2メートル近くにまで伸びた茎に、
緑がかったクリーム色でラッパ状の花が20個くらい。
ことしもオオウバユリの咲く時期がやってきました。
花が咲くまでに10年ほどかかると見られているこの植物は、
花をつけるとその株は一生を終えるのだとか。
先住民族アイヌの人たちの呼び方は、「トゥレプ」。
「溶けさせるもの」という命名理由は、
茎が伸びて花が咲くころには葉が枯れてしまうというようすを見たからではないか、と伝えられています。
鱗茎、つまりユリ根はデンプンを大量に含んでおり、
どろどろになるまで潰しては漉して乾燥させ…を繰り返し、
一番粉は薬として、二番粉や三番粉は団子状に仕上げ、
保存食となりました。
アイヌの人たちにとっては、ギョウジャニンニクと並んで
「ハル イッケウ(食料・背骨)」。
いかに重要な食料だったのかが
伝わる表現ではないでしょうか。
(KEI)