美濃屋商店〈瓶詰の古本日誌〉

呑んだくれの下郎ながら本を読めるというだけでも、古本に感謝せざるを得ない。

先ず暮らしを立てるよう努めることと実利教に盲従する拝金主義とは似ても似つかぬもの(本居宣長)

2021年07月07日 | 瓶詰の古本

金銀欲しからずと云ふは、例の漢(カラ)やうの偽りにぞ有りける。学問する人など、好書(ヨキフミ)をせちに得まほしがる物から、金銀は欲しからぬ顔するにて、その偽りはあらはなるをや。いまの世よろづの物、金銀をだに出せば、心にまかせて得らるる物を、好書(ヨキフミ)ほしからむには、などか金銀ほしからざらむ。然は有れども、憚る事無くむさぼる世のならひにくらぶれば偽りながらも、さる類ひは、猶はるかにまさりてぞ有るべき。

(「玉かつま」 本居宣長)

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