経営コンサルタントへの道

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■■【経営コンサルタント竹根の起業日記】 8月第4週 総集編 

2013-08-26 15:32:48 | 知り得情報

■■【経営コンサルタント竹根の起業日記】 8月第4週 総集編 



 【小説・経営コンサルタント竹根の起業日記】は、10年のサラリーマン生活をしてきた竹根好助35歳の経営コンサルタントとしての独立起業日記です。
 これから経営コンサルタントとして独立起業しようと考えている人の参考となることを願い、経営コンサルタントとしての実践を経験的に語るつもりです。

【 注 】
 ここに記載されていることは実在の企業とは何ら関係ありません。


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 経営コンサルタント起業日記を読むポイント

 日記を書いている竹根は、35歳の商社マンです。産業機械部第一課課長、2013年4月1日に経営コンサルタントとしての独立起業を考えています。はたして、最近、部長とぶつかることが多い中、課長の竹根は、サラリーマンを辞めるのでしょうか、それとも、別な道があるのでしょうか。
                   

【発行】
 毎日20時30分頃お届けしています。一部のブログでは、翌朝になることがありますが、ご容赦ください。

 8月第4週 総集編

八月十八日 工作機械の中堅商社

                     一週間のお盆休みは、あっという間に最終日を迎えた。

                     メールを開くと、取引先では比較的小さな、工作機械を中心とした専門商社であり、一部自社商品を持つ、メーカーでもある。ナスダックに上場しているT社の社長からメールが入っていた。

                     銀座にある同社の本社を訪問したことがあり、取引が始まった。金額は小さいが、コンスタントに続いている。そのT社長が私に会いたいというのである。二一日の夜、場所を指定されたアポイントを確認した。

八月十九日 朝礼

 週初めの朝礼は、お盆休み中に作り上げた売上実績分析の資料をもとに、産業機械部の売上動向について説明をした。

                     空洞化が進み、産業機械部の経営環境は悪化しているが、一方でわが社の業績は決して伸び悩んでいるわけではなく、業界シェアは改善している、それは課員の努力の賜であると演説をぶった。

                     課員全員の顔が緩んだ。課員のモラールが一気に上がった気がした。

八月二十日 課長会議                     

 お盆休みが明け、臨時の課長会議が召集された。事前通知もなかったので、部下の同行スケジュールをキャンセルして出席した。

                     会議と言いながら、部長が長々と演説をぶち、各課の上半期の売上予想を発表させた。その様な数値発表は、自社ネットで課長は閲覧することができるのに、なぜ会議でこのようなことを繰り返すのか、意見を何度も言ったが改まらない。

                     私の番になったときに、結果をプロジェクターで投影しながら、詳細は後で見て欲しいと言ってから、休み中に作成したグラフをいくつか紹介しながら、わが部の実状を説明した。

                     課長達からは、驚きと賞賛の声が上がった。

                     ところが、部長は「君には過去の売上データを閲覧する権限がないのに、ハッキングしたのか」と顔を真っ赤にして怒鳴った。状況を説明しても「懲罰は免れない、覚悟をしておけ」というだけである。

                     私は、それを聞き流し、「これは売上高分析だけであるが、さらに利益を勘案して分析してみたい」と締めくくったので部長は納まらない。

                     会議後、部長席に呼ばれて、三十分以上、お説教を食らった。時間がもったいないと思っていた矢先に、平葉さんが、緊急の用事だと呼びに来た。実は彼女の機転であって、大した要件ではなかった。

八月二一日 大企業と上から目線

 日曜日にアポイントのメールが入った工作機械の中堅商社であり、メーカーでもあるスペシャルマシン社の社長と、新橋の小さな小料理店へ向かった。かつては、仕事柄このようなお店を接待によく使ったが、近年はその機会は少なくなった。

                     先方から見ればこちらは大企業であり、顧客であるので、社長は下座に座って、私を待っていた。私は、上座に座ることに非常に抵抗感を感じているので、いつものように上座を左手または右手に見る位置で対面する形にしてもらった。お互い、取引先同士で対等であるので、上座下座という感覚はふさわしくない。

                     差し障りのない話から始まったが、T社長は居住まいを正して話し出した。数か月前に新製品を、私の上司にあたる部長に紹介したところ、返事もなく、困っているという。新製品と言うより、新製品の商品化企画提案といった方が正確である。

