「ブッダの夢 河合隼雄と中沢新一の対話」(河合隼雄 中沢新一 平成十年)
大変高名な二人の、非常に奥深い六つの対談の記録だが、読後残る違和感は何だろうか。非礼ながら、邪悪の風さえ吹いて来るような気持ちになるのはなぜだろうか。日常・現実の世界のこととして、当たり前に魂の感応とか霊性とかが往来すると、浮遊できない下衆の警戒心は反射的にスイッチが入ってしまうのかも知れない。傷心の衆生は幽かな息吹にも狼狽して、なかなか夢を結べないのだ。
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