平安神宮は、1895年(明治28年)3月15日に平安遷都1100年を記念して京都で開催された内国勧業博覧会の目玉として平安京遷都当時の大内裏
の一部復元が計画されました。当初は、実際に大内裏があった千本丸太町に朱雀門が位置するように計画されたましたが、用地買収に失敗し、当時
は郊外であった岡崎に実物の8分の5の規模で復元されました。
博覧会の後は、建物をそのままにして、平安遷都を行った天皇であった第50代桓武天皇を祀る神社として創祀され、皇紀2600年にあたる1940年(昭
和15年)に、平安京で過ごした最後の天皇である第121代孝明天皇が祭神に加えられております。平安神宮では、京都を守る四神の御守が授与され
ております。
京都を護る四神とは、北の丹波高地を玄武、東の大文字山を青龍砂、西の嵐山を白虎砂、南にあった巨椋池を朱雀とする対応付けが可能ですが、背
山臨水を左右から砂で守るという風水の観点から正しく京都は四神相応の地でありました。 ただし巨椋池が完全に埋め立てられてしまったために、
現在京都の四神相応は破壊されており、なおかって朱雀大路を見通すことのできた船岡山は、玄武とするには小規模であり、現代中国の風水の観点
に立つと、船岡山は玄武を伝ってやってくる山龍が目指す星峰と解釈されております。
社殿は平安京の大内裏の正庁である朝堂院(八省院)を縮小(長さ比で約8分の5)して復元したもので、大きく赤く光る朱色が特徴的な正面の門は、
朝堂院の應天門を模しております。その内側の左右の殿舎は朝集堂の再現であり、拝殿は朝堂院の正殿である大極殿(左右には蒼龍楼と白虎楼
が付属する)を模しております。
神苑には、大極殿の右側の現在地の門から入り、時計回りに廻って行きます。
八重紅枝垂れ桜 この桜は、平安神宮が創建された明治二十八年、仙台市長遠藤庸冶氏により寄贈されたもので、そのもとは、近衛家に伝来した
「糸桜」を津軽藩主が持ち帰り育て、それが再び京都に帰ったことから「里帰り桜」とも云われております。谷崎潤一郎の小説「細雪」にも登場し京都
の春を象徴する桜として、神苑の数ある桜の中でも特に人気があるそうです。
モミジの新芽も芽吹き始めております。
神苑は、四つの庭園から構成されており、大極殿の西側の入口から入り時計回りに南神苑・西神苑・中神苑・東神苑と回ってゆきます。
こちらの庭園は南神苑です。
順路に従い左手に進み南神苑を一周いたします。
南神苑の南端には、京都で最初に走った市電(ちんちん電車)が展示されております。
南庭園から西庭園に抜けるところにある茶室では、お抹茶がいただけます。
南神苑を回り北に上がりますと西神苑の白虎池に出ます。この池は桜は少ないですが、5月下旬から6月にかけて花菖蒲や睡蓮が咲き誇ります。
西神苑から大極殿の北側を通り中神苑の蒼龍池にでます。こちらも五月には杜若や花菖蒲や睡蓮が池のあちこちで見ることができます。 池畔には
東屋もあり、お抹茶などをいただくこともできます。
東神苑の栖鳳池から蒼龍池に流れる小川です。
早咲きの緋寒桜
東神苑の栖鳳池と尚美館(貴賓館)
栖鳳池に架かる泰平閣(橋殿)
こちらの尚美館では、先週末の三日間、桜をライトアップをして紅枝垂れコンサートが 開かれており、毎年の恒例行事になっております。
泰平閣(橋殿)からの眺めです。
尚美館の横の桜を最後に出口に向かいます。
神苑を出て来たところのおみくじの樹です。