                     試作品ができた段階で、部長の意見を聞き、改良点の指摘を受け、商品化できる技術的な見通しが立ったものの、市場に類似品がないので売れるかどうかわからない、商品化するには、製造工程の見直しが必要で、それに費用がかかる。その費用がスペシャルマシン社の現状では資金不足なので、共同開発、特許の共同出願という形を提案したらしい。

                     そこで、顧客を知っている私に、試作品を見て、部長に進言してくれないかという依頼である。

                     本題が理解できたので、その件は終わりにしてから、T社長に、この種の話は、対等なビジネスとして、堂々とわが社なり、貴社で話し合うべきテーマではないかと話した。

                     「竹根課長は、大企業と中小企業の立場がお解りではない」と言われてしまった。

                     大企業は、知らず知らずの間に、上から目線で取引先を見ていることを、いろいろな事例で話してくれた。


八月二二日 時間の空費

 出勤するや否や、部長秘書に部長のスケジュールを確認した。しかし、夜も含め全部詰まっている。私の声が気落ちしたのを彼女が感じて、「昼休みはあいています」と独り言のように言った。

                     彼女に感謝の言葉を贈り、私が強引に昼食を一緒にしたいとねじり込んだのでスケジュールに入れたと言うように彼女に頼んだ。場所は、いつも同期の秋元と食事をするレストランを指定した。

                     いつもより早めに行き、馴染みになっているマスターに隅の良い場所をとってもらった。

                     やや遅れてきた部長は、開口一番「君も強引だな。午後のアポイントがあるので、ゆっくりはできないよ」と釘を刺された。

                     昨日のT社長の件を要領よく話したが、取り尽くし間もない返事ばかりである。時間の空費を感じた。

                     昼休みから自席に戻るや否や、担当の常務秘書に内線をかけた。明日の午前中に時間を取ってくれることになった。

八月二三日 商社の限界

 昨夜から作戦を練り、常務にどのように話をしたらよいのか、ワープロでストーリー作りをしたものを、通勤電車の中で繰り返し見ながら、リハーサルをした。

                     約束の時間ちょっと前に、常務室に行った。事前に用件を話してあったので、いきなり本題に入るつもりであったが、常務が、名古屋の塗料メーカーの話を持ち出してきた。私の期待に添うように会社として決断しなかったことを詫びられてしまった。

                     少々出鼻をくじかれた感がしたが、気を取り直して、本題に入った。

                     常務は、私が部下の進捗管理についての管理手法を知っているらしく、ただ頷くのではなく、それを話の間に挟みながら、私の話を肯定的に聴いてくれた。

                     最後に、常務がいった言葉は、嬉しくもあり、悲しくもあった。

                     私が言うことが実行できるような企業であれば、ライバル商社との差異化(差別化)ができ、業績も上がると思うと、私の提案を評価してくれた。一方で、商社としては、一中小企業に、全面的に肩入れをすることの難しさを、淋しそうに話してくれた。

                     午後、部長から呼び出しがあった。先日の売上分析用のデータ不適切使用で、訓戒処分であると書類を手渡され、それに署名捺印をさせられた。

                     「管理職とは、規則を破るためにいる」という信念を持って仕事をしている。部下が、規則のためにできないことを、管理職が権限を与えことで、その仕事をまっとうしてもらうという考えだ。

                     そのために、「あいつは、ルール破りの課長である」と部長から睨まれ、この種の処分は、これまでも何度も受けている。

八月二四日 日本経営士協会のオリエンテーション

 予約をした、日本経営士協会のオリエンテーション開催日である。

                     協会の歴史、経営士のあり方、経営コンサルタントとして成功するには、等々が詳しく紹介された。

                     第二部は、「中国人を知る」というテーマで、中国を相手にビジネスをしている個人企業の社長さんの話であった。現場を知っているらしく、事例も豊富であったが、オリエンテーションの一環としての講演に何となく違和感を感じた。

                     その様な話より、経営コンサルタントの先輩達の生の声を聴きたかった。

                     終わってから懇親会が催され、出席した。オリエンテーションには出席していなかった先輩会員も続々ときて、盛り上がった。

                     親友の秋元も参加していたので、懇親会が終わってから、彼を喫茶店に誘った。部長や常務との話をした。やはり結論は「商社の限界」というところに落ち着いた。

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