サンクチュアリ

美味しい物・綺麗なもの・楽しい事

好きな本 ( 坂木 司 氏の 和菓子のアン )

2013-06-12 07:12:02 | 好きな本
 ここに遊びにきてくださる方なら、私の食べ物への憧れ(執着ともいう?)とかにもお気づきのこととは思いますが・・・。
本屋さんでこの本に出会ったとき、
「あ~、買うしかないなあ~。」
とふらふらと、しかし迷うことなく足はレジに向かってしまいました・・・。



     
     なあんと美味しそうなおまんじゅうが表紙の「和菓子のアン」


 今までに読んだことのない作家さん、「坂木 司」(さかき つかさ)氏の本です。

『デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの十八歳。プロフェショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは?読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー!』(裏表紙の解説より)


 ミステリーだけど、誰も殺されたりしないし、怖くない。くすくす笑えたり、ぽろっと涙したり・・・。
「和菓子」の世界は本当に奥が深い。派手さでは、洋菓子に負けているような感じの「和菓子」ですが、その歴史や成り立ち、人々の思い・・・、あ~、「みつ屋」に行って、和菓子を買いたい! 一生懸命働く人たちが清々しい。
 落ち込みがちな私をほのぼのと前向きにしてくれた本でした。


 


 

好きな本 ( 万城目学氏と門井慶喜氏の「ぼくらの近代建築 デラックス!」)

2013-01-12 08:50:09 | 好きな本
 新しく「建物紀行」のカテゴリーを追加して、横浜をうろうろしてまとめた、ここ2日の私のブログですが、よ~く考えてみたら、まだお二人(万城目学氏と門井慶喜氏)の本をご紹介してありませんでした・・・。


     
     普段なら、この表紙を見たら、かなり引いてしまいそうなくらい「派手」な表紙です。


 初めてお目にかかる「万城目学氏」は、私が想像していた通りの方で、やんちゃ坊主(失礼)のような方でした。
対談集というのは、その方がよくわかって、ほんと!面白かったです。「門井慶喜氏」の書かれたものは、読んだことがなかったのですが、あまりの物知りぶりに驚いてしまった・・・。照れくさそうな笑顔が素敵な方です。
大阪・京都・神戸・横浜・東京と廻っていますが、地図や資料も付いているので、この本の場所をこれからゆっくり私たちも廻ってみようかと思っています。楽しみだわ~。


     

好きな本 ( 知野みさき氏の鈴の神さま )

2012-12-25 19:27:27 | 好きな本
 クリスマスの行事も済ませてしまい、今日は早くも玄関の小さな空間をお正月バージョンに替えました。その時に、「出雲大社」で買い求めた「しあわせの鈴」も飾ろうと箱から出しました。光り輝く二つの鈴はコロコロと澄んだ音をたてました。鈴の音を聞きながら、かなり前に背表紙が光ってみえたので、図書館でお借りした本のことを思い出しました。



     
     優しい色合いの 知野みさき氏の「鈴の神さま」


 四国の山間にある小さな町、高野町を舞台に、鈴守の神様、小さな愛らしい(本当は気が遠くなるくらい長く生きている)安那様と、その姿を見ることのできる人々とのふれあいを描いた短編集。
 甘い物が大好き、とても可愛らしい沙耶(鈴守の神様、安那様)は、人々の願い事を叶えてくれるような立派な神様ではなく、小さな神社をお父様から頂いた鈴と共にお守りしている、見える人にだけ見える神様。

 好きだなあ~、このお話。
読んだ後、春の光をほっこり抱いているような気持ちになりました。

好きな本 ( 浅田次郎氏の五郎治殿御始末 )

2012-11-18 08:39:43 | 好きな本
 仲良しのIちゃんは、浅田氏の大ファンです。
「この本も良かったよ~。」
とニコニコしながら貸してくれました。


