版画草子 All That Print Work

自作版画作品と日常の写真を日記形式で紹介してゆきます。
(画像の無断使用は固くお断りします。)

いざ 切り込み!

2012-03-08 17:19:23 | 食品 Food


あれやこれや いろいろありまして すっかり更新が遅くなりました。
我が家に4人目の孫が6日に出てきまして.....
「裏若い」私を 爺ぃ! と呼ぶ親族が増々周りにうろちょろすることになりました.....

言い訳はこれくらいにして
今回は またまた 発酵食品のお話です。

最近の嫌われ者として「セシュウム・煙草・塩分・脂」なんていうのがありますが.....
いずれも健康に害のあるものとして 忌み嫌われているようですな。
セシュウムなんて「正しく恐れよ」なんぞと言われても
何が正しいのかという基準も曖昧な状態では対応のしようがありませんし
大体こういう問題を正しいとか正しくないとか言う基準を持ち出す事自体
問題を逸らしている様にしか思えません。

セシュウムなんか出すな!
そんなもん 造るな!

まぁ セシュウムは別として
煙草に関しては 私としては いろいろ言い分はあるのですが.....
脂に関しても トンカツ大好き人間の私には これまた言い分があるのですが......
まっ それはさて置いて

憤懣やるかたないのは「塩分」に対する世間の態度です。
(これほど大上段に構える問題でもないのですが.....)

塩分に関しては 戦後すぐから 減らせ!減らせ!のキャンペーンが繰り広げられ
それはそれで日本を長寿国にした「正しい一因」であったようです。
でもね ちょっと最近は やり過ぎ 「正しくない」浸透のし過ぎ と思う事 多々あるんです。

例えば 多くの漬け物 瓶詰め食品 日本古来の保存食なんかは塩分を減らす代わりに
保存料はもちろん 旨味と称して甘味料を入れ 
本来の味からは程遠い 奇妙きてれつな味世界を作り出しています。

「蜂蜜入り梅干し」(まぁ 好きな人に文句は言いませんが..... )
「土佐の酒盗」人工甘味料入り ( ......... )
「甘くて美味しい東京沢庵」(これも好きな人が多い様で)

いや いいんですよ 好きな方は  私 文句なんかありません。

私が言いたいのは 甘みを入れない本来の「しょっぱい」食品も残して欲しいと云う事です。


北海道特有の「鰊の切り込み」という食品があります。
ここからやっと 本題です。

十数年前までは 千歳空港の売店あたりでも 正統派の「切り込み瓶詰め」を手に入れる事ができましたが
最近はまったくお目にかかる事はありません。
すべて甘味料入りの「似非(えせ)切り込み」です。

鰊の切り込みは 鰊と麹と塩と酒 これだけで作り上げます。

ここまでくれば もうお判りと思います。
私の真情 「売っていなければ 自分で作る!」に 火がついてしまいました。

近頃 北海道近海で鰊の豊漁が続いているようで
この季節 我が街のスーパーでも 形のいい 生きのいい鰊を見かける様になりました。
大抵塩焼きでいただきますが 結構生きが良さそうなので ついに決心!
鰊の切り込み漬けの制作です。 

作り方は頗る(すこぶる)シンプル
元々 鰊漁場の飯場あたりで 捕れ過ぎた鰊を保存するために考えられた「おかず」でしょうから
「なんもさ!」 と云う位簡単です。

頭・尾・鱗・内臓を取って 2mm前後の厚さで輪切りにします。
それをたっぷりの氷水で冷やしながら「血抜き」をします。
この血抜きをしっかりするのが美味しく仕上げるポイントです。

こちら



水を何回も取り替えながら一晩置きます。

漬け込む数時間前に麹にぬるま湯を加えて ふやかします。
麹の量はほぼ鰊と同じ位でいいでしょう。

麹が冷めたら ある程度水を切った鰊と
多めの塩(全体量の7~8%かな)と日本酒(適当) あれば鷹の爪少々を混ぜ合わせます。



タッパーなどに入れて冷蔵庫に保管 4~5日すれば 食べごろです。


一週間経った切り込み

麹から出るほのかな甘みが旨味となって 鰊と渾然一体 何という「うまさ!!!」

塩分が多いと云っても どんぶり一杯 食べる訳でなし 毎食いただく訳でなし
かえって麹から出る発酵菌が身体にいい 立派な健康食品です。
余計なものが一切入っていない自然食品
皆様も試してはいかがですか。

ただ..... 美味しすぎて酒がはかどりすぎるのが 身体に悪いかもしれませんが......




と云う訳で 孫達から「小うるさい爺ぃ」と思われること確実なお話でした。


次回は 井上君のニセコ便り です。


  


最新の画像もっと見る

コメントを投稿