ノアザミの咲く頃、春型アゲハ類の第2のピークとなり、他のアゲハ類にやや遅れて、ナガサキアゲハやモンキアゲハが現れます。
久しぶりの青空が戻ってきた5月21日、ノアザミ咲く里山に出かけました。
<アオスジアゲハ 2006/5/21:千葉県君津市>
亀山近辺を中心とする房総半島南部地域は、標高300m程度の山地に小さな谷が幾重にも深く切れ込み、いまだ開発の手を拒んでいます。この為、良好な暖帯林や里山環境が残り、有名なルーミスシジミをはじめ、暖地~低山地の蝶がかなりの密度で見られます。普段なかなかシャッターチャンスの少ないこのアオスジアゲハも、アザミやヒメジョオンに次々と飛来してくれました。
<モンキアゲハ 2006/5/21:千葉県君津市>
白く大きな紋を見せて雄大な飛翔を見せるモンキアゲハは、日本のアゲハでは最大級の大きさです。千葉県南部の低山地では数の多い蝶ですが、全くの平地ではあまり見かけません。
思わずハッとする様な独特の存在感というか、風格を感じさせる蝶です。
<カラスアゲハ 2006/5/21:千葉県君津市>
カラスの濡れ羽色というのでしょうか、青緑~青紫の微妙なグラデーションに輝きます。個体により青っぽいもの、緑の強いものと少しずつ色合いが変化します。この個体はやや青いですね。
<クロアゲハ 2006/5/21:千葉県君津市>
街中でも良く見かけるクロアゲハです。痛んだ個体も多くなりましたが、まだまだ新鮮な個体も見かけます。
<ジャコウアゲハ 2006/5/21:千葉県君津市>
ジャコウアゲハも房総南部ではかなり個体数の多い蝶です。
さすがに♂はもう随分翅が痛んできましたが、この日はきれいな♀をたくさん見かけました。独特の色合いがシックなアゲハですね。
<アカタテハ 2006/5/21:千葉県君津市>
ノアザミにはアゲハチョウの仲間ばかりでなく、色々な蝶が来ます。
これはアカタテハ。越冬個体ではなく、初々しい第1化の個体の様です。
<ダイミョウセセリ 2006/5/21:千葉県君津市>
蝶は普通は翅を立てて止る事が多いのですが、このダイミョウセセリはいつも全開。おどろいて隠れる時もこのまま葉の裏に張り付きます。
この翅をピンっと張った姿が、大名のかみしもに見立てられて名前になった様ですね。
<ヒメキマダラセセリ 2006/5/21:千葉県君津市>
もうヒメキマダラセセリが姿を見せ始めました。
千葉県には高い山が無いので、山地性の昆虫は少ないのですが、このヒメキマダラセセリはやや山地性です。小さくてちょっとやさしい感じの黄色いセセリです。
<コミスジ 2006/5/21:千葉県君津市>
沢沿いのコゴメウツギにコミスジが何頭も吸蜜に来ていました。6~7頭ぐらいだったでしょうか、そばに寄って撮影してたら私の体にも止って汗を吸い始めました。ゆっくり旋回する様に飛ぶ姿がとても可愛らしい蝶です。
<ヒメウラナミジャノメ 2006/5/21:千葉県君津市>
♂は4月末頃から飛んでいましたが、今は♀が目立つ様になってきました。
地味な蝶ですが、良く見ると細かな職人芸の様な渋さを感じます。沖縄の八重山諸島まで行くとさらに粋な模様の仲間が何種か住んでいます。
<コジャノメ 2006/5/21:千葉県君津市>
ちょっとしたヤブみたいな所が残っていれば、割りに街中でもみられる蛇の目模様の蝶です。(2006/5/30訂正。街中でみられるのはヒメジャノメが多いです。コジャノメはやや局地的になります)
蛇の目模様を持つ蝶は何種類かいますが、コジャノメやヒメジャノメの「蛇の目」は良く出来ていて、ほぼ真円で黄色の円環と白く輝く光点を配していて、本当に何かの目玉の様にみえますね。自然の造形の妙には驚かされますね。
(2006/5/30 コジャノメに訂正しました)
<ハンミョウ 2006/5/21:千葉県君津市>
何年かぶりで見つけました。歩く宝石、ハンミョウです。
ちょうど空中で小さな虫を捕らえ、地面に下りたところです。でもどうしてこんな派手な色彩の体を持つ様になったのか、いくら考えても思いあたりませんね。
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最初に書きましたね、モンキアゲハやナガサキアゲハが・・・って。
もう1枚恥ずかしい写真があるのです。ナガサキアゲハです。
今年の冬は寒かったのですが、房総のナガサキアゲハは春にも元気に飛んでいました。
1度だけのシャッターチャンスの時、近づく前の念の為の1枚を取った直後に飛び去りました。
「良かった、1枚撮っといて。」と思ったのですが、ピントが合っていたのは背景でした。
はずかしいので、ちっちゃく張りますね、トホホ・・・・。
ではまた。