     
     浅田次郎氏 五郎治殿御始末


 『江戸から明治へ、侍たちは如何にして己の始末をつけ、時代の垣根を乗り越えたか。激動の世を生きる、名も無き武士の姿を描く珠玉の全6編。』(本の裏表紙より)
 6つのお話の中で、「椿寺まで」と表題作「五郎治殿御始末」の2編が好きです。
「お侍」が、「お侍でないもの」になるということの大変さと潔さ、子供なら新しい道を進めるが、立派な大人にはとても難しい。以前には確実に「あった」何かが、無くなっていく。五郎治が、
「これからは、万事が金の世になるのじゃろうな。金で買えぬものなど何ひとつない世の中になるのであろうよ。士魂が頽(すた)るれば、自然とそういう世になる。」(五郎治殿御始末より)
と言う。でも反面、皆が平等(どんな世の中になっても本当の平等は無い気もするが・・・)の新しい世の中になる。
いつでもどんなことも必ず二つの顔を持つ。
 五郎治が遺したもの、笑えるが、心を打つ。


 友人の結婚式に参列した娘、友人と遠出した息子、昨夜遅くに二人共無事に帰ってきました。息子のお土産の「赤福」を皆で頂いた後、久し振りに家族4人で麻雀をしました。結果は僅差で私がトップ、2位は娘、最後に勝って、息子が3位、珍しくだんなさんが4位(ビリ)でした。深夜もう今日になっていましたので、せっかくのお誕生日にビリなんて・・・。
(上手くなくても勝てる麻雀は奥が深いです。)
賑やかな家族麻雀の終わったのは、夜もかなり更けた頃。息子が
「しし座流星群が見れるかも?」
というので、パジャマのまま外へ・・・。お互い一つくらい見えたかも?(一緒に見なかったので、見間違いかも?)
久し振りに夜空を見上げたような気がします。たくさんの星が夜空で瞬いていました。
それは、息をのむくらい綺麗な光景で、思わず「願い」をかけてしまいました。

 




好きな本 ( 高田 郁 氏の みをつくし料理帖 )

2012-08-19 06:54:47 | 好きな本
 大好きな「みをつくし料理帖」シリーズの特別版「みをつくし献立帖」を手に入れました。


     
     シリーズの人気の料理から初公開のレシピまで。(本の帯より)


 前作「夏天の虹」の「みをつくし瓦版」の中、作者からひと言
『いつも「みをつくし料理帖」をご愛読頂き、心から感謝いたします。これまで年に二冊のペースで刊行して参りましたが、次巻まで一回分、お休みを頂きたく存じます。長年温めていた題材の資料が時の経過とともに失われていくことを危惧し、その取材と執筆に専念させて頂きたいのです。次巻の発売を心待ちにしてくださる読者の皆様にはお詫びの言葉もありませんが、作者の我が儘をどうかお許しくださいませ。』
と書いてあったので、あ~、しばらくは澪ちゃんにもつる家の面々にも会えないのだなあ~と思っていました。ですから、本屋さんで、「みをつくし・・・」の文字と黄緑色の本を見つけた時には、とても嬉しくなりました。
 献立帖なので、作者が納得するまで、何度も何度も作ったお料理の材料、作り方、そして嬉しいことに写真も載っているのです。澪と野江の幼き日の思い出を描いたお話も載っています。
 私は、この方の描くお話がとても好きなのですが、この本を読むと、お話だけでなく、ご本人をとても好きなんだなあと思います。
「料理に向かう時は、胸に陽だまりを抱いていようと思う。」(想い雲より)
毎日のお料理作りを輝かせてくれる優しい言葉です。
 作者の望んだように、この本は、他の「みをつくし料理帖」シリーズと一緒に、本棚に並ぶことになりました。

好きな本 ( 東川篤哉氏 の謎解きはディナーのあとで )

2011-10-09 18:16:03 | 好きな本
 本屋さんで見つけたときも、ドラマ化されると聞いたときも、読みたいなあと思いながらも、ためらっていたのですが、今月初め、娘の引越しのお手伝いに行って、新居の片付けを手伝っていたら・・・。娘のだんなさん、takaさんが買ったみたいで、お借りしてきました。


