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【心 de 経営】 徒然なるままに日暮パソコンに向かいて 第65段 この比の冠は 権力欲はいつの世にもはびこる

2024-08-08 12:03:00 | 【心 de 経営】 徒然なるままに
■【心 de 経営】 徒然なるままに日暮パソコンに向かいて 65段 この比の冠は 権力欲はいつの世にもはびこる      
  「徒然草(つれづれぐさ)」は、吉田兼好による随筆集の冒頭の文章です。作者は、兼好であるという明確な証拠はないようです。おそらく大半の方が、何らかの形で、この文章に接しているのではないでしょうか。
 徒然草といいますのは、清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』とならび日本三大随筆の一つといわれています。
  高校生時代に戻った気分で、また、社会人として人生を歩み、自分の高校時代には理解できなかったり、誤解していたりすることを発見しながら、独断と偏見に満ちた、我流の解釈を僭越ながらお付けしました。
 徒然なるままに、日暮パソコンに向かいて、よしなしごとを、そこはかとなく書き付けてまいります。
 お届けも、徒然なるままにアップロードしますので、読者の皆様も、日暮パソコンに向かいて、末永く、徒然にご覧下さるよう、お願いします。
◆第65段 この比の冠は 権力欲はいつの世にもはびこる
 徒然草の中でも、短い段のひとつですが、兼好の時代を観る眼が、現代でも通じるような気がしています。
【原文】
 この比(ごろ)の冠(こうぶり)は、昔よりはるかに高くなりたるなり。
 古代の冠桶(こうむりおけ)を持ちたる人は、はたを継ぎて、今用ゐるなり。
【用語】
 冠(こうぶり): 衣冠・束帯の折にかぶるもの
 冠桶(かむりおけ、こうむりおけ): 冠をおさめておく円柱状の木箱
 はた: 桶の縁
【要旨】
 最近の冠は、時代が経ると共に、次第に高くなってきています。
 冠を収めておく古代の冠桶を持っている人は、冠の高さが高くなるにつれ、その上辺に木を継ぎ足して、今でも使えるようにしています。
【 コメント 】
 冠桶というのは、正式な装束であります衣冠束帯の時に、頭に付ける冠を入れておく円柱状をした木でできた箱のことです。冠は、時代を経るに付けて華美に、豪華になってゆき、それを見せびらかせることが、自分を大きく見せることに繋がります。
 おそらく冠もひとつではなく、数も増えてゆくでしょう。
 表では、そのようにして見栄を張り、裏では、経済的に苦しく、それを悟られないように昔から使っている木の箱を、背が高くなった冠が入るように継ぎ足して、冠が収まるようにして使い続けています。
 このようなことは、昨今でも類似現象として起きていまると思います。
 その背景には、人間の権力欲や承認欲を求める性癖を利用して、権力を高めてゆく政治家の策略でもあります。
 昨今でも、権力欲・出世欲丸出しで、周囲の人を蹴落としてでも上に上がろうとする人や、勲章や名誉職をむやみに欲しがり、目立ちたがる人が見られます。
 兼好は、このような欲望を否定し、また、保守的な面を持ち、新しいものをあまり好まない傾向があるように見受けられます。
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