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「呪いの時代」 内田樹

2014-11-22 | 読書

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新潮45に不定期で連載されたエッセィを一冊にまとめたもの。

内容は時事から政治、家族、震災など多岐にわたるが一貫した主張は、もう少し冷静に、人にものを贈与する気持ちで考え行動すれば世の中はもう少し風通しがよくなり住みやすくなるはずというもの、と言う風に私は読んだ。

人が人を批判し、聞くに堪えない言葉で罵詈雑言を繰り返す。これはネットの発達の悪い面だと思う。名前を隠してある特定の個人を批判できる。批判に耳を傾けずに自分の主張だけを繰り返す。在特会などはネット社会の最も嫌な部分がリアルな社会にまで露出したものだと私は思う。

今はあるのかないのか知らないけど、朝までの討論番組、相手の意見も聞かずにケンカ腰。あの頃から一方的にしゃべる人が増えたと著者は言う。

呪うという言葉はきつすぎて私個人としてはあまり好きではない。極度の嫉妬および、それに伴う言動と言い換えてもいいかも。

その悪弊を断ち切るため、今一度立ち止まって考えるべき。そしてその肝は、持てるものは持たざるものにスマートに贈与することと著者は言う。人の嫉妬や恨みをほどき、お互いが居心地のいい関係でいられるそれが一番の方法だと。

私が思ったことは、人の心は不安定で見た目に惑わされやすいもの。だからこそ、自分は自分と言う自信を持ち、過度なことを求めない。ということでしょうか。

こういう読み物は雑誌連載時に読まないと、よく分からなくなることもある。ちょっと残念。そんな記述がいくつかあった。

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