     
     この派手な表紙は本屋さんでも目立っていました。


 大財閥「宝生グループ」の一人娘のお嬢様、麗子は、国立署の刑事。難解な事件を麗子からの説明だけで、犯人を当ててしまう毒舌執事、影山。麗子の上司、風祭モータースの息子、お金持ちオーラ全開の風祭刑事。
次々起こる難事件のたびに、状況を聞いた影山執事からは、容赦なく麗子に降り注ぐ
「お嬢様は、アホでございますか?」
「お嬢様の目は、節穴でございますか?」
謎解きそのものは、かなりストレートなので、読んでいると分ってしまうのですが、二人(いや三人かな?)のやり取りが面白くて・・・。
 ドラマもお人形さんみたいで可愛らしい北川景子さんが、麗子さん、ちょこっとえらそうな感じのアイドル桜井翔さんが執事の影山さん。ぴったりだわ~と思って、調べたら、気になる少し困ったちゃんの刑事は、椎名桔平さんでした。

 
     

好きな本 ( 高田 郁 氏の 銀二貫 )

2011-10-03 17:54:35 | 好きな本
 高田 郁 氏の本をもう一冊。


     


 「大坂天満の寒天問屋の主、和助は、仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。大火で焼失した天満宮再建のための大金だった。引きとられ松吉と改めた少年は、商人の厳しい躾と生活に耐えていく。料理人嘉平と愛娘真帆ら情深い人々に支えられ、松吉は新たな寒天作りを志すが、またも大火が町を襲い、真帆は顔半面に火傷を負い姿を消す・・・。」(裏表紙のあらすじより)


 「出世花」、「みをつくし料理帖」シリーズで、私の中では、とても信頼できる作家さんの一人となっている「高田 郁 氏」の本です。本の中に登場させる”お料理”は、必ず自分自身で、納得がいくまで、執筆しないという高田氏ですが、今回の”寒天”もそうだったんだろうなあと思わせる箇所が随所に見られます。
 松吉の頑張り、何度も大変な目に合いながらも、決してくじけない強さ、それを支える厳しくも優しい人々。こんな風に生きていきたいと思った。
 いつも棒寒天を見て、何故この形なのかしら?と思っていましたが、このお話を読んで、すっきり! 
昔の人は、すごいなあ~。
   


好きな本 ( 高田 郁 氏の 心星ひとつ )

2011-09-26 22:49:33 | 好きな本



     
     高田 郁(かおる)氏の 心星(しんぼし)ひとつ



 「澪が歩む道の上には、揺るがないひとつの心がある。」

料理か恋か、訪れた決断の時。澪が選ぶ、仕合せへの道とは!?   (添付の帯より)

 今回の澪は揺れている。どちらの道を選ぶのか、思い揺れる。天満一兆庵の再建と登龍楼を居抜きで売るというお話。どちらも好条件だ。お料理を作りながら、お客様の笑顔を見ながら、澪は、道を選んでいく。
澪の想い人、小松原との関係も大きく動く。
「心星」はひとつだ。

 澪の料理への気持ちは、たとえば漁師さんが、海に出て魚を捕って生きて行きたいと思うように、お百姓さんが、作物を作って生活したいと思うように、当たり前で、とても尊いことだと思います。そこには、お金や別の物では、決して埋めることのできない心の充足感があります。
澪が、迷ったり、困ったり、悩んだりしながらも、お料理に集中する姿は、とても愛しい。
 次回作が待ち遠しいです。
 





 

好きな本 ( 池澤夏樹氏の 春を恨んだりはしない )

2011-09-23 09:30:51 | 好きな本



     
     池澤夏樹  春を恨んだりはしない  写真・鷲尾和彦



 「震災をめぐって考えたこと」と副題にある。

大変なことが、起きた。いろんなものを見た。私達は、生き方を変える努力をしようと思った。

この本の題名「春を恨んだりはしない」は、ポーランドの詩人、ヴィスワヴァ・シンボルスカの「眺めとの別れ」の一節からのものだそうだ。



 その最初のところはこんな風だー

 またやって来たからといって
 春を恨んだりはしない
 例年のように自分の義務を
 果たしているからといって
 春を責めたりはしない

 わかっている わたしがいくら悲しくても
 そのせいで緑の萌えるのが止まったりはしないと

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

                        (沼野充義『終わりと始まり』未知谷)

