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「蒲公英草紙」 恩田陸

2020-02-07 | 読書

東北の旧家、槇村家の娘聡子は生まれつき体が弱くて小学校へも行けない。

その話し相手として屋敷に行くことになった峰子は、聡子の兄姉、屋敷の人を通して少しずつ世界を広げていく。

ある時不思議な家族が屋敷に現れ、屋敷のはずれの洋館で生活することになる。やがて彼らは常野とこよ一族だと知れる。常野一族は他人の記憶や感情をそのまま受け入れ、未来が見える不思議な能力がある。

世は日露戦争へと向かう時代、聡子の兄たちも平穏な生活は続けられない。東京へ出て広い世界を見たいと願う兄たち。

聡子は次第に元気になり、村の子供たちに話を聞かせるまでになった。ある年の夏、村はずれの家に出向き、土砂崩れに巻き込まれて聡子は非業の死を遂げるが、聡子の思いを常野家の光比古がみんなの前で再現してくれる。演じるのではなく、不思議な雰囲気に包まれ、聡子の気配と声を確かに聴くという。

ファンタジックな小説をかいつまんで説明するのは難しい。

これを映像にするならさぞかし大変。しかし、小説なら書くだけ。小説が古くからあり、すたれないのはこんなところにあるのだろう。

こういう小説、ずっとご縁がなかったけど、年末、尾道のカレー屋さんの店先で無料配布。もらってきた一冊。

何をどう書いてもいいのが小説。テーマも書き方も自由自在。硬くなった頭では話の筋を追うのも大変だったが、改めて小説の無限の可能性について考えた。

 

 

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