■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 脳波データを67種の感情・感性に“翻訳”し事業化へ 7B29
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◆脳波のデータをイライラ、集中、快感、リラックスなど、さまざまな感情に“翻訳”する。そんな脳波ビジネスで脚光を浴びているのがリトルソフトウェア(東京)だ。同社を率いる川原伊織里社長は、米国に留学し量子力学を学んだキャリアの持ち主。波形の解析に興味を持つようになり、その延長線上で同社を立ち上げる。翻訳のエンジンとなる自社開発の感性アルゴリズムについて「インテル・インサイドではないが、中を開けたら当社のアルゴリズムが入っているようにしたい」(川原社長)と、普及浸透へ意欲満々だ。
◆同社は2014年1月に発足した。電機メーカーやソフト会社の研究開発職を務めた川原社長が「たまたま、いとこからシリコンバレーのベンチャーが高性能、低価格の脳波センサーを開発したと知らされ、使ってみたのがきっかけ」となり、波形解析への興味・関心と重なって起業に踏み切る。会社設立後、その米国ベンチャー製脳波センサーを用いて、数多くの被験者データを収集・分析し、67種類もの感情・感性と脳波の関係性を感性アルゴリズムとしてまとめ上げ今日に至る。
◆感性アルゴリズムを応用し実用化に至った一つに、香りを扱うアロマショップの販促ツールとなる「感性選香」がある。ショップ内で、脳波センサーを装着した消費者が、ラベンダー、グレープフルーツ、ライム…といったアロマをかいだ際の脳波を計測・解析することで、「ラベンダーはリラックスし安眠できる」など、個々人の好みや特性にジャストフィットするアロマを“選香”できるという仕掛けだ。
◆現在、提携企業ともに「感性プラットフォーム」と名付けたクラウドサービスを運用している。同サービスでは、多くの被験者の脳波、心拍などのバイタルデータを日々、収集・蓄積し、ビッグデータ解析などを通して、感性アルゴリズムを逐次、ブラッシュアップしている。全国から大量のデータが集まることで「各県ごとの特徴や相違を表す感情マップも出来上がっている」(川原社長)。同社では、蓄えられた知見を自動車関連、医療・介護、メディア、食品、オフィス周りなど多種多様な分野に反映させて事業につなげようとしている。
◆禅の高僧らが座禅を組むと、凡人には難しい「無我の境地」に達する。同社では、そんな“無我の脳波データ”を近く無料公開する予定という。脳波への関心を高め、関連する研究開発を加速させる狙いで、川原社長は「人間にとって必要なものはオープンにしていく」と基本姿勢を説明する。オープン化はイコール、各方面との連携・協業によるオープンイノベーションの実践となる。脳波の発見から約90年。古くて新しい脳波解析からニュービジネスが次々と立ち上がりそうな成り行きだ。
出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成
◆【経営コンサルタントの育成と資格付与】