 これは彼女が夫を亡くした後で書かれた作品だという


      (中略)


 古歌の「深草の野辺の桜し心あらば今年ばかりは墨染めに咲け」を思い出したのは当然の連想だっただろう。


                                           (本文より)


 大変なことが、起きた。いろんなものを見た。私達は、生き方を変えようと思った。

その中で、いくつかの言の葉が、いくつかの行いが、心に残った。

ひとつは、サントリーの新聞広告、、”伊集院 静 氏”が、新社会人へ向けて書いた文章です。
 <新しい人よ。今は力不足でもいい。しかし今日から自分を鍛えることをせよ。それが新しい社会人の使命だ。それが新しい力となり、二十一世紀の奇跡を作るだろう。ハガネのような強い精神と、咲く花のようにやさしいこころを持て。苦しい時に流した汗は必ず生涯のタカラとなる。ひとつひとつのハガネと、一本一本の花は、美しくて強い日本を作るだろう。美しくて強い日本人、職場を作ろう。その時こそ笑って乾杯しよう>

もうひとつは、”村上 春樹 氏”がカルターニャ国際賞授賞式でのスピーチで語った<非現実夢想家>についてです。

そしてもうひとつは、”鎌田 實 氏”が、毎日新聞の<さあ これからだ>の中で書かれていた心優しいテルコさんのお話です。自分が病で亡くなる前に、可愛がっていたインコを自由にしてあげるテルコさん。大金を福島の20キロゾーンのなかにいる動物を救うために寄付したテルコさん。20キロ圏内で働いている人たちの健康管理のために出掛け、動物の様子も見てきて、テルコさんに告げる筆者の医師。鎌田氏は、こうつなぐ
「生き物はみんなつながっている。福島の事故の後、命はみんなつながっていることに、これでもか、これでもかと気がつかされる。大切なことを忘れるなよと教えてくれているようだ。(中略)この大地に生きるすべての生き物を大切にする生き方が大事。(後略)」


 大変なことが、起きた。いろんなものを見た。私達は、生き方を変えた。

 この本の第7章「昔、原発というものがあった」
この章だけが「あった」と過去形で書かれています。
今まで進んできた道を変えることは、難しい。特に立派な大人には・・・。とてつもない勇気がいるからだ。
 この本は、素朴で温かい。色の無い写真は、強く胸を打つ。
  

好きな本 ( 畠中 恵 氏の しゃばけシリーズ )

2011-08-01 18:29:26 | 好きな本
 畠中 恵 氏の”しゃばけシリーズ”の中で、まだ読んでいなかったものを、図書館からお借りしてきました。


     


 どんな時もどんな人(妖怪)にも、優しい若旦那、とても好きだなあ~。仁吉と佐助は、頼もしい。鳴家たちは、愛らしい。
グッズも販売中とか・・・?ちょこっと欲しいなあ~。



 昨日、娘は、婚約者のtakaさんと二人で、新居を見に行ってきました。9月からお借りすることになりそうです。私たちから見ると少し頼りない感じがしてしまう娘たちですが、少しずつ前に進みだしたようです。がんばれ~!

     
     百日紅の間から見える青空  夏本番!


 先日、家のプランターに咲く”白い花”を撮って、ここに載せたのですが、KATSUMIさんという方から、コメントを頂きました。コメントのところのお名前をクリックすると、素敵な写真がいっぱい!とても綺麗なのです。色々見せて頂いていると・・・。NHKの”おひさま”のラストに信州の写真が何秒か映し出されるのですが、なあんと明日、この方の撮られた写真が採用されるようです。実は、毎日この写真を楽しみにしているのです。どんな写真なのでしょうか?いつにも増して楽しみです。