版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

蝕まれる版画家 5 Undermined Hanga Artist (5)

2008-01-15 10:44:05 | 作品 Works
かなり間が開いてしまいましたが また「蝕まれる」お話を再開します。



札幌市内にて   Phot by NORIKO


腐蝕銅版画(エッチング)は防食剤として「グランド」を用います。
成分は 松やに・蜜蝋・アスファルト粉等を溶かせて
作るので素材としては特に問題はないのですが
グランドを溶かして液状にする時や 銅板に塗ったグランドを剥がす時は
ホワイトガソリンを使います。
自動車のガソリンとほぼ同じです。
(ホワイトガソリンは色が着いていない あるいは鉛分等が少ない)

(一部訂正 グランドの素材を焼きアマニ油から松やにに変更します。
焼きアマニ油は銅版のインクを作る時に用います。)

やはり銅版の場合もガソリンという溶剤を使うので
スクリーン版画と同様か 発火点が低いなどそれ以上の問題を含んでいます。

In the case of etching, we use ground as an anti- corrosive.
It’s made of pine resin, beeswax and powdered asphalt etc, so not harmful.
But we have to use white gasoline as a solvent for liquefying the ground or
removing it from a copper plate.
White gasoline is similar to the gas for cars.
Its ignition point is lower than that of the solvent for silk screen.



札幌大通り公園  氷ついているイルミネイション
(後ろの方に雪祭りの雪像作り用の足場が組まれています)


こうしてみると銅版画制作はかなり危険な技法かもしれませんが
多くの作家は換気を配慮するなど 注意しながらも 気にしながらも
制作を優先するあまり 環境・健康をおろそかにしているのが
現状ではないかと思います。    つづく

So etching may be more dangerous than silk screen in terms of the health
and the environment.
Concerned about such problems, artists put printmaking
above their own health and so on I suppose.


札幌市内にて   Phot by NORIKO
昔は非常に大きなりっぱな「つらら」を付けている家がたくさんありましたが
今は家々の暖房が改善されたり 屋根の雪がすぐ落ちるようになって
見事なつららは見られなくなったようです。




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