが肉眼で見える明るさにならないと、ほぼアタリは期待できない。
サケが釣れる「ゴールデンタイム」は、ウキが見え始めてからの1時間ほどなのである。
というわけで、ボクは発光ウキを持っていない。
沢山の発光ウキを眺めながら、いつもじっと座って待つ。
ウキが見え始める頃に参戦するのだが、「海面上の場所取り」では少し不利な立場になってしまう。
そこで、手持ちのウキにケミホタルを付けられるようにした。
愛用の3本の手作りウキを少々加工して、先端に黒いチューブを取り付けた。
穂先が細いウキにはチューブを被せ、太いのには穴あけしてチューブを埋め込んだ。
これにケミホタルを差し込んで使う。
サケを釣るためというより、海面の場所取りが目的である。
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